日本の迷惑行為が海外で「成敗コンテンツ」に 大阪の路上で起きた“ぶつかり”動画の波紋

2026年07月11日 話題
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日本国内で物議を醸している「ぶつかりおじさん」を巡る問題が、韓国のネット上で再び脚光を浴びている。

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けれども今回の事例は、韓国からの旅行者や著名なK-POPアーティストが災難に見舞われそうになったという性質のものではない。

大阪の街頭において、歩行者へ意図的に肩を衝突させていたとみられる日本人の男を、韓国人の動画配信者がその場で呼び止める映像が投稿され、日韓両国のネット上で大きな話題となっている。

従来は韓国国内で「日本を訪れる際の懸念事項」として認知されていた迷惑行為が、今回は悪者を成敗するコンテンツという形で世間に広まった格好である。

大阪の路上で起きた「真教育」動画の反響

この注目の映像は、およそ65万人の登録者を擁するYouTubeチャンネル「マッドブロ」にて7月1日に投稿されたもので、そのタイトルは「日本・大阪で肩パンするヴィランを真教育するユク・ウニョン先生」となっている。

マッドブロ
(画像=YouTube)

作中に現れる「ユク・ウニョン先生」という人物は、韓国で広く知られる精神科医のオ・ウニョン博士を模したパロディキャラクターである。

動画の内容を見ると、ユク・ウニョンらが大阪の市街地を移動中、一緒にいた女性メンバーが対向してきた男から激しく肩をぶつけられるシーンが捉えられていた。

女性が「完全に強くぶつかってきた」と被害を訴えたため、ユク・ウニョンは単なる偶然かそれとも意図的なものかを見極めるべく、その男の背中を追いかけた。

追跡の過程で、その男は歩行を続けながら、前方からやってくる何人もの人々に次々と肩を接触させているように見受けられた。韓国メディアは、男が女性や海外からの観光客、あるいは学生といった人々を標的にして体をぶつけ、その後一緒にいた人物と笑い合っていた様子を報じている。

事の顛末を目撃したユク・ウニョンは、男の行く手を遮るように立ち塞がり、「なぜそんなに肩をぶつけて歩くのか」と厳しく追及した。

続けて自分からも体を当てるような仕草で不満を示すと、男はうろたえた表情を浮かべて「ソーリー」と口にした。ユク・ウニョンが「肩パンするな」と強い口調で諭すと、男は重ねて謝る姿勢を見せ、そのまま立ち去っていった。

件の映像が250万回を超える再生数を記録し、韓国でこれほどまでに脚光を浴びた背景には、単に「韓国人が日本の迷惑行為を注意した」という点に留まらない理由がある。それは近年の韓国のネット界隈でトレンドとなっている「真教育(チャムギョユク)」という枠組みに見事なまでに合致していたためだ。

この「真教育」という言葉は、文字通りには“本当の教育”という意味だが、現地のネット上では素行の悪い相手に対して胸のすくようなお仕置きを与え、自らの過ちを自覚させるという意味合いで用いられている。昨今ではNetflixで配信されているドラマ『鉄槌教師』の本来のタイトルが『チャムギョユク』である影響もあり、日本国内でもこの表現を目にする機会が珍しくなくなってきた。

今回投稿された動画は、まさにその“真教育”として受け止められた。

韓国のWeb上においては、「本当に真教育だ」「スカッとした」「体格のいい男性に逆に肩をぶつけられたら、すぐ謝るのが痛快だ」などの好意的な書き込みが続出した。とりわけ人々の感情を刺激したのは、相手が屈強な男性ではなく、女性や自身よりも体格の小さそうな人物ばかりを狙い定めているように見えた部分である。

現地のネットユーザーのひとりは「男性の前では避けるのに、女性にはぶつかっていく」と不快感を露わにした。さらに他の閲覧者からも、「自分より弱い人だけを相手にする卑怯な行為だ」と非難する声が上がっている。

日韓共通の課題となった「ぶつかり」問題

日本国内において「ぶつかりおじさん」と呼ばれる行為は、人の行き交う主要な駅や賑やかな繁華街などで、通行人に故意に体をぶつける迷惑行為として知られてきた。

国内では2018年、ある男が短い時間のうちに何人もの女性へ体当たりを繰り返す映像がネットに広まり、重大な社会問題として関心を集めた経緯がある。

隣国である韓国でもここ数年、この「ぶつかり」は日本語の発音をそのまま用いて「ブツカリ」として知られ始めている。韓国からの旅行客の間では、「東京でやられた」「大阪でもあった」「福岡でも危なかった」という具体的な被害報告が交わされ、訪日時に警戒すべき厄介なトラブルの代表例として挙げられるようになっていた。

現に韓国メディアは今年に入ってからも、日本におけるこの衝突トラブルを幾度となく報道している。元プロゲーマーの経歴を持ち俳優業もこなすミン・チャンギが福岡での野外配信中に接触されそうになった瞬間や、アイドルグループRESCENEに所属する日本人メンバーのミナミが渋谷の路上で男性と接触しそうになった一幕も、現地のSNS上で瞬く間に拡散された。

ミナミ
ミナミ(写真提供=OSEN)

これまで現地で議論されてきた衝突被害は、大半が「日本旅行中に怖い」「自分もやられた」「有名人も危なかった」という不安の共有だった。換言すれば、韓国の人々はそれを被害に遭うかもしれない日本の街中のリスクとして捉えていたのである。

ところが、今回の配信映像によってその前提が覆ることとなった。

韓国の配信者が問題の現場で日本人男性を追跡し、その悪行を突き止めた上で、面と向かって問いただした。すなわち韓国のネット社会の観点からは、これまで恐怖の対象であった日本のぶつかり行為が、今度は「成敗される側」として受け止められたのだ。

こうした背景から、動画のコメント欄には日本語によるメッセージも多数寄せられる事態となった。「日本の変なぶつかり男を叱ってくれてありがとう」「日本人女性です。助けてくれてありがとうございます」「自分もぶつかられたことがある」「日本人として本当に感謝する」などの意見が見受けられた。また、日本のX(旧ツイッター)上でも、「よく注意してくれた」「日本では見て見ぬふりする人が多い」「一種の痴漢ではないか」といった賛同の声が巻き起こった。

その反面、寄せられた意見のすべてが肯定的なものばかりだったわけではない。日本のネットユーザーからは、「日本の評判を下げる目的ではないか」という不信感や、「日本の一部の迷惑行為だけを切り取っている」といった反論も上がった。また韓国の側でも、「韓国にも同じような人はいる」「日本だけの問題ではない」とする客観的な見解が示されていた。

それにもかかわらず映像がこれほどの広がりを見せたのは、ぶつかりという行為そのものが、日韓どちらの国民にとっても等しく嫌悪感を抱かせるものであるからに他ならない。

さらに、今回のコンテンツが両国で共有された理由は、単に痛快だったからという点に留まらない。日本の路上で発生するマナー違反が、すでに日本の中だけで完結する問題ではなくなっているという事実を、如実に浮き彫りにしたからでもある。

(記事提供=スポーツソウル日本版)

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