人気K-POPグループの公演チケットを不正に占有し、高額で転売する行為。その代償が、ついに実刑判決という重い結果にまで及んだ。
【写真】堂々と“パンツ見せ”も…過激さ増すK-POP女性アイドル衣装
韓国でSEVENTEENの公演チケットを不正取引していた専門業者の一部に対し、懲役刑および合計10億ウォン(約1億1600万円)を超える追徴金が命じられたことが判明した。
韓国では、約1カ月前の8月28日に不正転売への規制を大幅に強化した改正法が施行されたばかりだ。しかし、転売業者は早くも取引手法を変え、新たな抜け道を模索しているという。
チケットを正当に購入したいファンと、それを利権に変えようとする業者。そのせめぎ合いは、未だ収束する気配を見せない。
先日、SEVENTEENの所属事務所PLEDISエンターテインメントは「最近摘発された専門転売業者の一部について、懲役1年8カ月と1年4カ月の実刑判決が下され、合計10億ウォン以上の追徴が宣告された」と発表した。
これに先立ち事務所は今年3月、マクロプログラムを用いてチケットを大量に買い占め、高額で転売することで約70億ウォン(約8億1500万円)の不当利益を得ていたとされる業者グループの摘発を明らかにしていた。
3月の捜査では、京畿北部警察庁が16人を摘発し、うち主犯格ら3人を拘束して送致した。PLEDIS側も捜査機関に対して資料や意見書を提出するなど全面的な協力を続けてきたとされる。
今回の発表では、海外に拠点を置く業者を含め、その他の専門転売業者に対する捜査も進行中であると説明。「いかなる善処もなく最後まで追跡し、厳重に対応する」という毅然とした姿勢を強調した。
もちろん、チケットの不正転売はSEVENTEENに限った話ではない。
韓国国会・文化体育観光委員会に所属する「共に民主党」のチョン・ジュンホ議員が、韓国コンテンツ振興院から提出を受けた国政監査資料によると、直近1年間(2025年9月~2026年8月27日)に韓国の公的通報窓口へ寄せられた不正転売の通報において、BTSのワールドツアー「ARIRANG」が102件で最多を記録した。
さらに、関係当局が把握したBTS公演の不正転売に関する投稿は1868件に達し、通報件数の18倍以上にのぼっていた。
8月には、マクロプログラムで約2600枚の公演チケットを不正予約し、約4億4200万ウォン(約5100万円)の犯罪収益を得たとされる30代の女性も送検された。この女性はBTSの光化門公演チケット9枚も予約した疑いが持たれていたが、こちらは実際に転売される手前で摘発されたという。
問題は、転売価格が不当に高騰することだけにとどまらない。
業者が人気公演のチケットを買い占めれば、心から会場へ行きたいファンが正規の手段で購入する機会を奪われる。そこでチケットを入手できなかったファンが、やむなく転売業者から高額で購入してしまうという悪循環が形成されるのだ。
こうした事態を受けて、韓国では8月28日、改正された公演法と国民体育振興法が施行された。
従来はマクロプログラムを利用した不正転売が主な規制対象だったが、新制度ではマクロの使用有無に関わらず、再販売を目的に公正な予約手続きを回避・妨害する不正購入や、常習的・営業的な高額転売が禁止されることとなった。
不正販売に対しては、販売額の最大50倍に相当する課徴金を科すことが可能となった。また、不正購入および販売には1年以下の懲役または1000万ウォン(約120万円)以下の罰金が設定され、不当利益の没収・追徴や通報報奨金制度も整備された。
もっとも、個人が事情によりチケットを他人に譲渡する行為までもが、一律に違法化されたわけではない。規制対象となる不正販売には、販売者の同意を得ず、常習または営業として購入額を超える価格で販売・仲介するといった明確な条件が存在する。
また、今回SEVENTEENの転売業者に命じられた10億ウォン超の「追徴」と、新法に基づく最大50倍の「課徴金」は別個の制度だ。今回の判決に新法が適用されたと確認されているわけではない。
しかしながら、法律が厳罰化されたからといって、業者が容易に姿を消したわけではない。
9月28日付の『朝鮮日報』は、新施行後、実際の販売価格を伏せたまま購入希望者と個別に交渉する出品が増加していると報じた。
例えば、出品価格を「999999ウォン」などと仮表示しておき、問い合わせてきた相手に対して「希望価格を提示してください」と持ちかける手口である。
同紙が入手したモニタリング資料によれば、8月28日から9月4日までに韓国の中古取引サイト2カ所で確認されたチケット関連の出品2345件のうち、748件(約32%)がこのような価格非開示のタイプであったという。
さらに横行しているのが、報酬を受け取って予約手順を代行する「代理チケッティング」だ。
依頼者本人のアカウントにログインし、代わりにチケット予約を敢行する。手数料は5万~7万ウォン(約6000~8000円)程度で、人気良席を確保できた場合には追加報酬が発生するケースもあるという。
チケットを購入して転売するのではなく、予約行為そのものを商品化する構図だ。『朝鮮日報』によると、現行法には代理予約という行為自体を直接規制する条項がなく、新たな抜け道として課題になっている。
ただし、価格を伏せれば違法性を回避できるという意味ではない。また、代理予約であっても不正な手段が用いられれば別の法的問題が生じ得る。規制をかいくぐろうとする業者と、取り締まる側の攻防は現在も続いているのだ。
この問題は、韓国での公演鑑賞を目指す日本のK-POPファンにとっても人ごとではない。
転売業者にチケットを押さえられれば、正規の予約で購入できず、どうしても鑑賞したいファンが高額な転売チケットを頼らざるを得なくなる悪循環が生まれる。
韓国の新法では、転売業者から自身が観覧する目的でチケットを購入したことのみで処罰されるわけではない。だが、購入したチケットが無効化され、入場不可となるリスクは残る。渡航費や宿泊費をかけて韓国を訪れる日本のファンにとって、その打撃は決して小さくない。
さらに厄介なのが、海外サイトを経由した取引である。韓国国内の法律が強化されても、海外に拠点を置く業者が国外で行う取引に対しては、韓国法による取り締まりが及びにくいという実情が存在する。
SEVENTEENの所属事務所が、今回の発表において海外拠点の業者への捜査継続を強調したのも、こうした問題の深刻さを裏付けている。
世界中にファンを抱えるK-POPでは、チケットを求める人々も、それを狙う転売業者も国境を越えている。一方で、取り締まる側には国ごとの法律という障壁が立ちはだかる。
SEVENTEENの転売業者に下された実刑判決は、不正取引の代償が決して軽くないことを提示した。だが、規制が強化されれば業者は手口を巧妙化させ、国内取引が困難になれば海外へと目を向ける。
韓国のファンはもちろん、日本を含む世界中のファンが正規価格でチケットを入手できるようになるのか。新法の実効性が試されるのは、まさにこれからだ。
(記事提供=スポーツソウル日本版)
■【画像】日本人アイドルの「ビッ○」発言も…生配信で物議醸した韓流芸能人
前へ
次へ