世界的人気を誇る韓国男性グループBTSが、不穏な空気に包まれている。
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RMとJ-HOPEが一夜のコンサートを楽しんだことから始まった騒動は、未だ収まる様子がない。時間が経過するほど、新たな人物や過去の発言まで巻き込みながら、波紋が広がる事態となっている。
発端となったのは8月12日。BTSのRMとJ-HOPEが、カナダ・トロントのロジャース・スタジアムで行われたクリス・ブラウンとアッシャーの公演を観覧した。
2人はバックステージでクリス・ブラウンやアッシャーと記念撮影を行った。さらにRMとJ-HOPEが客席で踊りながら公演を楽しむ姿も目撃され、SNSを通じて広がっていった。
普通であれば、「世界的スター同士の交流」として終わってもおかしくなかった。ところが、相手がクリス・ブラウンだったことで事態は大きく変わった。
クリス・ブラウンは2009年、当時交際していたリアーナへの暴行事件で重罪の暴行罪を認め、有罪となった過去がある。
これだけでも世界的に大きな衝撃を与えたが、その後も暴力をめぐる問題は繰り返されてきた。
2016年には、女性モデルがブラウンから銃を向けられたと訴え、ブラウンは凶器を使った暴行容疑で逮捕された。ただしブラウンは否定し、その後、検察は起訴を見送っている。
また、2017年には元恋人カルーシェ・トランが、ブラウンから暴力や脅迫を受けたと訴え、裁判所が5年間の接近禁止命令を認めた。トランは法廷で、交際中に殴られたり、階段から突き落とされたりしたと証言した。
さらに2023年にロンドンのナイトクラブで音楽プロデューサーを襲ったとされる事件では、2025年に逮捕・起訴された。2026年7月には、公共の場で違法な暴力を用いた罪を認めた。イギリス検察は、ブラウンがガラス瓶で被害者の頭部を2度殴った「悪質でいわれのない襲撃」だったと説明している。
そのため、海外の一部のBTSファンからは、RMとJ-HOPEが単に楽曲を聴くだけでなく、実際に公演へ足を運び、バックステージで笑顔の写真まで撮影したことに強い失望の声が上がった。
「彼の過去を知りながらなぜ支持するのか」「これまでBTSが発信してきた価値観と矛盾するのではないか」といった批判がSNS上で相次いだのだ。
もちろん、RMとJ-HOPEがクリス・ブラウンの過去の行為を支持すると発言した事実はない。
それでも、「誰の公演へ行くか」「誰と親しく交流するか」まで一種の価値観の表明として受け止められた点に、今回の騒動の特徴がある。
しかも騒動は、そこで終わらなかった。
8月15日、JUNG KOOKのファンだという女性TikTokerが今回の件について動画を投稿した。
女性は、自身はクリス・ブラウンを支持せず、暴力などの加害行為を擁護するつもりもないとした一方、「私たちはBTS本人たちを直接知っているわけではない」として、芸能人の行動に過度にのめり込まず距離を取ることも必要だという趣旨を語った。
ところが、そこにクリス・ブラウン本人が直接、激しい言葉を含むコメントを書き込む事態が発生した。
コメントはその後削除されたものの、スクリーンショットがSNS上で拡散された。今度は「なぜBTSファンまで攻撃されなければならないのか」と、ファンの怒りが再燃した。
なかには「クリス・ブラウンはBTSが自分の側にいると思っているのではないか」と受け止める声まで現れ、RMとJ-HOPEへの批判も再び強まった。
加えて注目されたのが、BTSと過去に関係のあったアーティストたちのSNSだ。
2019年にBTSと『A Brand New Day』でコラボしたスウェーデンの歌手ザラ・ラーソンが、騒動後にRMとJ-HOPEのインスタグラムのフォローを外したとする投稿が急拡散した。2021年にBTSの『Butter』リミックスで共演したミーガン・ジー・スタリオンについても、BTSのフォローを外したとの情報がSNS上で広がったのだ。
ただし、ここは慎重に見る必要がある。少なくとも、ザラ・ラーソンやミーガン本人が「RMとJ-HOPEのクリス・ブラウン公演参加を理由にフォローを外した」と説明したわけではない。
それでも、過去にBTSと実際にコラボした著名アーティストたちのSNS上の変化までが騒動と結びつけて語られ始めたこと自体、波紋がファンダムの内側だけにとどまらなくなったことを示したと言える。
炎上が長引くなか、BTSメンバーの過去の発言までが再び注目された。
今年4月、JIMINは米誌『ローリングストーン』の企画で、練習生時代にメンバーからカバーを勧められたアーティストとして、ジャスティン・ビーバー、クリス・ブラウン、トレイ・ソングス、トリー・レーンズらの名前を挙げていた。
もちろん、これは練習生時代にR&Bを学ぶうえで推薦されたアーティストについて語ったものであり、今回の騒動とは直接関係がない。
それでも、JIMINのこの発言まで掘り起こされる事態となったことからも、どれだけ炎上が拡大しているかがうかがえる。
何よりも、ここまで大きな問題となった背景には、BTS自身が長年積み上げてきたブランドイメージもあるだろう。
BTSは音楽にとどまらず、「LOVE MYSELF」キャンペーンや国連でのスピーチなどを通じ、社会的なメッセージを発信してきた。
RMも過去、自身の歌詞をめぐる批判を受けた後、専門家に歌詞を確認してもらうなど、ジェンダーへの認識を見直してきたことを明かしている。
つまりBTSは、世界的な人気グループであるだけでなく、「どのような価値観を持つ存在なのか」まで注目されるグループとなっているのだ。
そして、その影響力は極めて大きい。グローバル音楽データ企業Luminateが今年第2四半期のアメリカ音楽消費者を対象に行った調査では、BTSのアメリカ国内での認知度は42%、好感度は46%だったと報じられた。全アーティストの平均認知度24%を大きく上回る数値である。
アメリカ人の4割以上が知り、好意的な印象を持つグループであったからこそ、一つの行動に対する反動も大きい。
普通なら「好きな歌手のコンサートへ行った」で終わる行動であっても、BTSの場合は「彼らがこれまで語ってきた価値観と一致しているのか」と問われたというわけだ。
皮肉にも、BTSが長年積み上げてきた“好感度の高さ”そのものが、批判を大きくした側面もあったのかもしれない。RMとJ-HOPE、あるいはBTSの所属先から騒動についての公式な説明は出されていない。
単なるコンサート観覧から始まった騒動は、クリス・ブラウン本人のコメント、過去の共演者たちのフォロー解除情報、さらにはBTSの過去発言の掘り起こしへと広がった。一部からは、こうした動きを“BTS離れ”と受け止める声まで出始めているという。
この騒動がどのような結末をたどるかは定かではない。ただ一つ確かであったのは、BTSほどの存在になると、「誰と一緒にいるのか」まで、その価値観の一部として世界中から見られるということだ。
(記事提供=スポーツソウル日本版)
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