日本には辛口すぎる評価!? 韓国民間研究機関の「世界平和指数」に違和感

韓国の民間研究機関・世界平和フォーラムが2014年12月3日、「世界平和指数（World Peace Index）」を発表した。

それによると、調査対象となった143カ国中、最も平和な国はドイツ。2位はスイスで、3位オランダ、4位デンマーク、5位アイスランドと続いている。

韓国は47位と前年よりも5ランク下がっており、その理由は「南北間の軍事的緊張が深刻化し、日本との外交関係も悪化した」からだという。

気になるのは日本の順位。韓国の民間機関が出した数字だけあって“辛口”が想像できたが、なんとトップ10にも入らない19位。あまりの低評価に、驚いてしまう人も多いのではないだろうか。

というのも、一般的に知られている英『エコノミスト』紙の「世界平和度指数（Global Peace Index）」の順位と、あまりにかけ離れているからだ。

『エコノミスト』が同年発表した「世界平和度指数2014」を見ると、日本は162カ国中8位。アジア勢として唯一のトップテン入りを果たしている。

“英国版”と“韓国版”で、いくら評価基準が違うとしても、11ランクも評価が下がっていることには、違和感を持たざるを得ない。

「調査対象国の数が違うからでは？」との指摘もありそうだが、英国版の上位30カ国のうち、韓国版で調査対象外の国はブータンだけ。日本が11ランクも下落する理由にはならないだろう。

ちなみに韓国版で47位とされた韓国は、英国版では順位を落として52位。世界平和フォーラムは自国・韓国の評価を、相対的に“甘め”にした結果となっている。
　
そんな世界平和フォーラムの2013年の報告書には「韓国で最も科学的で総合的で唯一の世界指数」という自賛の一文も入っていたが、彼らの数値をうのみにしてもいいのだろうか。

さかのぼってみると、『エコノミスト』が日本を3位にランク付けた2008年も、世界平和フォーラムは日本に29位という低評価を下していた。

世界平和フォーラムの理事長を務めるキム・ジンヒョン氏は、1990年代に科学技術処長官（日本の科学技術政策担当大臣に相当）を務めるなど輝かしい経歴を持つ人物。しかし、彼の著書『日本の友人たちに本当にしたい話』を見てみると、目次には「日本が大国になれない理由」「日本に先行する韓国式世界化」「天皇だけが治せる日本病」などの小見出しが並ぶ。

彼が世界平和フォーラムにどんな影響を与えているのかは不明だが、そもそも厳しい日本観を持った人物であることだけは間違いないだろう。

それにしても、ロシア（英国版152位、韓国版109位）、中国（英国版108位、韓国版105位）、北朝鮮（英国版153位、韓国版110位）などと、北東アジアの国家は軒並み平和度指数が低い。それらに比べれば、日本はもとより韓国も平和な国といえるかもしれない。