韓国でインフルエンザによる高熱にうなされながらも業務を続け、意識不明に陥り帰らぬ人となった幼稚園教諭の20代女性が、亡くなる前に園長や知人と交わしていたメッセージの内容が公開された。
韓国の全国教職員労働組合(全教組)は3月30日に青瓦台(韓国大統領府)前で開いた記者会見で、事件の経緯とともに、故人である幼稚園教諭Aさんが生前に知人らと交わしたカカオトークのメッセージ内容を公開した。
全教組によると、Aさんは京畿道富川市(キョンギド・プチョンシ)のとある幼稚園の教諭として、1月19日から24日まで発表会のリハーサル準備など過酷な労働を続けていた。
遺族の説明によると、このほかにも新入生オリエンテーションの準備などさまざまな業務を任され、退勤後も在宅勤務を続けたり、土曜日である1月24日も出勤したりしていたという。
Aさんに高熱などのインフルエンザ症状が現れたのは、24日の深夜0時ごろからだ。日曜日の25日に休み、26日に正常出勤したAさんは、退勤後に病院を訪れたがすでに診療時間が終わっており治療を受けられなかった。翌日の夜になってようやく、病院でB型インフルエンザの確定診断を受けた。
当時、高熱などに苦しんでいたAさんは、園長に「B型インフルエンザだそうです。体調管理にもっと気をつけるべきだったのに、申し訳ありません。明日はマスクをして出勤します」という内容のメッセージを送った。これに対し、園長は泣いている顔文字とともに「はい」と返信した。
翌日、出勤しようとするAさんを両親が引き止めたが、Aさんは「(幼稚園から)来なくていいと言われていないのに、どうして休めるの」と話したという。
高熱に耐えながら業務を続けたAさんは、同月30日に体温が39.8度まで上昇し、結局は同日午後12時30分ごろに早退を希望する意思を伝えた。しかし、全教組によれば、この時でさえ学級の引き継ぎがあったため、すぐには早退できなかったという。
喉から血が出るほど深刻な症状に苦しんでいたAさんは、生前、周囲の人々に「痛すぎて涙が出る」「体が引き裂かれそう。すごく痛い」と言葉を漏らし、苦痛を訴えていた。
Aさんが最後に残したメッセージも、1月30日午前10時44分ごろに知人へ送った「呼吸がすごく苦しい。胸が痛い。咳をしすぎて。こういう時どうすればいい?咳が止まらない」という悲痛な訴えだった。
翌日未明に救急室へ搬送され意識不明に陥ったAさんは、半月にかけて集中治療室で治療を受けたが、先月14日、敗血症性ショックにより息を引き取った。
この日、全教組の記者会見に出席したAさんの父親は、「私の娘は40度に迫る熱が出て、喉から血が出るような状況になって初めて早退することができた」とし、「先生たちが病気になることなく、健康に子どもたちをケアできることを願う。子どもたちを育てる教師たちが守られる社会になることを切に願っている」と訴えた。
パク・ヨンファン全教組委員長は、「『病気になっても教室でなれ、死ぬにしても教室で死ね』『先生の健康管理も実力のうち』といった管理職の古い認識、そして一人が休むとほかの誰かに負担がかかる代わりのきかない古いシステムが、新任教師を死に追いやった」と指摘。「職務上の災害(公務災害)を認められることにとどまらず、労働が尊重され、教師が人間らしく教育できる空間でこそ真の教育が花開くという真理を証明していく」と強調した。
(記事提供=時事ジャーナル)
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