韓国で教員の5人に1人が「正常な教育活動を行ったにもかかわらず、“政治的中立性に違反した”という抗議や苦情を受けた経験がある」というアンケート結果が公開された。
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教科書に沿って5.18民主化運動を説明したにもかかわらず、「左派思想の注入だ」という抗議が寄せられるといった具合だ。
韓国の教員労働組合連盟(教員労組)は7月9日、ソウル永登浦区(ヨンドゥンポグ)の教員労組大会議室で行われた記者会見で、こうした内容を骨子とする「教員の教育権侵害および政治関連の苦情事例調査」の結果を公開した。
昨年11月3~9日に韓国全国の教員を対象に実施した同アンケート調査において、回答者1937人のうち「正常な教育活動に対して政治的中立性違反だという抗議や苦情を受けた経験がある」という回答は391件(20.2%)だった。
「通報や告訴をすると脅迫された経験」は169件(8.7%)、「実際に通報や告訴などの法的手続きを受けた経験」は39件(2.0%)だった。
記述式の回答では、歴史教育に関連する事例が最も頻繁に見られた。
「小学校5年生の社会の授業で日本統治時代や三・一運動、柳寛順(ユ・グァンスン)を取り上げたところ、『教員と学校の教育課程が左派に偏っている』という旨の苦情を受けた事例」や、「5.18民主化運動を教科書の内容に沿って説明したところ、『左派思想の注入』『共産党』などの抗議が寄せられた事例」、「映画『ソウルの春』や『タクシー運転手』など歴史的事象を題材にした資料を活用した教育が苦情につながった事例」などがあった。
この日の記者会見では、学校での市民教育の強化が必要だと考える国民が多いという内容のアンケート調査結果も発表された。
マクロミル・エムブレインが教員労组政策研究院の依頼を受け、4月17~22日の期間に韓国国民5000人(満16歳以上~70歳未満)を対象に実施したアンケート調査で、回答者の66%は現在校内での市民教育のレベルが不足していると答えた。学校での市民教育が十分であるという意見は18.9%にとどまった。
回答者の過半数以上は、校内での市民教育に肯定的な姿勢を示していることがわかった。回答者の83.7%は校内での市民教育に同意すると答え、82.4%は現実の政治的争点や社会問題に関する教育が生徒に必要だと捉えていた。
ただし、回答者たちは校内での市民教育の必要性には共感しつつも、教員の政治的偏向の可能性に対しては懸念を示した。
現実の政治的争点や社会問題を扱う授業を巡る懸念に関しては、回答者の過半数以上である63.6%が「教員の政治的偏向に伴う歪んだ見方の注入」を危惧した。2位には「政治的に繊細なテーマによる校内での対立や混乱の懸念」(16.2%)が挙げられた。
こうした結果について、教員労組は「学校での市民教育に対する社会的要請はすでに明確に形成されている」としたうえで、「教育部や教育庁は、正常な教育活動に対する政治的偏向の苦情を教員個人に押し付けてはならない。教育課程に基づく授業、歴史的・学術的に事実関係が確認された内容の教育、ヘイトスピーチや歪められた情報に対する生活指導や市民教育が、不当に政治的偏向だと烙印を押されないよう、公式な保護基準と対応手順を策定すべきだ」と強く求めた。
(記事提供=時事ジャーナル)
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