韓国女性グループIVEのメンバー、ユジンがソウルの高級マンション分譲に当選したと報じられ、韓国国内で議論を呼んでいる。
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焦点となっているのは、ソウル瑞草区方背洞(ソチョグ・パンベドン)に所在する高級マンション「THE H 方背」の一般分譲抽選である。
韓国メディアによると、ユジンは今年9月に入居を予定している同マンションの一般分譲抽選に当選したとされる。
この物件は、いわゆる“ロト分譲”として関心を集めてきた。
2024年8月に本格分譲が開始された際、販売価格は専用59平方メートルで最高17億250万ウォン(約1億8000万円)、84平方メートルで22億4300万ウォン(約2億4000万円)、101平方メートルで25億ウォン(約2億7000万円)、114平方メートルで27億6200万ウォン(約3億円)という水準であった。
一方、現在は84平方メートルが40億ウォン(約4億3000万円)前後で売りに出されているとのことだ。
仮にユジンが84平方メートルに当選していたなら、最大で18億ウォン(約1億9000万円)前後の売却益が見込めるとの見方も浮上している。
ただし、ここで前提として確認しておくべき点がある。ユジンがどの専有面積に当選したのか、実際にそのまま入居するのかどうかは確かめられていない。
所属事務所のSTARSHIPエンターテインメントも「個人的な事案のため確認は難しい」と慎重な立場を示している。さらに、現段階で不正や不法な手続きが存在したと証明されたわけでもない。
それでも批判的な意見が広がっている。その背景には、ユジン個人の非というよりも、韓国社会に強く根付く“公平性”への敏感さにある。
今回の分譲は、制度の仕組みとしては抽選である。
要件を満たして申請し、当選した以上、手続きそのものに過失があると断定することはできない。実際、ネット上でも「適法な手続きに従って当選しただけなのに、なぜ責められるのか」という擁護論は存在する。
しかし多くの人々が疑問視しているのは、「誰もが平等に参加できる抽選だったのか」という問題である。
「THE H 方背」のような高額物件においては、分譲価格そのものが数十億ウォン規模にのぼる。84平方メートルのケースでは、契約金だけでおよそ4億ウォンの手元現金が要求されたとされる。
また、融資を活用したとしても、毎月数百万ウォン単位の利息が発生する構造であったとの指摘もある。
つまり、形の上では“抽選”であっても、実際には初めから相応の資金力を持つ者でなければ参加すら困難なのだ。
無住宅者や実需層の助けとなるよう設計されたはずの制度が、結局は“現金を持つ人だけが狙えるロト”に成り下がっているのではないか。韓国で強い批判が起こっているのは、そうした矛盾に対してである。
そこへ、ユジンが人気の高いアイドルであるという要素が重なり合った。
芸能人はすでに高額な収入を得ており、社会的な注目度も高い“成功者”と判断されやすい。
その存在がさらに巨額の資産的利益を手にする可能性が報じられれば、仮に合法的なプロセスであっても、「また持っている人が得をするのか」といった不満が生じやすくなる。
そもそも韓国社会では、芸能人に対する“特別な恩恵”への拒否感がきわめて強い。
現実に特権的な扱いがあったかどうかの前に、「一般人なら許されないのではないか」と感じられた瞬間、世論の目は一気に厳しさを増す。
最近でも、同じIVEのウォニョンが空港での本人確認時、帽子とマスクを完全には取り外さなかったことで「特別扱いではないか」と物議を醸した。
韓国空港公社は「特別扱いはなかった」と釈明したものの、その後、本人確認を行う際にマスクや帽子、サングラスを一時的に外すよう周知徹底を強化する事態にまで至った。
また、タレントのアン・ソニョンが語学公認試験IELTSの会場へ着いたものの、締め切り時刻に遅れたため受験不可能となったことに不服を抱き、SNSに書き込みを行った。
だが、世間の反応は哀れむどころか「1分でも遅刻は遅刻」「規則は全員に同じように適用されるべき」と極めて厳冷であった。彼女は最終的に該当の投稿を削除している。
少女時代のソヒョンがオーケストラの公演に特別共演者として参加した際も、「芸能人だから大型コンサートホールの舞台に立てるのか」という非難が寄せられた。
実際には幼い頃から楽器演奏に親しんできたバックボーンや入念な準備期間が存在し、フォローする意見も散見されたものの、初期に向けられた関心は「特別待遇ではないか」という懸念であった。
病院や拘置所といった、より公共性の高い領域では反発は一段と激しくなる。
過去には、ヨン様ことペ・ヨンジュンの妻であるパク・スジンの新生児集中治療室における特別優遇疑惑が大きな非難を浴びたほか、政治家の息子であるラッパーNO:ELに関しても、拘置所で独房に収容されている事実が“特別な恩恵”にあたるのではないかと波紋を呼んだ。
これらに共通しているのは、韓国社会が「有名人だから」「権力者の家族だから」「資産があるから」といった名目で、ルール枠外に立つことを激しく嫌うという点である。
勿論、今回のユジンの件を上記のような事例と同等に扱うことは不可能だ。マンション分譲はあくまで制度に基づく抽選であり、本人が不法行為を行ったと立証されたわけではないからである。
しかし、世論が過敏に反応した構造は類似している。問題なのは、若くして成功を収めた芸能人が“ロト級の利益”を手にする側に属したかのように映った点である。
韓国においては、受験や就職、不動産取得、兵役といった人生を左右する大切な場面で、公正さが何よりも重視される。
努力しても住居の入手が困難な若者が急増する中、「抽選」と称する制度が結局は資金力のある富裕層に有利に作用するのであれば、その不満は芸能人へと向かいやすくなる。
芸能人は憧れを集める存在であると同時に、シビアな監視の対象でもある。それゆえ、制度上の利益を享受したように捉えられた瞬間、たとえ法的・合法的なものであっても“特別扱い”とみなされてしまうのだ。
芸能人自身にとっては理不尽に思える部分もあるだろう。それでも韓国社会では、名声や富を得た人物ほど、「本当に同じルールの中にいるのか」という厳しい追及の目から逃れることは困難なのだ。
(記事提供=スポーツソウル日本版)
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