韓国は北中米ワールドカップでベスト32の壁を前に散った。だが、サッカーはいつ観ても面白い。
【写真】韓国が「“アルヘン版”独島セレモニー」と反応したアルゼンチンの政治的横断幕
その舞台が、優れた技術を持つ選手たちがプレーするワールドカップ大会であれば、なおさらだ。
今回の北中米ワールドカップでは、アルゼンチンのベスト16での「劇的ゴール」も印象的だったが、特に強い視線を集めたカーボベルデの予想外の健闘が、その国を知らない人々にも大きな感動を与えた。
なかでも伝統の強豪アルゼンチンと対戦したベスト32の試合は、「サッカーの神」リオネル・メッシすらも敬意を表したほど、最後までハラハラさせられる息の詰まる展開だった。
「カーボベルデ(Cabo Verde)」という国名は「緑の岬」を意味する。アフリカ大陸の隣、大西洋の一角に位置する小さな島国だ。10の島からなる国家で、国土全体の面積は済州(チェジュ)島の約2倍、人口は52万人ほどである。
サッカーの代表チームを組むことすら容易ではなさそうなこの弱小国が、ワールドカップ本選の決勝トーナメントにまで勝ち進み、堂々と試合を繰り広げる姿はそれ自体が驚きだった。
サッカー専門家たちは、このように小さな国であるカーボベルデが、ワールドカップで強豪たちと対等に渡り合えるほどの強豪となった理由を次の3点と分析している。
一つ目は、ヨーロッパ全域に分散している移民2、3世代の選手を積極的に受け入れて育成している点。
二つ目は、有望株が見つかればサッカー強国ポルトガルのリーグへ進出できる制度が整っている点。
三つめは、国際サッカー連盟(FIFA)の資金を受け取り、サッカーのインフラやユースシステムを大々的に整備し、国の支援を最大化した点だ。
これらはすべて、韓国サッカーが今後大いに参考にすべき点だ。
ワールドカップでなければ名前すら知らなかったであろうカーボベルデという国が、国際舞台で気後れすることなく物怖じせずに自分たちの実力を発揮できた背景には、スポーツマンシップに基づいたサッカー特有の包容力がある。
サッカーは国連加盟国よりも多くの国際連盟加盟国・地域を抱えるほど、地球上のいたるところに広まり人気を得ている競技だ。
それゆえ、サッカーのグラウンドは平らでボールは丸く、国家間の対決も概して角を立てずに転がっていくことができる。
しかし、このようにどちらにも傾かず常に平らであるべきサッカーのグラウンドに余計な波風が立ち、今回のワールドカップに小さくない汚点を残した。
張本人はアメリカのドナルド・トランプ大統領だ。トランプ大統領はベスト32の試合で深刻な反則行為により退場処分を受けたアメリカ代表FWフォラリン・バログンに対する処分を再検討するよう、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長に直接電話したと自ら明かし、物議を醸した。
また、南米パラグアイのある国会議員は、ベスト16の対戦相手だったフランス代表FWキリアン・エムバペに対し、あからさまに人種差別的な発言をして波紋を呼んだ。
韓国も例外ではない。
サッカー協会の運営やホン・ミョンボ監督の選任過程などを取り扱う国会公聴会に、与党側が乗り出して現役選手であるソン・フンミンやファン・ヒチャンまで参考人として呼ぼうとしたことは、ただでさえ余計なお世話の多い政治界による明白な「オフサイド」であり、十分に批判されて当然の行為だった。
同じ文脈で、チェ・フィヨン文化体育観光部長官が「K-サッカー革新委員会」の共同委員長を引き受けたもののすぐに辞任し、政府はサッカー協会に対して政策・予算支援のみを行うと線を引いたことは正解だった。
サッカーはどんなときもスポーツ自体の自生能力を原動力とし、独自の力で活発に走り回ることができてこそ、本当のサッカーらしいと言える。
今の韓国サッカーこそ、単なる建て替えではなく、自らの努力による「再開発」レベルの革新が必要な段階だ。
(記事提供=時事ジャーナル)
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