K-POPアルバムの輸出市場において、大きな変化が起きている。
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長年にわたり最大の輸出先であった日本が、アメリカのみならず中国にも抜かれ、3位へと後退した。
しかも、これはK-POP市場全体が拡大を続ける中で発生した変化である。
韓国関税庁が先日発表した輸出入貿易統計によると、今年1~6月の音盤輸出額は2億5747万8000ドル(約418億3000万円)となった。
前年同期の1億1442万5000ドルから125.0%増と大幅に伸び、上半期としては過去最高を更新している。
国別で見ると、アメリカが7411万8000ドル(約120億4000万円)で首位、中国が6117万7000ドル(約99億4000万円)で2位。日本は4561万2000ドル(約74億1000万円)で3位にとどまる形となった。
前年同期との比較では、アメリカが1945万2000ドルから7411万8000ドルへ、中国が2010万2000ドルから6117万7000ドルへと急激な伸びを見せた。
一方で、日本も3909万5000ドルから4561万2000ドルへ増加しており、日本の規模が縮小したというよりも、米中の増加スピードがそれを大幅に上回った結果といえる。
日本が依然として大きな市場であることに変わりはないものの、少なくとも2026年上半期の数値を見る限り、K-POPアルバム輸出の軸足は大きく変化したといえそうだ。
この変化は、過去数年間の潮流と比較することでより明確になる。
2023年、韓国の音盤輸出額は2億9023万ドルに達し、当時の過去最高を記録した。国別では日本が1億1917万ドルと圧倒的な1位であり、アメリカの6263万ドル、中国の3390万ドルがそれに続いていた。
当時の日本は、2位であるアメリカのダブルスコアに近い数値を出していた。
韓国メディア『中央日報』は当時、日本を「不動の1位」と称しつつも、アメリカが初めて中国を逆転して2位へ浮上した点に着目していた。
2024年においても日本はトップの座を維持した。通年の音盤輸出額は約2億9180万ドルで、国別では日本が8980万ドル、アメリカが6029万ドル、中国が5979万ドルであった。米中の差は大幅に縮まったものの、それでも日本が1位の地位を守った。
同様の傾向は2025年も続いた。音盤輸出額は初めて3億ドルを超えて3億174万ドルに達し、国別では日本が8063万ドルで首位。中国が6972万ドル、アメリカが6397万ドルという結果だった。
このように2023年から2025年まで、K-POPアルバム輸出における最大の市場は一貫して日本であった。だが2026年上半期になり、その日本がアメリカと中国の双方に追い抜かれ、3位へ後退する事態となった。
当然ながら、これだけで「日本市場の重要性が低下した」と結論づけるのは早計である。2026年はまだ上半期を終えた段階であり、通年での最終順位がどうなるかは未知数だ。日本がK-POPにとって不可欠な重要市場であるという事実も揺らがない。
それでもなお、K-POPアルバム輸出の主軸が、日本一極集中からアメリカ・中国・日本を含む多極型へと遷移しつつあるのは確実である。
アメリカ市場を大きく牽引した要因の筆頭は、やはりBTSの完全体としての復帰だ。
BTSは今年3月、3年9カ月ぶりとなるニューアルバム『ARIRANG』をリリース。米ビルボードのメインアルバムチャート「ビルボード200」でK-POP史上初となる3週連続1位を達成し、タイトル曲『SWIM』もメインシングルチャート「HOT 100」で首位を獲得した。
アメリカの音楽・エンターテインメントデータ集計企業であるLuminateの中間レポートにおいても、『ARIRANG』は上半期のCD売上56万7000枚、LP売上33万1000枚でそれぞれ1位を記録。BTSはK-POPの輸出額のみならず、アメリカのフィジカル音楽市場そのものを牽引する存在となった。
実際、Luminate側は『ARIRANG』のヒットによってアメリカ全体のCD販売数量が急増したと分析しており、韓国を音楽輸出パワーランキング3位へ引き上げた要素としても同作を挙げている。
しかしながら、今年上半期のK-POP市場の好調を「BTSが戻ってきたから伸びた」という点だけで捉えると、本質的な変化を見落とすことになる。
今年度の特徴は、トップアーティストだけでなく、層を支える“中間層”が強固になっている点だ。
『聯合ニュース』を通じて音楽専門データジャーナリストのキム・ジヌ氏は、「BTSとBLACKPINKが合算で約600万枚規模の販売量を記録し、K-POP市場の停滞を突破する呼び水になった」と分析する一方で、「過去には販売量が一部のチームに集中していたが、今年は他のグループの競争力も高まり、“中間の腰”が強くなった」とも指摘した。
実際に今年上半期は、BTSやBLACKPINKのみが台頭していたわけではない。TOMORROW X TOGETHER、&TEAM、RIIZE、ATEEZ、BOYNEXTDOORといったグループが月ごとに存在感を発揮し、K-POP市場の底上げに貢献した。
さらに、新人や新興勢力の勢いも目を引く。昨年デビューを果たしたKiiiKiiiやHearts2Heartsは新作で良好な反響を得ており、CORTISも『REDRED』で存在感を示した。
ガールズグループRESCENEは「巨済ヤッホー」というミームを足がかりにネット上で話題を集め、『LOVE ATTACK』のヒットによって、“中小アイドルの奇跡”と称されるほどの存在となった。
BTSとBLACKPINKが市場の熱気を再燃させ、その基盤を中間層や新人勢が確実に強化している。これこそが、今年のK-POPアルバム市場の本質であるといえる。
もう一つ見逃せないポイントは、輸出額の拡大ペースである。
今年上半期の音盤輸出は、重量ベースでは前年同期比78.4%増であったのに対し、金額ベースでは125.0%増、すなわち約2.25倍へと膨れ上がった。
単に数量や重量が増加しただけでなく、従来のCDに加えLPなどの高単価商品が好調に推移したことが要因と分析されている。
これらのデータから、K-POPのアルバムが単に音楽を聴くためだけのプロダクトではないことが理解できる。ファンにとっては所有し、応援し、参加するための重要アイテムなのだ。ストリーミング主流の時代においても実物アルバムが根強い支持を集める背景には、こうしたK-POPならではの商品特性が存在する。
販売量の観点においても、K-POPは再び上昇傾向にある。サークルチャートの基準では、今年上半期の累積アルバム販売量は約5500万枚に達した。年間1億枚を超えた2023年上半期の水準に迫るレベルまで回復を見せている。
そして、この好調な流れは下半期も継続する見込みだ。
まずBIGBANGがデビュー20周年を記念したワールドツアーを開始し、Stray Kidsが最新作で通算9度目となる「ビルボード200」の首位獲得を狙う。さらにRed Velvet、ENHYPEN、NCT 127といった大型グループの復帰も控えている。
2026年上半期のデータは、日本にとって一筋縄ではいかない現状を示している。2025年まで維持してきたK-POPアルバムの最大輸出先というポジションを、アメリカと中国に譲ることとなったためだ。
K-POPが日本市場のみに依存しない新たなフェーズへ移行したと解釈すべきだろう。
BTSの復活がアメリカ市場を大きく牽引し、その足元では中間層や新人が着実にその層を厚くしている。
米中の躍進、そして“BTS頼みではない”層の広がりが、2026年のK-POP市場を次のステージへと押し進めている。
(記事提供=スポーツソウル日本版)
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