16歳の少女がメンバーに名を連ねるガールズグループにとって、「ビキニボディ」という歌詞表現は果たして相応しいものなのだろうか。
【写真】堂々と“パンツ見せ”も…過激さ増す韓国女性アイドル衣装
日本出身メンバーも所属する韓国女性グループ「VVS(ブイブイエス)」のコンセプトをめぐり、海外のファンの間で懸念の声が広がっている。
議論の的となっているのは、VVSの楽曲『V.V.$』に盛り込まれた一節だ。
当該の楽曲には「Pilate mommy, cute bikini body」「Like sauna I'm a hottie」というフレーズが存在する。これらを直訳すれば、「ピラティスのママ、可愛いビキニボディ」「サウナみたいに私は熱いの(セクシーなの)」といった内容になる。
さらにVVSの公式SNSは5月17日、この歌詞を引用して「Pilate mommy? Or cute bikini body?」という言葉を添え、メンバーが水着姿でパフォーマンスする動画を公開した。
仮にメンバー全員が成人であれば、自己肯定感や肉体美を強調する挑発的な演出として受け入れられたかもしれない。しかし、VVSには16歳の最年少メンバーであるリウォンや、17歳のジウが在籍している。
未成年である彼女たちに「mommy」「bikini body」「hottie」といった単語が重ね合わされる状況に対し、一部のファンからは、未成年者の性的搾取につながるのではないかという危惧の声が上がっているのだ。
もちろん、VVSのメンバー自身が持つ実力やこれまでの研鑽が否定されているわけではない。焦点となっているのは、彼女たちをどのようにプロデュースし、世に送り出すかという大人側の判断である。
VVSは、EXOの『Love Shot』や少女時代・テヨンの『Fine』、NCT Uの『The 7th Sense』、RIIZEの『Love 119』などのヒット曲を手がけたポール・ブライアン・トンプソンがプロデュースしたグループとして、大きな関心を集めてきた。
同氏は過去のインタビューにおいて、VVSについて「あらかじめチームのコンセプトを定義し、そのイメージに合致する少女たちを探し出した」と語っている。つまりVVSは、メンバーが揃った後に方向性が決まったのではなく、先に設計されたイメージに合わせてメンバーが選抜されたグループなのだ。
それゆえに、その既定のコンセプトが未成年のメンバーにどのような役割を強いているのかが問われている。
K-POPの世界では、10代のメンバーがデビューを飾ること自体は珍しいことではない。むしろ若さはガールズグループの大きな武器として重宝されてきた。しかし、若さを魅力として打ち出すことと、大人の性的なイメージを背負わせることは、全く別の問題である。
「大人びている」「自信に満ちている」「力強い女性像」といった表現は非常に使い勝手が良い。しかし、未成年を含むグループにそれらを適用する場合、受け手は慎重な姿勢を崩さない。彼女たちがどれほど堂々と舞台に立っていたとしても、その表現を企画し、言葉を選び、衣装や映像、SNSの投稿をコントロールしているのは大人たちだからである。
過去にも同様の議論が巻き起こった例がある。
たとえばNewJeansも、未成年メンバーの演出方法をめぐって議論の対象となった。
2022年に発表された『Attention』のミュージックビデオでは、当時未成年だったメンバーの衣装や振り付けに対し、一部から不安視する声が上がった。特にヘインは2008年生まれで、デビュー時はまだ中学生だったこともあり、露出度の高い衣装や激しい動きをどう解釈すべきか、ファンの間でも論争となった。
NewJeansの際も、メンバー個人の才能や魅力が批判されたのではない。議論の本質は、未成年の身体を商業的なイメージとしてどこまで活用してよいのかという点にあった。
今回のVVSをめぐる騒動も、まさにその系譜にあると言える。
歌詞の断片だけを見れば、「過剰な反応だ」と切り捨てる意見もあるだろう。K-POPの歌詞には欧米のポップスの手法を取り入れた刺激的な表現が多用される傾向にある。ヒップホップやR&Bをルーツにするのであれば、身体のラインや自信を誇示する言葉が含まれることも不自然ではない。
しかし、その言葉を「誰が発するのか」によって、意味合いは劇的に変化する。
16歳のメンバーがいるグループが「ビキニボディ」と口にし、公式側がそのフレーズを用いてビキニ姿の映像を拡散させる。その段階で、これは単なる芸術的表現の域を超え、グループとしてのブランディングにおけるモラルの問題へと発展するのだ。
未成年のアイドルが、自らの意思だけでグループのコンセプトを選択できる立場にあるとは考えにくい。だからこそ、それを作り上げる制作側には、より重い責任が課せられる。
VVSが掲げる「強さ」や「自信」といったテーマ自体が否定されるべきではないだろう。ガールズグループがただ可憐なだけでなく、不敵でパワフルな姿を見せることも、表現のひとつの形である。
だが、その表現手法が、未成年メンバーを抱えるグループとして適切に設計されているかは、厳格に検討されるべき課題である。
K-POPが世界中で親しまれるコンテンツへと成長した今、未成年アイドルの衣装や歌詞、振り付け、さらにはカメラワークやSNSでの発信内容は、これまで以上に厳しい監視の目にさらされている。特に海外のファンは、未成年者の性的消費に対して極めて敏感な反応を示す。今回のVVSに対する反響も、そうした世界的な潮流を反映したものだ。
VVSのコンセプトをめぐる論争は、一介の新人グループによる局地的な騒動にとどまらない。K-POP業界が未成年アイドルの若さや身体性をどこまで商品として扱ってよいのかという、根源的な問いを再び突きつけているのである。
(記事提供=スポーツソウル日本版)
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