かつて大谷翔平への「故意死球」発言で物議を醸した韓国人投手が、ついにメジャーリーグで自らを証明する機会を得た。
アメリカの現地メディアは7月6日(日本時間)、コ・ウソクがミネソタ・ツインズへトレードされたと報じた。元の所属球団であるデトロイト・タイガースは、コ・ウソクを放出する代わりに金銭を受け取る。
現地メディアによると、コ・ウソクはメジャー昇格を果たす。『ジ・アスレチック』のツインズ番記者であるダン・ヘイズ氏は、「コ・ウソクのトレード条件には契約譲渡条項が含まれている。そのため、ツインズのMLBロースターに必ず登録されなければならない。火曜日にチームへ合流する見込みだ」と伝えた。
同氏の見解が正しければ、近いうちにもコ・ウソクが30人目の韓国人メジャーリーガーとなる瞬間を目にすることができそうだ。
『MLBトレードルーマーズ』は今季のコ・ウソクについて、「春季キャンプへの招待を受けられず、今季の大部分をAAAで過ごした。それにもかかわらず、コ・ウソクは29.1%という優秀な奪三振率を記録し、素晴らしい活躍を見せた。まだ本塁打も許していない。インプレー打率(BABIP)が0.239であるという側面もあるが、総じてメジャー昇格に向けて十分に力を尽くした姿を示した」と分析した。
さらに、「タイガースにはコ・ウソクにMLBのロースター枠を1つ与える意思がなかったようだ。結局、同地区のライバル球団でチャンスを得ることになった」とし、「ツインズは40人ロースターに1枠の空きがあったため、コ・ウソク獲得のための特別な選手移動を必要としなかった」と説明した。
ツインズの立場からすると、リリーフ陣にはやや不安があるものの、コ・ウソクを獲得することへのリスクはない。『MLBトレードルーマーズ』は、「ツインズのリリーフ陣は今年、全体的に不振だった。アンドリュー・モリスが40イニングで期待防御率3.04、平均以上の17.1%という与四球・奪三振比率を記録しているが、彼が唯一、防御率4点台未満を記録している投手だ」としたうえで、「視野を広げて見ると、ツインズのブルペン防御率(5.28)、奪三振率(19.9%)、与四球率(11.5%)、ゴロ誘導率(39.7%)は、いずれもMLB全体のワースト10位圏にとどまっている」と、現リリーフ陣の不安な状況を解説した。
続けて、「コ・ウソクは渡米後、制球にムラが見られたものの、三振を奪えてゴロを打たせるタイプであることはツインズにとって魅力的に映るはずだ」とし、「チームはヒューストン・アストロズとともに、ア・リーグのワイルドカード進出圏内から2ゲーム差で追う位置にいる。トレード期限までに多くの変動要素があるだろうが、まずは当面の間、コ・ウソクを低コストの“宝くじ”として手頃に起用してみてから、ポストシーズン争いに向けて買い手に回るか、それとも売り手に回るかの最終決定を下す予定だ」と付け加えた。
コ・ウソクは来る7月8日、クリーブランド・ガーディアンズとのホームゲームを前にMLBのチームに合流する見通しだ。同メディアは「球団は依然としてポストシーズン争いを繰り広げているため、コ・ウソクがMLBで長期的な機会を保証されているわけではない。チームが低迷し、期限前に脱落すれば、コ・ウソクは8~9月に多くの登板機会を得られる可能性がある」とし、「2024年にマイアミで一度DFA(譲渡指名)を経験しているため、ツインズから再びDFAとなった場合でも、マイナー降格拒否権を行使する権利を持っている」とその身分について伝えた。
2023年に守護神としてLGツインズの統合優勝を導き、ポスティングシステムでMLBへの挑戦に乗り出したコ・ウソクは、サンディエゴ・パドレスと2年総額450万ドルの契約を結んだ。
しかし、コ・ウソクのMLB挑戦の道は険しかった。開幕ロースター入りを逃し、マイナーリーグでシーズンをスタート。MLBデビューを果たす前にマイアミ・マーリンズへトレードされ、マーリンズでも2年目の春季キャンプを控えた練習中に指を骨折する怪我を負い、キャリアの歯車が狂い始めた。
結局、マーリンズからも放出された後、タイガースとマイナー契約を結んでMLBへの再挑戦に乗り出した。今季もタイガースとマイナー契約を結んだが、春季キャンプには招待されなかった。
それでもコ・ウソクはタイガースでMLBへの挑戦を続けた。AA降格という屈辱も味わったが、AAAの舞台で有意義な成績を残した。この過程で、韓国時代の古巣であるLGが守護神ユ・ヨンチャンの負傷に伴いコ・ウソクの復帰を打診することもあった。しかし、コ・ウソクは韓国への復帰を拒否した。MLBへの挑戦に向けた意志を固く貫いた。
今季、タイガース傘下マイナーAAAのトレド・マッドヘンズで19試合に登板し、3勝1敗3ホールド2セーブ、防御率2.60(27.2回、自責点8)を記録。奪三振32個、被安打率0.162、WHIP(投球回あたりの与四球・被安打数合計)0.98という優秀な細部指標をマークした。
これほどの成績を残しながらも、コ・ウソクはタイガースの40人ロースターに入っていない状況だった。MLBデビューが遠のいていた中で、トレードによって新たなチャンスを掴むこととなった。
なお、コ・ウソクは2023年3月、WBC前に行われた韓国メディアとのインタビューで、大谷翔平と対戦する可能性を問われた際に「いざマウンドに上がったとき、投げるところがなければ“痛くないところ”に当てなければ。出塁させて、次の打者と勝負する」と発言したことで、大谷に対する“故意死球”を示唆したと捉えられ物議を醸したことがある。
ただ、コ・ウソクは後に別の韓国メディアとのインタビューにおいて、「“真ん中に強く投げたい”と話したら、(記者から)“もう少し面白く話してほしい”と伝えられた。誤解の余地がある発言をしたことは自分の過ちだが、ただの一度も“誰かにわざと当てろ”と野球を習ったことはない」と、当時の発言に誤解があったことを告白していた。
(記事提供=OSEN)
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