BTSが直接関与していないにもかかわらず、その名前が出るだけで人々は信じ、巨額の金が動き、最終的に裁判沙汰となる事件が後を絶たない。4月15日に報じられたある判決は、その異様な実態を改めて世に知らしめることとなった。
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韓国の司法は同日、50代の作曲家の男に対し二審でも実刑判決を言い渡した。
男は「HYBEのパン・シヒョク議長と親交がある」「BTSのジーンズ事業を推進する」といった甘い言葉で企業を誘い、計13億ウォン(約1億3000万円)を騙し取った罪に問われている。一審で下された懲役6年の判決は、二審でも維持される形となった。
報道によれば、男はBTS関連商品を扱う会社の株式を保有しているかのように装い、新設法人にライセンスを移して独自事業を行うと持ちかけていた。さらに「HYBEのチーム長がライセンス取得に向けて動いている」と虚偽の説明まで加えていたという。
しかし、実際には株式を取得した事実はなく、HYBE側と事業を進めているという実体も一切存在しなかった。ここで特筆すべきは、詐欺の手口そのもの以上に「BTSに近い」という言葉が、それだけで強固な信用の裏付けになってしまったという点である。
BTSの名前を悪用した事件は今回が初めてではない。
2024年には「BTSと一緒に仕事ができる」とファンを唆し、約7億3859万ウォン(約7500万円)を搾取した40代の男に対し、一審で懲役4年の実刑判決が下されている。
この男は自らを「HYBEと契約した映像制作会社のチーム長」と偽り、済州島でのコンテンツ撮影にスタッフとして参加できると持ちかけた。航空券代やグッズ購入費、コンサートチケット代といった名目で、被害者から7カ月にわたって送金を受け続けていたという。
裁判所は、有名芸能人への純粋な憧れを悪用して巨額を奪った悪質さを指摘した。ここでは、BTSに関われるかもしれないという「期待」そのものが商品として売られていたのである。
BTSの名前は、さらに別の角度からも利用されている。2021年には「BTSの海外公演独占権を所有している」と投資家を欺き、数億ウォンを集めたグループに実刑判決が出た。
被告らは中国の公演会社に対して「BTSをインドネシアのスタジアム公演に出演させることが可能だ」と提案し、契約金として5億ウォン(約5000万円)を受け取っていた。
彼らは所属事務所が優先交渉権を与えたとする文書を偽造し、精巧な印章まで用意していた。だが、実際には交渉の事実はなく、金は私的に流用されていた。ここでもBTSの名は、単なる人気グループの呼称を超え、「あり得ない話ではない」と思わせる強力な信用装置として機能していたのだ。
BTSの影響力は投資や事業の話だけに留まらない。2024年にはメンバーのSUGAやVになりすまして音楽プロデューサーに接近し、未公開のガイド音源や兵役に関する情報を入手した20代の男に実刑判決が下された。
男はSUGAを装ってプロデューサーとやり取りし、別の場面ではプロデューサーを装ってSUGAに連絡を取るなどして、アルバムの準備状況や入隊時期などの機密情報を収集していた。また、Vのように振る舞って別のプロデューサーから10件以上の未公開音源ファイルを受け取っていたことも判明している。
この事件で悪用されたのは、BTSの名前が持つ絶対的な信頼だった。相手にとってその名前は、警戒心よりも先に信頼を呼び起こすほどに強大なものだったのである。
2025年には、BTSの情報価値がさらに異なる形で浮き彫りになった。メンバーの入隊情報を事前に把握したHYBE傘下レーベルの関係者らが、株式を売却して損失を回避したとして有罪判決を受けたのである。
裁判所は、BTSがHYBEの中核を成すアーティストであり、メンバー一人の入隊ですらグループ活動の停滞や売り上げ減少に直結すると判断した。このケースにおいて、BTSの活動情報は単なる芸能ニュースの域を超え、株価を左右する一級の経済情報として扱われていた。
これら一連の事件に共通するのは、BTS本人が関与していないところで、その名前が独り歩きしているという事実だ。「BTSに近い」「BTSに関与できる」「BTS本人である」という言説だけで巨額の金が動き、機密情報が引き出され、株式市場までが揺れ動く。
BTSという名は、もはや単なるアイドルグループの名称ではない。それは人を信じ込ませ、期待を抱かせ、投資判断を狂わせるほどの巨大な価値そのものと化している。
有名人の名が騙られること自体は珍しくないが、ここまで多種多様な事件が引き起こされるのは、彼らの影響力がそれだけ圧倒的である証左でもある。
ファンの憧れから企業の投資欲、さらにはプロの専門家までを翻弄するその力は、すでに「人気」という言葉で片付けられる範囲を超え、一つの巨大な経済的・社会的信用基盤となっているのである。
(記事提供=スポーツソウル日本版)
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