記録的な寒波でも店舗前には開店待ちの列が続き、一部商品は開店と同時に完売した。日本アニメIPを前面に打ち出し、韓国で開催された「ジャンプショップ・ポップアップストア」で見られた光景だ。
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日本アニメやキャラクターを中心に形成された韓国のファンダム消費が、国内の流通空間の風景を変えている。
グッズ販売や体験型イベントなどを組み合わせたポップアップストアは、不況の中でも来場者を引き寄せ、コンテンツの威力を示した。作品を見ることを超え、空間を訪れグッズを収集することが一つの文化的な流れとなり、いわゆる「ジャパニメーション」コンテンツは画面の外の空間でも活発に消費されている。
「マニアの空間」と見なされてきたアニメのポップアップストアも、この流れに乗り都心商圏の中心部へと移動している。
2月5日までソウル・龍山(ヨンサン)アイパークモールで運営されたジャンプショップ・ポップアップストアは、消費と文化交流がともに行われた空間だとの評価を受けた。
ジャンプショップは日本の代表的な漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』のIP商品を販売する公式ライセンス店舗で、ソウルメディアコミックス(SMC)が主管し、韓国でポップアップストアを開いた。
『ドラゴンボール』をはじめ、韓国で「ワンナブル」と呼ばれる『ONE PIECE』『NARUTO』『BLEACH』など『週刊少年ジャンプ』が輩出した「大作」に加え、近年のヒット作『呪術廻戦』『僕のヒーローアカデミア』なども多くの愛を受けてきた。
今回のイベントでは、『ONE PIECE』『NARUTO』『呪術廻戦』『僕のヒーローアカデミア』『ハイキュー!!』など複数作品のグッズが集結した。事前予約方式で運営された初週末には、商品購入者基準で1日1600~1900人がポップアップストアを訪れ、1日平均売上は1億ウォン(日本円=約1079万円)を大きく上回った。
数量限定商品で運営されるポップアップストアの特性にもかかわらず、初動売上は前回行事比で1.6倍以上増加した。平日だった最終日にも10~30代の来場者が店舗を訪れ、名残を惜しんだ。
特に『HUNTER×HUNTER』『銀魂』『僕のヒーローアカデミア』といった作品の関連グッズは早期完売となり人気を集めた。最近放送終了したアニメの場合、作品への余韻が強く作用し、ポップアップストアの商品販売にも相当な影響を与えたとみられる。実際、アニメが放送され大衆的認知度が上がると、漫画原作やグッズ販売量まで上昇する効果がある。
ポップアップストアの現場で取材に応じた20代の大学生は、「普段好きな『銀魂』のグッズを購入するためにイベント序盤に来たが、終わる前に認証写真を残したくてもう一度立ち寄った」とし、「昨年にザ・現代ソウルで開かれたポップアップに続き、近い場所でグッズを体験できてよかった」と話した。
小学生の子ども2人と共にジャンプショップを訪れたキム・ミヨン氏は「子どもたちが『ハイキュー!!』を好きで、最終日なので悩んでいたユニホームを買おうかと思い訪問した」とし、「以前から好きだった『ONE PIECE』グッズも思ったより多く、見る楽しさもある」と語った。
SMCが本イベントに対するX(旧ツイッター)などSNSの反応を分析した結果、イベント関連の言及内容の85%以上が「肯定」および「期待感」として表れ、満足度の面でも成果を示したとの評価だ。日本のジャンプショップを訪れたことのある来場者の満足度も高いことがわかった。
特に、ポップアップストアのランダムグッズなどをファン同士で交換する動きがコミュニティで見られ、消費が文化交流現象へもつながった。
日本ではファンが望むキャラクターグッズを保有するため、ポップアップストア周辺で製品を交換する動きが自然に形成されている。消費や収集にとどまらず、参加・交流の領域までファンダム文化が拡張されたのだ。
特に、これまで「サブカル」と見なされてきた日本アニメ・キャラクターストアが、韓国の都心商圏の中心で新たな「ホットプレイス」を形成している点も注目される。百貨店など流通商圏の中心で関連行事が続くのは、この産業がもはや“非主流”にとどまらないことを示す傍証でもある。
ジャンプショップの第1次ソウル・ポップアップストアはソウル汝矣島(ヨイド)のザ・ヒュンダイ・ソウルで、第2次釜山(プサン)ポップアップストアはロッテ百貨店センタムシティ店で開かれた。
今回のイベントが開催された龍山アイパークモールは最近、各種ポップアップストアだけでなく任天堂などゲーム、アニメグッズ、フィギュア、ガチャマシンなどが集まる空間として位置づけられている。ここには『鬼滅の刃』『ハイキュー!!』など有名アニメを正式輸入するSMGホールディングスのSMG店舗や、一番くじなどIP関連グッズショップも入店している。
ロッテワールドタワー展望台ソウルスカイでは、昨年12月12日から『呪術廻戦』と協業した体験型空間『呪術廻戦×ソウルスカイ:懐玉・玉折&渋谷事変』が運営されている。120階の高さの展望台に大型ポラロイドフォトゾーンやキャラクターゾーンなどを設け、顧客参加型イベントなどを行いアニメの世界観を体験できるようにした。コラボ開始日から1月19日までのソウルスカイ来場者数は前年同期比12%増加し、外国人来場者も24%増加するなど集客効果も明確に現れた。
常設で運営される「グッズの聖地」もある。ソウル麻浦区(マポグ)のAKプラザ弘大(ホンデ)店では、グッズと漫画本、フィギュア、文具類などを一度に接することができる大規模常設店舗アニメイトが2021年から運営されている。
ここでは各種アニメ展示やポップアップストアも開かれる。今年初めに開かれた『銀魂』20周年記念ポップアップストアにも完売の列が続いた。AKプラザ弘大店がランドマークとなり、弘大周辺のフィギュア・グッズ商圏も共に拡大した。
特定の嗜好やコンテンツを深く掘り下げる「ディギング消費」の場合、不況の中でも特別な体験のための支出は行うことが多いという点から、Jコンテンツを誘致するための流通業界の動きは続く見通しだ。
韓国のコンテンツ業界関係者は「K-POPなどにより発展してきたファンダム基盤のビジネスノウハウが拡張され、日本アニメなどを活用したグッズやイベントも活性化している」とし、「大型流通会社もビジネスモデルとして接近し積極的に誘致に乗り出しているだけに、ファンダム基盤を維持するためのポップアップストアなどの行事は続くと見ている」と語った。
(記事提供=時事ジャーナル)
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