北朝鮮もアメリカも韓国をスルー?「平和の当事者」めざす李在明政権の深まる苦悩

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朝鮮半島の平和への青信号か、米韓連携の亀裂の兆候か。韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が北朝鮮に向けて「戦争終結」と「平和体制」を提案したわずか一日後に、ドナルド・トランプ米大統領が米韓合同軍事演習の縮小というカードを切った。

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米韓首脳が並んで対北朝鮮の緊張緩和に重きを置く格好だが、一部からは「コリア・パッシング」を懸念する声も上がっている。北朝鮮のミサイル挑発が続くなか、トランプ大統領が韓国政府の外交路線に対する不満を隠そうとしないためだ。

トランプ大統領は8月16日(現地時間)にトゥルース・ソーシャルを通じて、米韓合同演習の規模を「大幅縮小」するようピート・ヘグセス国防長官に指示したと明かした。トランプ氏は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と自身の関係が非常に良好であるとし、米韓演習は多大な費用がかかるだけでなく、北朝鮮に対して「不適切で敵対的な」信号を送っていると主張した。

トランプ大統領の発言は、米韓が17日から27日まで実施する後半の合同演習「乙支(ウルチ)フリーダムシールド(UFS)」の開始をわずか数時間後に控えたタイミングで飛び出した。

韓国軍はひとまず予定通り演習を開始した。ただし、トランプ大統領の指示が今後の米軍の参加規模や野外機動訓練などにどう反映されるかは、いまだ不透明だ。

トランプ大統領の「電撃発表」に韓国政界は動揺を見せている。ひとまず与党側は、トランプ大統領の対北朝鮮路線が朝鮮半島の平和にとって「プラス」になると期待を寄せる様子だ。

米韓合同演習の強化ではなく弱体化が、南北間の軍事的緊張を和らげていくべきだとする李大統領の「平和優先」の対北路線と一致するという見方である。

これに先立ち、李大統領は8月15日の光復節の祝辞で、「包摂的・安定的・責任ある平和共存」を対北政策の3大基調として提示した。

李在明大統領
李在明大統領(写真=大統領室通信写真記者団)

特に「戦争を終結させ、韓半島(朝鮮半島)の不安定な休戦体制を平和体制へと変える旅路に乗り出す」とし、長引く戦争を終わらせるための当事者間の議論を始めようと提案した。自らを「ペースメーカーであり韓半島の平和の当事者」と定義づけたりもした。

問題は北朝鮮の動きだ。李在明政権が対話と緊張緩和に重きを置く間も、北朝鮮の軍事的脅威は止まっていない。

北朝鮮は去る6日、元山(ウォンサン)周辺から日本海に向けて短距離弾道ミサイルを発射した。今年に入って10回目の弾道ミサイル発射だった。6日後の12日には再び元山周辺から弾道ミサイルを発射し、ミサイルは700km以上飛翔した。

北朝鮮は軍事的な圧迫だけでなく、激しい言葉による口撃も続けている。

北朝鮮外務省はUFSを3日後に控えた14日に談話を出し、米韓演習を「侵略戦争の予行演習」だと主張しながら、「新たなレベルの脅威に対し、新たなレベルの抑止力」で対応すると威嚇した。また自らの「対敵立場はより明確に表現されるだろう」とし、追加対応の可能性まで匂わせた。

トランプ氏の「不満」が浮き彫りに

さらに複雑なのは、平壌とワシントンの視線の双方から韓国が外れている点だ。

金正恩国務委員長は今年2月の労働党第9回大会で、李在明政権の融和的な姿勢を「未熟な欺瞞劇であり駄作」と切り捨てた。一方でアメリカに対しては「仲良くできない理由はない」と表明した。米朝関係の行方はアメリカの姿勢次第だとも語った。

金正恩氏、トランプ氏
左から金正恩委員長、トランプ大統領(写真提供=AP/アフロ)

こうしたなか、トランプ大統領が李大統領ではなく金委員長との個人的な関係を前面に出して米韓合同演習の縮小を直接指示したことで、李大統領の「ペースメーカー論」は新たな試練を迎えることとなった。

特に、トランプ大統領は同じ投稿の中で、韓国がアメリカの「イラン非核化」構想への参加要請を断った事実まで暴露した。演習縮小の背景には金委員長との関係だけでなく、同盟国である韓国に対する不満も同時に存在することを示唆した格好だ。

韓国野党の「国民の力」はこの点を集中的に追及している。同党のパク・ソンフン首席スポークスマンは同日、トランプ大統領の演習縮小指示について「李在明政権の貧困な安全保障観と無責任なアマチュア外交が招いた結果だ」と主張した。政府の「屈従的な対北政策」が、北朝鮮を脅威ではない国とみなすアメリカの誤った認識を生んだと批判した。

国会外交統一委員会に所属する「国民の力」のキム・ゴン議員は、「トランプ大統領が同盟の核心である合同演習への不満と縮小指示を公に表明するまで、李在明政権は何をしていたのか」と述べ、米韓間の事前コミュニケーションの問題を提起した。ユ・スンミン元議員もまた、「米韓同盟は韓国とアメリカの双方から遠心力が働いている」と分析した。

李在明政権の対米・対北政策が同時に試練に立たされるなか、青瓦台(韓国大統領府)はトランプ大統領のメッセージを米朝対話再開のきっかけとして活用したい考えだ。

青瓦台関係者は17日、「米朝首脳間の良好な関係が意味のある米朝対話へとつながり、韓半島の平和と安定を進展させるための議論が開始されることを期待する」と明かした。続いて「緊密な米韓連携のもと、ペースメーカーとして必要な外交的努力を傾けていく」と付け加えた。

(記事提供=時事ジャーナル)

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