日本政府が推し進める“デジタル化”を隣国はどう評価している?「転換遅れた反省」「韓国は大学と企業が手を組むが…」《韓国経済誌の視点》

2026年04月29日 経済 #時事ジャーナル
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日本政府は2021年9月にデジタル庁を発足させ、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を加速させている。オラクルやマイクロソフトといったグローバル・ビッグテック企業の代表が相次いで来日し、対日投資を発表している。

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まず、今年4月3日に来日したマイクロソフトのブラッド・スミス副会長は2029年までの4年間で100億ドル(約1兆5912億円)を投じ、日本国内でのデータセンター建設を含む人工知能(AI)インフラを拡充すると発表した。

マイクロソフト側はソフトバンクやさくらインターネットなどと協力し、日本国内でAIを運用するデータセンターを拡大させる計画だ。

日本、デジタルインフラを「安保資産」と規定

さくらインターネットは1999年に設立された中堅企業で、日本の国家機関や地方自治体が使用する「ガバメントクラウド」の事業者に選定された唯一の日本企業である。

スミス氏は訪日中に日立製作所、NEC、NTTデータ、富士通といった日本の大手企業と協力し、2030年までの間に100万人以上のエンジニアや開発者などの人材を育成し、AI関連の教育プログラムを提供していく計画も発表した。スミス氏による対日投資計画の説明に対し、高市早苗首相は最大規模の対日投資を歓迎するとともに、日本の成長ポテンシャルを高め、データ主権の維持に寄与する投資になるだろうとの期待を表明した。

4月15日には、オラクルのマイク・シシリアCEOが高市首相と会談し、日本国内のデータセンター建設に向けた対日投資の増額を検討すると述べた。オラクルは日本国内のクラウドサービスおよびAIインフラ拡充のため、2024年から10年間で80億ドル(約1兆2727億円)規模の投資計画を発表している。

オラクル側は、ソフトバンクとの協業を通じてオラクルの技術力を活用した日本市場向けクラウドサービスおよびAIプラットフォームをリリースし、NTTデータがオラクルのインフラを導入して日本国内にデータを保存する形でクラウドサービスを提供することを計画している。

クラウドサービスの需要が急増するなか、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)も2024年1月に約150億ドル(約2兆3864億円)規模の対日投資計画を発表し、日本国内にデータセンターを新設するなどインフラ整備に乗り出している。

グローバル企業による対日投資増加の背景には、高市内閣が「デジタル主権」を強調し、国家プロジェクトや公衆クラウドの導入時、日本国民および企業のデータを日本国内のデータセンターに保存することを必須要件とする「データ・ローカライゼーション」戦略を推進している点が挙げられる。

欧州連合(EU)が2018年春に「一般データ保護規則(GDPR)」を発表するなど、世界的に自国のデータを自国内で処理・管理しようとする動きが広がるなか、日本も国境を越えた国家および個人データの移転を制限しようとしているのだ。

高市内閣は「経済安全保障」の文脈からデジタルインフラを「国家安保資産」と規定し、国内インフラを中心としたクラウド体系の構築を模索している。データセンターの構築に関しては、主要都市だけでなく地方へとデータセンターを分散させることで、地域の均衡ある発展とデータインフラの構築を連動させる戦略をとっている。

ソニー・ホンダ・ソフトバンクが結束してAIを独自開発

日本の総務省が発行する情報通信白書(2025年版)によると、日本のデータセンターサービス市場の規模は、2023年時点の2兆7361億円から、2028年には5兆812億円へと増加すると予想されている。

このように日本のAIおよびクラウド産業が急成長するなか、マイクロソフトをはじめとするビッグテック企業は、日本企業と協力して日本国内でデータを処理できるようにすることで、日本市場の先取りを狙っている。

世界的にAI開発競争が加速するなか、経済産業省が日本産AIの開発企業を対象に1兆円の支援策を発表するなど、デジタル主権確保のための補助金支援に本腰を入れると、日本企業は日本独自のAIモデル開発に向けた連携を本格化させている。

ソフトバンク、NEC(日本電気株式会社)、ホンダ、ソニーグループといった日本を代表する企業は今年4月、自国型AIの開発に向けて共同出資する形で「日本AI基盤モデル開発」を設立した。ソフトバンクとNECがAIモデルを開発し、そのモデルをホンダとソニーが自動運転システムやゲーム、半導体などの産業に活用するという計画だ。

一方、地価の上昇や電力需給の問題、冷却用の水資源確保の問題などにより、都心部にデータセンターを追加建設するためのコストが次第に増加すると、日本の三大海運会社の一つである商船三井(MOL)と日立製作所は「浮体式データセンター」の構築に乗り出した。大型の自動車船を改造し、動くデータセンターとして活用しようというものだ。

浮体式データセンターは既存の大型船舶を改造するという点で、地上のデータセンター建設に比べて費用と時間を節約でき、海水を冷却水として活用できるという点でメリットが明確である。ただし、海上ネットワークのセキュリティ問題や、塩分・湿度の影響を受けやすい点などのリスクにより、事業性が不透明だという指摘も出ている。

日本国旗
(写真=photoAC)

日本の産業界でデジタルトランスフォーメーションが加速するなか、AIやロボット開発といった先端技術分野のデジタル人材育成に向けた教育体系の改編も本格化している。

文部科学省は、理論と実習を並行して学習する5年制の「高等専門学校(高専)」への支援を拡大し、実務型の技術人材の養成に乗り出している。

愛知県の場合、2029年4月までに県立の高専を開校し、AIおよびデジタルコースを卒業した学生が卒業直後にエンジニアとして採用されるようにする計画だ。4年制大学を中心に大学と企業が手を組んで高度人材の養成に力を入れている韓国とは、いささか異なる様相を呈している。

デジタル転換に遅れたという反省から、積極的な海外の高度人材誘致とともに、実務型の技術人材養成のための教育体系改編に乗り出した日本政府の試みが、「デジタル強国」日本の再浮上につながるか注目される。

(記事提供=時事ジャーナル)

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