「ソウルの中心で“金日成万歳”と叫んでも許されるべき」韓国政府高官の発言に批判噴出、大統領府の警告にも反発し与党内から辞任要求

2026年07月06日 政治 #時事ジャーナル
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韓国で「5.18聖域化」発言をして物議を醸す規制合理化委員会のイ・ビョンテ副委員長(首相級)に対する自主辞任の要求が、与党を中心に噴出している。

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ただ、イ副委員長は青瓦台(韓国大統領府)の公開警告が出た後も「表現の自由は人間の普遍的な基本権だ」と言い返し、立場を崩していない。

与党「共に民主党」のチェ・ミンヒ議員は7月5日、青瓦台がイ副委員長に対して公開警告を行ったことに関連して「イ・ビョンテ副委員長は即刻辞任せよ」としたうえで、「“何を謝罪すべきかわからない”というあなたは、李在明(イ・ジェミョン)政権には似合わない」と直撃した。

チェ議員は前日にも「5.18への侮辱と嘲笑のどこが表現の自由なのか」とし、「歪んだ歴史意識に基づく、5.18の英霊と有功者、そして民主主義と国民への冒涜だ。表現の自由などと言って責任転嫁せず、まずは謝罪してほしい」と矛先を向けた。

同党のソ・ヨンソク議員も同日、フェイスブックに「5.18民主化運動への嫌悪と嘲笑が、表現の自由という名の下で正当化されることはない」とし、「今からでも民主主義の歴史を侮辱したことについて謝罪することが、公職にある者の正しい態度だ」と批判した。

キム・ナムグク議員もフェイスブックに投稿し、「国家が国民に銃口を向けた悲劇と、市民が命がけで民主主義を守り抜いた歴史を茶化す行為まで、表現の自由でかばうことはできない」とし、「誤った認識と暴言について、国民の前で即刻謝罪せよ」と促した。

野党「祖国革新党」もイ副委員長の辞任を求めた。同党のパク・ビョンオン首席報道官は論評を出し、「5.18民主化運動は憲法前文に収録することに国民的な合意があるほど、現在の韓国社会の基盤となる歴史だ」とし、「これに対して『北韓(北朝鮮)のようだ』と正面から思想論争を仕掛けた人物まで、統合の名の下に容認してはならない」と指摘した。

続いて「イ副委員長の発言は、我が社会が統合的な運営のために容認できるレベルを超えている」として辞任を要求した。

騒動の発端は、培材(ペジェ)高校野球部が光州(クァンジュ)第一高校との試合中に「スターバックスに行かなきゃ」という応援の掛け声を叫んだことだ。

韓国では先日、「5.18民主化運動」46周年を迎えた5月18日に、スターバックスコリアがタンブラーシリーズをプロモーションする過程で「タンクデー」や「机にドン!」といった文言を使用したことが物議に。軍事独裁時代の象徴の一つとされる「タンク(戦車)」という言葉を強調し、5.18民主化運動やその犠牲者を侮辱にしたとして批判を集め、親会社会長による“対国民謝罪”や、スターバックスコリア本社従業員などを対象とした「歴史認識教育」および「社会的感受性教育」を実施していた。

韓国国旗
(写真=サーチコリアニュース編集部)

そんななか、ソウルに所在地を置く培材高校の野球部員が、5.18民主化運動が起きた光州広域市に所在地を置く光州第一高校との試合で「スターバックスに行かなきゃ」と叫んだことで、歴史嘲笑や地域差別をしたとして猛非難を浴びた。

そして、培材高校の野球部員に対する処分問題などが取り沙汰されると、イ副委員長は自身のSNSで「5.18が聖域になった」とし、「北韓の姿だ」とこれを批判する文を投稿していた。

イ副委員長は「歴史の聖域化により、若い学生たちの冗談に近い逸脱も受け入れられず、大人たちの“政治”になってしまった」とし、「この姿は大韓民国というより、金日成(キム・イルソン)の写真が載った新聞が雨に濡れるのを見て泣き叫ぶ北韓の姿だ」とも主張した。

これに対し、青瓦台のカン・ユジョン首席報道官は4日、「イ副委員長が個人的な意見をソーシャルメディア(SNS)に投稿したことは、嫌悪や嘲笑に対する政府の断固たる拒否方針とは異なり、誤解を招く恐れがある」とし、「政府所属機関の責任ある立場にある者として不適切な身の振り方だ。厳重に警告し、今後の再発防止を強く求めた」と公開警告を出した。

しかし、青瓦台の警告が出た後も、イ副委員長は立場を崩さず、公然と言い返した。

イ副委員長は青瓦台の警告が出ると、同日改めてフェイスブックに投稿し、「不適切だったなら批判すればいい。その批判も表現の自由だ」とし、「しかし、発言を根拠にした“処罰”は基本権の否定だ。基本権が守られない社会は民主的な社会ではない」と主張した。

また、「ソウルの真ん中で金日成万歳と叫んでも許されるべきだ」とし、「表現の自由とは、正しく真っ当な発言をする権利ではなく、間違っていて突飛で偽りのある言葉も社会が許容せよという基本権だ。だから最近の情報通信法改正案も、公職選挙法上の虚偽処罰も、選挙運動の制限もすべて反対してきたのだ」と強調した。

イ副委員長は、最近全容が明らかになった李在明政権の「3大メガプロジェクト」に対しても、現実性がなく、履行の有無の検証もまともになされていないとして、否定的な立場を示した。

韓国科学技術院(KAIST/カイスト)の元教授で保守派の人物であるイ副委員長は、今年3月に首相級である大統領直属の規制合理化委員会の副委員長に抜擢された。李在明大統領の統合・実用基調に伴う人事だったが、与党内からは彼の過去の発言や経歴を懸念し、任命取り消しを求める声も上がっていた。

パク・ジュミン議員は「イ元教授はセウォル号沈没事故の追悼をめぐり“堕落した政治権力の遊び事”と非難し、“この社会の浅ましさの象徴”という突き刺さるような言葉もためらわずに口にした」とし、「任命を取り消してほしい。どれほど優れた専門性があろうとも、共感能力が欠如していれば毒になるだけだ」と指摘していた。

(記事提供=時事ジャーナル)

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