宗教団体・旧統一教会(世界平和統一家庭連合)が創立71年にして存続自体を脅かされている。
日本では裁判所の解散命令が控訴審でも維持され、清算手続きが始まった。アメリカでは、韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁が三男の文顕進(ムン・ヒョンジン)氏と繰り広げた数千億ウォン規模の資産返還訴訟で敗訴が確定した。韓総裁は違法な政治資金提供・横領などの疑いで拘束起訴され、韓国国内で一審の裁判も受けている。
3月10日までに海外メディアが報じたところによると、日本では今月4日、東京高等が旧統一教会側の抗告を棄却し、解散命令を維持したことに伴い、宗教法人の清算手続きを進行中だ。清算規模は約1181億円に上り、教団施設をはじめ、通帳、カード、印鑑はもちろん、コンピューターや自動車に至るまで、事実上すべての資産が対象だ。
これに先立ち昨年3月、東京地裁は約40年にわたり高額献金を誘導する不法行為を繰り返してきたとして、解散命令を認容した。日本で宗教法人に解散命令が下されたのは、オウム真理教(1996年)と明覚寺(2002年)に続き3例目だ。
旧統一教会は解散命令に対する最高裁への特別抗告を検討しているが、結果が覆る可能性は低いというのが一般的な見解だ。
解散命令が確定すれば、韓国本部も打撃が避けられない見通しだ。日本での献金が教団の最大収益源であるためだ。『朝日新聞』によると、日本国内における旧統一教会の2015~2022年の年平均献金収入は409億円に達する。
旧統一教会は、アメリカで行った7000億ウォン(日本円=約750億円)規模の訴訟でも敗れた。
米連邦最高裁は9日(現地時間)、三男の文顕進氏を相手に起こした財産返還訴訟について、上告棄却の決定を下した。
故文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁が1977年に設立した米国財団UCI(Unification Church International)をめぐる14年間の訴訟が、最終敗訴で締めくくられたのだ。
これにより統一教会は、汝矣島(ヨイド)パークワン、瑞草区(ソチョグ)セントラルシティ、龍平(ヨンピョン)スキーリゾート、一成(イルソン)建設の持分など、約7000億ウォン規模の中核資産を最後まで回収できなかった。
韓国では韓総裁のリーダーシップも揺らいでいる。宗教団体の首長が政教癒着の疑惑に包まれ、拘束状態で裁判を受けるという前代未聞の事態が発生したためだ。
韓総裁は2022年1月、「国民の力」クォン・ソンドン議員に教団の請願と尹錫悦(ユン・ソンニョル)政府の支援を要請し、違法な政治資金1億ウォン(約1071万円)を伝達したほか、同年3~4月には教団資金で「国民の力」広域市道党などに計2億1000万ウォン(約2250万円)を「分割後援」した疑いを受けている。
これとともに、2022年4~7月に教団の前世界本部長ユン・ヨンホ氏が“コンジン法師”のチョン・ソンベ氏を通じて、尹前大統領の夫人キム・ゴンヒ氏にグラフのダイヤモンドネックレス、シャネルのバッグなど約8000万ウォン(約856億円)相当の金品を渡し、教団の懸案を請願し、そのために教団資金を流用した疑いなども受けている。特検は被害額を約19億ウォン(約2億352万円)と特定し、韓総裁に特定経済犯罪加重処罰法上の横領の疑いを適用した。
ユン氏はこの日、ソウル中央地裁・刑事合議27部(ウ・インソン部長判事)の審理で行われた韓総裁の1審公判に証人として出席し、旧統一教会側が昨年、韓総裁の令状実質審査を控えていた際に「韓総裁の犯罪指示はなかった」「韓総裁が報告を受けて承認したのは事実だが、指示はしていない」という趣旨の証言を求める誘導を受けたと主張した。自白書を書いてくれれば、教団から除名されたユン氏を復権させ、弁護士費用を含む財政的支援も約束したという。
裁判とは別に、旧統一教会の政教癒着を巡る検察と警察の合同捜査本部の捜査も進行中である。合同捜査本部は、旧統一教会が2022年大統領選挙の際に尹錫悦候補を組織的に支援し、2023年の「国民の力」党代表選挙でも信者を多数党員として加入させた状況を確認し、犯罪の疑いを追及している。
韓総裁が自身の裁判で重刑を宣告されたり、合同捜査本部によって追加起訴される場合、教勢の弱体化と信者の離脱が加速する可能性があるとの見通しが出ている。
旧統一教会は自ら韓国に30万人、海外に300万人の信者がいると主張しているが、これは未登録信者を含む推定値であり、実際とは大きな乖離があるというのが学界の共通した見解である。
旧統一教会は「一部の逸脱行為を理由に宗教団体全体を犯罪集団として扱ってはならない」という立場を示している。また、国際舞台で保守政治界とのネットワークを活用した「世論戦」にも乗り出している。
マイク・ポンペオ前米国務長官はSNSを通じて、「宗教指導者・韓鶴子に対する法的措置は非常に懸念される」とのメッセージを発信していた。
(記事提供=時事ジャーナル)
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