韓国で出生をめぐるポジディブな指標が続いている。過去3年間0.7人台に留まった合計特殊出生率が昨年0.8人台に回復。今年1月には1.0人に迫った。出生数の増加傾向を受けて、人口の自然減少幅も4年ぶりの低水準に縮小している。
これは「90年代生まれ」が親世代となったことが要因とされているが、現在の増加傾向が長期化するのは難しいとの見通しも出ている。少子化問題に対応するための韓国の「ゴールデンタイム」は残り少なくなっている。
3月26日、国家データ処によると、今年1月の合計特殊出生率(女性1人が一生の間に産むと予想されるども供の数)は0.99人だった。
韓国の合計特殊出生率は2015年に1.24人を記録した後、8年連続で減少していたが、2023年は0.72人、2024年は0.75人、昨年は0.8人と徐々に回復している。合計特殊出生率が0.8人台を記録したのは2021年以来4年ぶりだ。
出産の先行指標とされる婚姻件数は、新型コロナウイルスのパンデミックがエンデミックに移行してから増加し始めた。2023年に19万3657件、2024年に22万2412件だった婚姻件数は、昨年に24万370件まで増えた。
婚姻件数と出生数が増加しているのは、第2次ベビーブーム世代の子どもである「エコブーム世代(1991~95年生まれ)」が結婚適齢期に入ったためと分析されている。この世代は年間70万人ずつ誕生しており、人口規模そのものが1980年代生まれや2000年代生まれよりも大きい。エコブーム世代が主要な出産年齢層である30代前半に入ったことで、出産可能年齢の女性人口が一時的に増加する効果が現れたのだ。
実際、昨年の年齢別出生率(該当する年齢の女性1000人あたりの出生数)を見ると、30代前半と後半で前年よりそれぞれ2.9人、6.0人増えたと集計されている。
結婚や出産に対するポジディブな認識も高まっており、昨年に少子高齢社会委員会が発表した調査結果によると、回答者の70.8%が「子どもはいるべきだ」と答えた。2024年3月(61.1%)、2024年9月(68.2%)の調査結果より上昇した数値だ。年齢層別では、満25~29歳で肯定的な回答が65.1%、満30~39歳で65.5%だった。
国家データ処のパク・ヒョンジョン人口動態課長は、「コロナの影響で先送りされていた結婚が増加し、主要な出産年齢層に該当する30代前半の人口が2021年から持続的に増加したことが出産に繋がったと見られる。結婚後の出産や非婚出産に対する認識も、最近はポジティブに変化した」と分析した。
しかし、エコブーム世代の効果が終われば、出産のポジティブな指標そのものが再び下落しかねないという懸念が出ている。2030年代前半になると、人口そのものが少ない2000年代生まれが親世代になるからだ。
国家データ処のシナリオ別推計人口を見ると、今年172万人である30~34歳の女性人口は来年から減り始め、2033年には164万人になるとされている。2035年には、30~34歳の女性人口が132万人まで減少することになる。結局、出生率が維持されたとしても子どもを産む人口そのものが急減し、出生数が減少する時期が来るわけだ。
これに対し、韓国保健社会研究院は出生率の反転傾向を維持するための政策的支援を強調。若年層の安定的な労働市場への参入支援などを解決策として提示している。仕事探しや初期資産の形成期間が長くなるほど、家族形成が難しくなるという点からだ。出産を単に促すよりも、婚姻や出産を諦めさせる要因を理解し、それを解消することで家族形成の可能性を高めるべきだと強調した。
研究陣は、「第一子の出産決定における核心的要因である住居インフラの構築や養育負担の緩和、キャリア断絶を予防するための仕事と家庭の両立支援などが行われるべきだ」とし、「30代前半のための住居・キャリア形成支援とともに、30代半ば以降の年齢層のための不妊治療費支援や地域別医療サービスの格差解消、公的ケアサービスの拡充も並行されるべきだ」と提言した。
(記事提供=時事ジャーナル)
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