ファンの接近を“肘”で拒否した韓国アイドル 「ケガしたらどうする」一部批判の裏で問われる安全確保とモラルの境界線

2026年07月16日 スポーツ #プロ野球
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K-POPアイドルの「空港における行動」が再び議論を呼んでいる。

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今回は、男性グループRIIZEの韓国人メンバー、ソンチャンが極端に接近してきたファンのスマートフォンを“ひじ”で追い払ったように映る映像が拡散された。

騒動の発端は先日、RIIZEが日本ファンミーティングの関係で日本へ出国したときのことだった。空港に姿を現したソンチャンは、黒の半袖Tシャツにジーンズ、帽子を深くかぶったラフな装いであった。

しかし、空港内へ入ると状況は一変した。

周囲には大勢のファンが集結し、ソンチャンが普通に歩くことさえ困難なほどの混雑となった。一部のファンはスマートフォンを顔のすぐそばまで突き出し、間近で撮影を続けた。

なかでも、ある女性ファンはソンチャンのすぐ横まで近付き、うつむく彼の顔を撮影しようと試みた。ソンチャンが歩くスピードを上げて距離を置こうとしても、そのファンは背後から追ってきた。

最終的にソンチャンは、相手のスマートフォンをひじで押しのけるような仕草を見せた。

拡散された映像を巡る大きな物議

この映像が広まると、反応は大きく割れた。

擁護する側からは、「どれだけ近づいたらそうなるんだ」「サセン(私生活を脅かす過激ファン)が一線を越えている」「あの距離でスマホを向けられたら怖い」「マナーを守るべきだ」といった声が上がった。

一方で、「ひじで押すのは危なく見えた」「けがをしたらどうするのか」「映像を見て驚いた」と、ソンチャンの対応を疑問視する声も出ている。一部では保安検査場における態度まで問題視する声もあった。

ソンチャン
ソンチャン(写真提供=OSEN)

だが、数秒の映像だけで本人の機嫌や心理状態まで決めつけるのは危険だ。今回の騒動をソンチャン個人の態度論争だけで片付けてしまうと、本質を見誤る。

本当に問うべきは、K-POPアイドルの空港が、もはや移動の場所ではなく、トラブルの現場と化している現実ではないだろうか。

そもそも空港は芸能人専用の場所ではない。一般の利用者も行き交う公共空間である。しかしK-POP界においては、出国や入国そのものがひとつの“コンテンツ”となった。

空港でのファッション、記者の写真、ファンへの手振り、職員に対する態度、さらには保安検査場での一瞬の表情に至るまで、あらゆる場面が撮影されてSNSで拡散され、評価を下される。

最近も女性グループIVEのウォニョンが、空港での本人確認の手続きや、帽子を脱いだ瞬間に映った“ほぼすっぴん”の姿をめぐり議論の対象となった。

ソンチャンの件とは性質が違うものの、共通しているのは、空港でのわずかな映像が切り取られ、態度や人間性、果ては外見まで語られてしまう点である。

警備の強化と批判の板挟みになる現場

その一方で、現場の警備側も難しい立場に立たされている。

近年、韓国芸能界では空港での“過剰警護”がたびたび批判を浴びてきた。俳優ビョン・ウソクの警備員が一般客に強いフラッシュライトを照射した問題や、ゲートを一時的に閉鎖して一般客に航空券やパスポートの提示を求めた問題は大きな波紋を呼んだ。

CRAVITYの警備員による暴行疑惑や、NCT DREAMの警備員に押された女性ファンが骨折した事件のように、実害を伴うケースも存在する。

つまり警備を厳重にすれば、「公共空間を私物化している」「過剰警護だ」と批判を受ける。だが警備を弱めれば、今回のようにファンが目の前まで接近し、アイドル自身が自力で距離を置かざるを得ない事態が生じる。

その板挟み状態のなかで、空港の現場は常に炎上の危険をはらんでいるのだ。

構造的欠陥と問われる問題の本質

当然、どれほど接近されたとしても、アイドル側の行動には慎重さが求められる。

人が過密した空間では、わずかな接触でもけがにつながる危険性がある。ソンチャンの振る舞いが危険に見えたという指摘も、完全に否定できるわけではない。

しかし同時に、顔の目と鼻の先にスマートフォンを向けられ、身をかわしても追いかけられる状況が、果たして正常と言えるのかという疑問も残る。

ソンチャン
ソンチャン(写真提供=OSEN)

ソンチャンの“ひじ対応”のみを切り出して、善悪を議論するのは容易である。

だが、その前に考えるべきなのは、アイドルがそこまで追い込まれる距離までファンが近づけてしまう現場であり、それを遮ろうとすれば今度は“過剰警護”と非難される構造そのものだろう。

K-POPアイドルにとって空港は、もはやファン文化、公共性、そして安全管理のひずみが最も露骨に表れる場所となってしまったのだ。

(記事提供=スポーツソウル日本版)

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