かつての日本と似たような低成長の局面にある韓国経済を打開するためには、大胆な構造改革とイノベーションが必要だという分析を韓国銀行が発表した。
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6月5日、韓国銀行が発表した「日本経済から振り返るべき教訓」と題する報告書によると、韓国の国内総生産(GDP)に対する民間債務比率は2023年に207.4%に達し、日本のバブル期の最高水準(1994年の214.2%)に近づいているという。
日本ではバブル崩壊後、資産市場と連動した債務が連鎖的に不良化し、それが銀行危機へとつながった。また、生産性の低い不動産業やいわゆる「ゾンビ企業」に資金が流入するという資源配分の歪みも生じた。
韓国銀行は、「韓国経済は多くの分野で日本の轍を踏んでいる」と指摘し、「精密なマクロ健全性規制の運用、金融政策との連携強化、家計債務の管理姿勢の維持、迅速かつ大胆な構造調整によって債務比率を厳格に管理すべきだ」と強調した。
また、少子高齢化など人口構造の変化も日韓で似た様相を見せている。
日本では、バブル崩壊と同時に出生率の低下と急速な高齢化が進み、労働投入が減少して潜在成長率が下がり、低成長の懸念から物価も下落した。もし日本が人口構造の変化に適切に対応し、2010年から人口減少が起こらなかったと仮定すれば、2010~2024年の年間平均経済成長率は0.6%ポイント高くなっていたと推定されている。
韓国では、生産年齢人口は2017年、総人口は2020年をピークに減少を始めており、日本よりも早いペースで進行している。
これに対して韓国銀行は、休眠労働力の生産参加の拡大や、イノベーション志向の教育投資の強化などにより、労働力を量的にも質的にも拡充していく必要があると提言した。さらに、「外国人労働力をより体系的かつ持続的に活用する方策も検討すべきだ」とし、「出生率を段階的に引き上げる努力も必要だ」と付け加えた。
韓国銀行はまた、韓国がこれまでの成功戦略を批判的に見直す時期に来ているとも指摘した。強烈な成功体験が、むしろ構造改革を妨げる要因になりかねないからである。
日本は1990年代以降、既存の垂直統合体制や先進国中心の市場戦略を続けた結果、一時は世界一を争った産業競争力や国内生産基盤が弱体化した。韓国がこうした道をたどらないためには、先端産業の育成に集中し、高付加価値のサービス輸出を新たな成長エンジンとすべきだと強調した。
日本では、GDP比の政府債務比率が2023年に240.0%となり、世界最高水準に達している。これは、高齢化によって年金や医療保険などの社会保障支出が増加し、構造的な財政赤字が拡大したためだ。
韓国の政府債務比率は同年で50.7%と、比較的健全な水準にとどまっているが、韓国銀行は「財政の持続可能性を確保する努力が必要だ」とし、「景気後退に対応する赤字財政の後には、黒字財政によって財政余力を回復する慣行が根づくべきだ」と述べた。
さらに、「潜在成長率の向上は構造改革によって可能となり、金融政策はその補完的な役割を果たすべきだ」と強調した。
また韓国銀行は、「ヨハン・ノルベリが著書『Peak Human』で説いたように、一国の興亡は運命ではなく“選択”の結果である」とし、「日本の過去の経験から教訓を得て、現在の経済水準に比して老朽化した経済構造を革新し、創造的破壊を進めることによって、韓国経済は再び活力を取り戻すことができるだろう」と述べた。
(記事提供=時事ジャーナル)
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