アメリカ・イスラエルによるイラン空爆でホルムズ海峡が事実上封鎖されているなか、ドナルド・トランプ米大統領は先日、SNSを通じて韓国、中国、日本、英国、フランスの5カ国に対してホルムズ海峡への軍艦派遣を要求した。
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トランプ大統領との首脳会談に向けた訪米を控え、3月16日に開かれた参議院予算委員会で高市早苗首相は護衛艦派遣について「一切決めていない」とし、日本政府が機雷の除去、船舶の保護、他国軍への協力、現行の情報収集活動の範囲拡大などの案を検討していることを明らかにした。小泉進次郎防衛相も自衛隊派遣について「現時点では考えていない」と慎重な姿勢を見せた。
ただ、同日夜に茂木敏充外相がマルコ・ルビオ米国務長官と電話会談を行い、ホルムズ海峡の航行の安全について協議したことで雰囲気は一変した。
高市首相は17日の参議院予算委員会で、「法的に可能な範囲で何ができるか政府内で検討している」とし、「国会の承認が必要なミッション(自衛隊の海外派遣)もあるが、そういう場合には各党各会派の代表とも協議する」と述べた。
アメリカ・イスラエルによるイラン空爆をめぐっては、イタリアのジョルジャ・メローニ首相がアメリカの国際法違反を批判するなど、日本国民の間でもイラン攻撃は不適切であるという見方が支配的だ。
『時事通信』が実施した3月の世論調査では、アメリカ・イスラエルの行動を「支持しない」という回答が75.1%、「支持する」という回答が7%となり、否定的な見解が優勢だった。『朝日新聞』の3月の世論調査でも、米国のイラン攻撃を「支持しない」という回答が82%に達した。
特に、高市首相がアメリカのイラン侵攻に対する国際法上の評価を保留していることについては、回答者の51%が「評価しない」と答えた。高市首相は3月19日の日米首脳会談を前に、「国際法上の法的評価について議論する考えはない」と断言していた。
ホルムズ海峡への艦船派遣を求めるトランプ大統領の圧力が高まる中、日本政府が自衛隊を派遣するかどうかが注目されている。
日本が直接的な攻撃を受けていない状況で自衛隊を派遣するためには、「存立危機事態」「重要影響事態」「国際平和共同対処事態」に規定するか、あるいは海賊やテロなどから日本船舶を保護するための「海上警備行動」、もしくは「調査・研究」という名目が必要となる。
まず「存立危機事態」とは、日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされる事態を指す。この場合、日本は「集団的自衛権」を行使して自衛隊を派遣することが可能だ。
「重要影響事態」は、事態を放置すれば日本への直接的な武力攻撃につながる恐れがある状況を指し、自衛隊は補給・輸送・整備活動などを通じて後方支援を行うことができる。
「国際平和共同対処事態」は、国際社会の平和と安全を脅かす事態が発生し、国際社会の共同の対処が必要な場合を指す。日本は当該の脅威を除去するために、国連決議に基づいて活動する外国軍に対し、補給・輸送・医療・整備などの支援措置を行うことができる。日本は2001年の9.11テロ後、国連決議に基づいて「テロとの戦い」を遂行するアメリカに対し、給油などの後方支援を実施した前例がある。
「海上警備行動」は、日本の船舶や乗組員を海賊行為や海上テロから保護するために自衛隊を派遣するもので、あくまで「警察権」の行使に限定されるため、自衛隊の武器使用には制限が伴う。ただし、3月16日の参議院予算委員会で高市首相は、「海上警備行動」による船舶保護は「法的に困難である」との見解を示している。
「調査・研究」は、防衛省設置法に基づいて自衛隊を海外派遣し、情報収集活動を行うことを指す。2020年2月、安倍晋三内閣は「調査・研究」を目的として自衛隊の護衛艦と哨戒機をホルムズ海峡付近の非戦闘地域に派遣し、情報収集活動を展開した前例がある。
自衛隊派遣をめぐる政府内の検討が進む中、慎重な対応を求める声も強まっている。石破茂元首相は日本政府がイラン事態を「存立危機事態」と規定して自衛隊を派遣することについて、「現段階でわが国が(集団的)自衛権を行使するかというと、それは国民の感覚とかけ離れたものになる。(自衛権の行使であれば)日本とイランが戦争状態に入ることになる。今までの経緯や国際的な理解から言っても、きわめて難しかろうということになる」と主張した。
「国民民主党」の玉木雄一郎代表は、ホルムズ海峡への自衛隊派遣について「現行法に照らせば困難だ」との認識を示した。安倍内閣の前例に従い、「調査・研究」の名目で自衛隊を派遣して情報収集活動を展開することについても、「仮に攻撃を受けた時も反撃できず、自衛隊の安全にもかかわる。また、イランの強い反発を招くだろう」として政府に慎重な対応を促した。そして「ペルシャ湾内にいる日本人や日本関係船舶の安全を最優先に考えてほしい。最も重要なのはイランとの外交交渉だ」との考えを明らかにした。
3月19日の日米首脳会談を前に、日本政府は外交的解決策を模索した。茂木外相は17日、イランのアッバス・アラグチ外相と電話協議を行い、ペルシャ湾の民間施設やインフラ施設への攻撃、およびホルムズ海峡の航行の安全に対する脅威を止めるよう要請し、外交的解決に乗り出した。戦争状態が続く場合、法的な制約から自衛隊の派遣は困難である一方、停戦状態であれば掃海艇の派遣による機雷除去を検討できるためだ。
ガソリン価格の上昇により政府の補助金支出への圧迫が強まっていることに関連して、高市首相は首脳会談でトランプ大統領に対し、アラスカ産原油の増産と対日供給を要請する方針を固めた。
専門家らは、イラン事態への対応においてトランプ大統領を刺激せず、かつイランとの伝統的な友好関係を維持してエネルギー安全保障を確保することが重要だと指摘している。
(記事提供=時事ジャーナル)
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