韓国女性グループLE SSERAFIMの日本人メンバー、宮脇咲良の一部ファンがトラックデモの実施に踏み切った。そのメッセージに込められた意図は、単に「彼女への待遇を改善してほしい」という要求にとどまるものではなかった。
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彼らは所属事務所であるSOURCE MUSICに対して「サクラを冷遇した責任を取れ」「ブランドラブコールを拒否した責任を取れ」「悪質コメントを放置するな」と激しく詰め寄った。
その一方で、宮脇咲良本人に対しては「あなたの舞台はここだけではありません」「もっと広い世界があなたを待っています」と言葉を投げかけている。事務所に対する憤怒と、本人へのエール。処遇の改善を求めつつも、どこか“別れの準備”を感じさせるかのような文言だ。
今回のトラックデモが注目を集めているのは、ファンの抱く不満が単なる待遇改善の要求を通り越し、所属事務所に対する深刻な不信感にまで達している点にある。
先日、宮脇咲良の中国ファンによるものとみられるトラックデモがHYBEの社屋前で展開された。車両には韓国語と英語によって、SOURCE MUSICやHYBEに対する抗議の文章が掲示されていた。
そこには、「SOURCE MUSICはヒルのような存在」「サクラを連れてきたあと、放置し冷遇した責任を取れ」「数え切れないブランドラブコールを拒否した責任を取れ」「活動機会を奪った所属事務所は責任を取れ」という、非常に強い言葉が並んでいた。
さらに、別のメッセージでは「悪質コメントを放置するSOURCE MUSICを告訴しろ」「沈黙するSOURCE MUSICは責任を取れ」「コミュニケーションを拒否するSOURCE MUSICは公式立場を出せ」「職務を放棄したSOURCE MUSICに資格はない」とも主張している。
当然ながら、これらはファン側の独白にすぎず、SOURCE MUSIC側がこうした非難を認めたわけではない。
だが、少なくとも一部のファンは、宮脇咲良がLE SSERAFIMの主軸メンバーであるにもかかわらず、個人活動やブランドプロモーション、誹謗中傷への対応、さらには会社との意思疎通といった面で十全に保護されていないと捉えているようだ。
現に、トラックデモの告知文においてファン側は、LE SSERAFIMのデビュー以降、宮脇咲良が不当な扱いを受け、リソースの割り当てや個人の成長機会に偏りがあったと訴えている。
加えて、ファンが幾度も意見を具申してきたにもかかわらず、所属事務所が有意義な返答やサポートを行わなかったとしている。実際に2023年7月から8月にかけても、同様のトラックデモの動きが見られた。
こうした文面だけを追うならば、それは典型的な“事務所への抗議デモ”のように映る。
だが、今回のトラックデモには、もう一つの側面が存在していた。それは、宮脇咲良本人へと向けられたメッセージである。
「サクラ、あなたの舞台はここだけではありません。もっと広い世界が、すでにあなたを待っています」
「世界が今あなたに十分温かくなくても大丈夫。あなたが本当に望む道を歩いてください」
「人生があなたをどこへ導こうとも、私たちはいつも変わらずあなたを愛します」
「ALL FOR SAKURA. ONLY FOR SAKURA. 私たちはいつもあなたのそばにいます。これからは、自分自身のために生きてほしい」
これらの言葉は、事務所に対する抗議文とは明らかにニュアンスが異なる。そこにあるのは、「今の事務所でもっと良い待遇を受けてほしい」という要望だけでなく、宮脇咲良の次なる決断まで見据えたような表現だ。
この部分が、今回のデモをどこか異質なものにみせている。
ファンはSOURCE MUSICに是正を求めつつ、同時に宮脇咲良へは「別の道を選んでもいい」と伝えているように見受けられる。告知文でも、ファン側は「会社の態度が突然変わるという非現実的な期待はもう持っていない」「特定の成果を得ることに集中しているわけではない」と釈明している。
つまり、これは事務所を動かすための抗議であると同時に、宮脇咲良本人に対する“覚悟の応援”でもあると言えるだろう。
そもそも宮脇咲良は、LE SSERAFIMに加入する以前から、すでに長年にわたるキャリアを有するスターだ。
HKT48、AKB48、IZ*ONEでの活動を経て、LE SSERAFIMとして再デビューを果たした彼女は、日本や韓国、中国圏に至るまで広く認知されており、個人のファンダムも強固である。
だからこそ、一部のファンは彼女の単独活動に対しても敏感になる。LE SSERAFIMとしてのグループ活動が順調であっても、宮脇咲良個人の露出やブランド契約、広告、ソロとしての機会が十分であるかどうかは、ファンにとって別の問題なのだ。
とりわけ、彼女のように長く第一線で活動し、何度もキャリアを再構築してきたメンバーであれば、「もっと個人としての可能性を広げられるはずだ」と考えるファンが現れるのも不自然ではない。
今回のデモでは、「ブランドラブコールを拒否した」「活動機会を奪った」といった表現も用いられている。これが客観的な事実として立証されたわけではないが、ファン側がそう思い込むほど、個人活動の少なさや会社の方針に対して不満を募らせていることは明白だ。
一方で、このようなトラックデモに対する捉え方は、ファンの間でも一様ではない。
インターネット上では、「トラックデモだけでは会社は動かない」「記事化して拡散したほうがいい」「会社は株価に悪影響が出ない限り動かない」といった意見が見られる。
また、「トラックデモは本人に悪影響を与える可能性がある」「そのお金を投票や応援に使ったほうがいいのではないか」といった疑問を呈する声もある。
宮脇咲良への扱いに不満を抱くファンが存在する一方で、抗議の手法としてトラックデモが最適解であるかについては、議論が分かれているのが現状だ。
特に今回のように、本人に向けられた「あなたの舞台はここだけではありません」というメッセージまで掲示されると、ファンの受け止め方はさらに複雑化する。
それを心強い応援であると受け取る向きもあるだろう。その一方で、LE SSERAFIMのメンバーとして活動を続けている本人にとって、重荷にならないかと懸念する人もいるはずだ。
いずれにせよ、今回のトラックデモにおいて最も強烈な印象を残すのは、やはり「もっと広い世界があなたを待っています」というフレーズだ。
これは、SOURCE MUSICへの不信感と、宮脇咲良の可能性に対する絶対的な信頼が同時に内包された言葉のように感じられる。
宮脇咲良が今後どのような未来を選択するかは、本人が決定することだ。ただ、少なくとも一部のファンは、現在いる場所だけが彼女の輝ける舞台ではないと考えている。
「もっと広い世界があなたを待っています」という言葉は、応援であり、抗議であり、そして所属事務所に対する最後通告のようにも響くのである。
(記事提供=スポーツソウル日本版)
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