韓国も見守る“タカイチ流”実用外交 「米国と関係維持」「経済安保確保」へ注目集まる高市首相の一手《韓国経済誌の視点》

2026年04月06日 国際 #時事ジャーナル
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アメリカ・イスラエルのイラン攻撃による国際情勢の混乱が続いている。こうしたなかでアメリカはホルムズ海峡での軍事作戦に関連し、同盟国に対してさらなる負担と貢献を求めている。

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3月19日に訪米した日本の高市早苗首相に対し、ドナルド・トランプ大統領は自衛隊のホルムズ海峡派遣に直接は言及しなかったものの、同盟国である日本の積極的な貢献に期待を寄せると発言した。

同首脳会談において、高市首相はホルムズ海峡の航行安全確保に関連し、「法律的な制約」を理由に即時の自衛隊派遣は困難であるとの意向を示した。一方で、「世界に平和をもたらすことができるのはドナルドだけだ」と述べ、イラン問題の解決はトランプ大統領の意志にかかっているとの考えを伝えた。

日米首脳会談後の記者会見で、高市首相は「日本の法律の範囲内で、我々ができる措置とできない措置がある。これについて詳細にきっちりと説明した」と明らかにした。

日本の機雷除去技術は「世界最高水準」

2015年夏に安倍晋三内閣の下で安全保障法制が審議されていた当時、安倍元首相は自衛隊の海外派遣に関して、いわゆる「3原則」を提示した。自衛隊を海外へ派遣するためには、△国際法上の正当性の確保、△国会の関与など民主的統制の確保、△自衛隊員の安全確保のための措置が担保されなければならないというものだ。

現在、日本政府はアメリカ・イスラエルによるイラン問題について法的評価を保留する立場を貫いているが、国際社会の雰囲気は大きく異なる。すでに結論は出ているも同然の状況だ。

米国際法学会はアメリカの軍事作戦を「国際法違反」と規定し、イタリアのジョルジャ・メローニ首相もアメリカのイラン攻撃を「国際法違反」であると批判している。

これを受け、日本政府内からも、国際法上の正当性確保が困難なアメリカの軍事作戦を支援する形で自衛隊を派遣すべきではないとの声が上がっている。

こうしたなか、「法律の範囲内で可能な措置」を検討する日本政府内で、有力な代替案として浮上しているのが停戦後の機雷除去を目的とした掃海艇の派遣だ。

防衛省関係者の一人は、停戦後の機雷除去について「現行法の範囲内で実現可能性がある唯一の選択肢だ」と述べている。戦闘状態での機雷除去は武力行使に該当するが、停戦後の掃海艇派遣は武力行使に当たらず、日本が望まない紛争に巻き込まれる可能性も低いためだ。

掃海艇派遣による機雷除去について、茂木敏充外務大臣は3月22日にフジテレビの番組に出演し、「停戦状態となり、機雷が(物資輸送の)障害となっている場合には、掃海艇の派遣が検討可能だ」と主張した。ただし防衛省内では、停戦合意が成立するだけでなく、安全が確保されなければ派遣は難しい」という「慎重論」と、原油輸入に深刻な影響が出ているなかで機雷除去技術を誇る日本こそが掃海艇を派遣し、ホルムズ海峡の航行の安全を確保すべきだという「積極参加論」が対立している。

高市早苗首相、トランプ大統領
(写真提供=ロイター/アフロ)

一方、日本国民は自衛隊の派遣に消極的な態度を示している。

『日本経済新聞』が3月27日から3日間実施した世論調査によると、ホルムズ海峡の安全航行確保のために「自衛隊を派遣すべきだ」との回答は18%にとどまり、「派遣すべきではない」が74%に達した。『毎日新聞』が3月に実施した世論調査(3月28~29日)でも、アメリカを支援するためにホルムズ海峡に自衛隊を派遣することに反対する回答が49%となった。ただし、停戦後の派遣については33%の回答者が賛成を示している。

停戦後の掃海艇派遣案が浮上する中、高市首相はフィリピン、マレーシア、マーシャル諸島の首脳らと電話会談を行い、ホルムズ海峡の安全航行に関する「7カ国首脳共同声明」への賛同を呼びかけることで、アメリカを外交的に支援する戦略も取っている。

「7カ国首脳共同声明」はイギリスの提案により日本、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、オランダの7カ国が3月19日に合意したもので、「イラン軍によるホルムズ海峡の事実上の閉鎖を、最も強い表現で糾弾する」との内容を盛り込んでいる。

トランプ大統領による軍事的貢献の要求に即答することが難しい以上、イランに国際法の尊重を求める共同声明を発表し、国際社会の支持を結集させる形で対米外交協力に乗り出した格好だ。高市首相は3月末に訪日したインドネシアのプラボウォ・スビアント
大統領に対しても、共同声明への支持を訴えた。韓国政府もこの声明に対し、公式に支持を表明している。

ホルムズ封鎖が「医療用品不足」を招く恐れ

最近、日本国内ではホルムズ海峡の封鎖による原油供給不足が、ガソリン価格や電気料金の値上げにとどまらず、医療用品の供給不安定につながる懸念が指摘され、医療現場に混乱を招いている。

医療関係者はコロナ禍に医療用マスクや手袋、ガウンなどの在庫が不足したのと同様に、封鎖が長引けば夏頃から注射器や人工透析用のプラスチック製品などの供給不足が予想されると指摘している。

これを受け、高市首相は3月30日午後、赤沢亮正経済産業大臣を「重要物資安定確保担当大臣」に任命し、供給不足に備えた徹底的な物資確保に乗り出した。31日の関係閣僚会議後には、木原稔官房長官が重要物資のサプライチェーンを点検し対応方針を検討するためのタスクフォース(TF)を設置すると発表。「あらゆる可能性を想定し、エネルギーおよび重要物資の安定的供給に万全を期す」と強調した。

ホルムズ海峡封鎖の影響が徐々に拡大するなか、イラン政府が中国船の海峡通過を許可するなど、いわゆる「非敵対国」の船舶の通航を認めていることがわかった。これを受け、一部では日本政府がイラン側と「独自交渉」を進めるべきだとの声も上がっている。

ただし日本政府関係者は、日本船だけが通過できるようイラン政府に許可を求めることはないとの立場を明らかにしている。

同盟国であるアメリカとの関係維持と、日本の経済安全保障の確保を両立させるための高市流「実用外交」の行方に注目が集まっている。

(記事提供=時事ジャーナル)

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