“日本版CIA”誕生秒読みか。韓国が高市ニッポンを「羨ましくも恐ろしい」と見るワケ《韓国経済誌の視点》

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強硬保守の民族主義者であり、対中国強硬論者でもある高市早苗首相が、日本の平和主義体制を変更するための原動力を得た。

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昨年10月4日に自民党総裁に選出されながらも、日本維新の会と辛うじて連立政権を組み、紆余曲折の末に首相となったのが4カ月前だ。しかし、今年2月8日の衆議院総選挙で自民党が前例のない3分の2を超える議席を獲得したことは、彼女に対する民意の保証であることは明らかだ。

高市首相の政策で最も際立つのが「軍事力強化」であるならば、その根底には国家情報を高度化し、スパイ防止法を整備しようとする自民党の長年の努力がある。

高市首相、「ファイブアイズ級」情報国家への布石

まず、高市首相は現在を「戦後最も過酷な安保環境」と診断し、国益の守護と国民の安全保障を最優先に掲げている。

就任直後の昨年10月末、高市首相は「国家情報局の新設」を検討するよう内閣官房長官に指示した。国内外の情報を総合・判断するコントロールタワーとして国家情報局を首相直属に置き、官邸主導の情報体系を確立し、その長に各省への指示権限を付与する計画だ。

官房長官が議長だった次官級の内閣情報会議を、首相と閣僚が参加する国家情報会議へと格上げし、国家情報局がその事務局を兼ねることになる。

日本の国家情報局は、アメリカの対外情報機関である中央情報局(CIA)に、連邦捜査局(FBI)や国家安全保障局(NSA)など18の情報機関を統括する国家情報長官(DNI)を合わせたような機構を想定しているかのようだ。

敗戦後の日本は、連合国による非軍事化措置と情報機関に対する国民の根深い不信のため、国家情報機構を解体し、関連法制を廃止した。現在の情報共同体は内閣官房の内閣情報調査室を中心に、外務省、防衛省、警察庁、公安調査庁、海上保安庁などに分散し、省庁割拠主義と主導権争いが激しい。情報の集約・共有は円滑ではなく、海外人的情報(HUMINT)の収集・工作機関や国内防諜専担機関も存在しない。

海外情報で世界を経営するアメリカが9.11テロに遭った後、FBIを中心に国内情報を強化し、DNIを創設して国内外情報の融合に努めたのに対し、日本は既存の国内外・経済情報の収集や対テロに加え、海外情報機関の整備に力を入れてきた。

第2次安倍内閣は2013年12月、国家安全保障会議とその事務局である国家安全保障局(NSS)を創設した。情報の統合・共有促進のため、NSSが内調など情報機関に情報収集と分析を要請し、これを集約・総合整理して首相・官房長官・外務大臣・防衛大臣で構成される「四大臣会合」に提供する枠組みは整えられた。

2012年のアルジェリア邦人人質事件に続く2015年のイスラム国による邦人斬首事件は、対外情報に無力だった日本に衝撃を与えた。これは外務省の国際テロ情報収集班発足へとつながり、念願だった日本版CIA創設を水面下で推進する契機となった。

 併せて、高市首相は防諜の法制化への動きを強めている。昨年11月13日の参議院予算委員会で「外国勢力の工作や情報窃取を含め、日本社会の安定を損ない民主主義を毀損するリスクに対応する」と述べ、スパイ防止関連法制の整備に意欲を示した。これは選挙公約であり、連立政権合意文書にも明記されている。

スパイ防止法制化は日米同盟強化と中国抑止の発露だ。アメリカの情報を受け取るためには情報保護体系が完備され、脅威認識と戦略的ターゲットが一致していなければならない。そして、スパイ行為を処罰するには罪名が存在しなければならない。

アメリカは日本を情報流出に脆弱な国家と評価し、2013年7月の「情報保護に関する米日協議」以降、秘密保護法制の必要性を提起した。同年12月、安倍政権は特定秘密保護法を制定した。外交・防衛・スパイ・テロリズムに経済安全保障が加わり、計5分野の秘密を漏えいした場合、最高10年の懲役に処される。

しかし、特定秘密保護法は限界を内包する。法の目的は秘密の管理と漏えい者処罰にあり、浸透・取り込み・奪取工作といったスパイ行為そのものを処罰する根拠ではない。適用も5分野の「指定された秘密」に限られるため、未指定情報や産業技術、政治・学術領域への浸透には対応が困難だ。また事後処罰が中心であるため、事前確認・牽制・遮断といった防諜が曖昧だ。

外国情報機関によるスパイ罪ではなく、刑事・外患犯罪などで迂回処罰される。明確なスパイ防止法を持つ米英独仏など西側の情報機関は日本を法制未備国家と認識し、情報協力をためらう。中国・ロシア・北朝鮮の情報機関は日本の学界・企業・自治体・政界への浸透を拡大し、先端技術・半導体・AI・宇宙・防衛産業を狙う。

高市早苗首相
高市早苗首相(写真提供=代表撮影/ロイター/アフロ)

情報失敗が発生すれば国家安全保障に致命的

要約すれば、特定秘密保護法が秘密を守るものであるなら、スパイ防止法は外国情報機関のスパイ活動を犯罪化して摘発するものであり、国家情報局は国内外情報の収集・分析・総合判断および工作・防諜を統括する。

日本の安保・情報重視が注目される理由は、第一に首相と超巨大与党、国民の状況認識が一致している点だ。第二に同盟国アメリカの要請で進められ、トランプ政権の支持を受けている点で、これは将来日本が米英加豪NZの情報協力体「ファイブアイズ」に合流する可能性を高める。

第三に「戦争放棄、戦力不保持、交戦権否認」を定めた日本国憲法第9条を改正し、戦争可能国家への転換と連動する点だ。情報力は戦争や軍事衝突前段階で統帥権者に選択肢を提供する。北朝鮮のミサイル攻撃時の基地攻撃、中国による台湾有事などへの対応能力構築である。

ロシア・ウクライナ戦争やイスラエル・ハマス戦争、アメリカによるベネズエラのマドゥロ大統領拘束およびその後の管理などで、情報機関の早期警報、破壊・影響工作、軍事作戦先導、サイバー戦および総合判断機能はすでに実証されている。

韓国はどうだろうか。世界経済10位圏、国家パワー6位、輸出6位、通常戦力5位、防衛産業売上10位の韓国は、拡張すべきものと守るべきものがそれだけ多い。韓国が情報機関に対する内外の統制強化と民主性に重点を置く間にも、東北アジアでは北朝鮮および米中日露の情報角逐が熾烈さを極めている。

それにもかかわらず、国家情報院の戦略目標は曖昧で、国内安保情報は主体も不明確で、防諜機能は分散へと向かう。分離・競争の順機能がないわけではないが、脅威認識の弛緩と情報の分節・死角が生じ、情報失敗が起これば致命的だ。

金正恩政権の対南「敵対的交戦国」路線は不可逆的に強化され、核ミサイルの脅威は直接的だ。グローバル地政学と域内情勢のダイナミズムは極めて流動的である。気を引き締めなければならない。

日本が羨ましくもあり、恐ろしくも見える。

●成均館大学国政専門大学院、チョ・ギョンファン兼任教授

(記事提供=時事ジャーナル)

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