日本政府観光局(JNTO)は、2025年の訪日外国人数が初の約4000万人に達する見通しだと発表した。2024年の訪日外国人数が、コロナ禍以前の2019年(3200万人)を上回る3700万人と集計されて以降、訪日外国人の増加傾向は続いている。
韓国政府の統計基準で、2024年に韓国国民のうち約860万人が日本を訪問したことを踏まえると、訪日外国人増加には韓国人の日本訪問も大きく寄与していると見ることができる。
こうした状況のなか、日本政府は2026年7月から、日本国民のパスポート発給手数料を1万6000円から9000円に引き下げる一方、国籍を問わず日本から出国するすべての人に課される「国際観光旅客税」を、現行の1人当たり1000円から3000円へと引き上げると発表した。
2019年の導入以降7年ぶりに国際観光旅客税が3倍に引き上げられる背景には、「オーバーツーリズム」による交通混雑の深刻化や、ゴミ処理などによって住民の不便が増している状況を解消するため、観光関連予算を確保しようとする日本政府の計算がある。
昨年12月26日に可決された2026年度の観光関連予算案1383億4500万円のうち、1300億円が出国税によって賄われる予定だ。このうち、オーバーツーリズムの予防および抑制のための観光地受け入れ環境整備促進費は、2025年度予算案の8.34倍に当たる100億円に計上された。
これに加え、日本政府は博物館や美術館などで外国人に対してより高い入場料を課す「二重価格制」を推進する方針であると、複数の日本メディアが昨年12月29日に報じた。外国人入場者には現行入場料の2~3倍を適用する案が検討されており、これを東京国立博物館に適用した場合、現在一般成人1人当たり1000円の入場料が、最大で3000円近くまで一気に跳ね上がる計算となる。
実際、日本を代表する観光地である京都では、外国人観光客が大幅に増加するなかで、「オーバーツーリズム」による不便を訴える声も同時に大きくなっている。
京都に30年以上居住しているA氏は「これほど混雑した街を見たことがない。観光客は金閣寺や清水寺といった観光地だけでなく、地域住民が利用するスーパーや飲食店、さらには住宅街近くの銭湯など、日常生活圏にまで押し寄せている」と語り、観光地と住民の生活圏が分離されていない状況に対するストレスを吐露した。
京都市が作成した資料によると、オーバーツーリズムによって京都市民が最も不便を感じている点は、市内バスの混雑(31.6%)、観光客のマナー問題(24.1%)、特定観光地への人員集中(11.7%)、道路混雑(9.8%)の順となっている。
こうした状況のなか、京都市は自治体レベルで課している「宿泊税」を2倍に引き上げる方針を打ち出した。現在、京都市は宿泊料金2万円以下の宿泊施設に対しては1人当たり200円、2万~5万円の施設では500円、10万円以上の施設では1000円の宿泊税を課している。
しかし、2026年3月以降は、2万円以下の施設に対して最大400円、2万~5万円の施設では1000円、5万~10万円の施設では4000円、10万円以上の施設では1万円を課す方針だ。
東京都でも、現在定額制で課されている宿泊税を宿泊料金の3%に変更し、宿泊税が免除される宿泊料金の基準を1人当たり1万円から1万3000円未満へと引き上げることを検討している。より多く消費する人から、より多く徴収するという考え方だ。
外国人観光客の増加は、単なる「オーバーツーリズム」問題にとどまらず、日本国民に「逆差別」意識を生じさせてもいる。
日本のJRグループ(日本旅客鉄道)は、外国人観光客向けに、7日間日本全国のJR列車およびバスが乗り放題となるチケット(ジャパン・レール・パス)を5万円で販売している。一部の新幹線では追加料金が必要となるが、東京と大阪を2往復するだけでも元が取れるため、観光客の間で人気を集めている。
しかし、日本人は「ジャパン・レール・パス」を利用できず、むしろより高い価格で正規の切符を購入しなければならない点、日本人が利用できる割安なチケット(フリーパス)が次々と姿を消している点などから、日本人が「逆差別」を受けているのではないかという不満の声が上がっている。
一方で、外国人観光客との「共生」をビジネスチャンスと捉える動きも現れている。『文春オンライン』によると、京都のある湯豆腐店の店主は、観光客が湯豆腐を注文した後、こっそりバッグからキムチを取り出して一緒に食べているのを見て、当初は不快感を覚えたという。しかし、その後キムチをメニューに追加して販売し始めたところ、豆腐と一緒にキムチを注文する観光客が増え、日本式の豆腐キムチが日本人客からも好評を得るようになり、店主はこれを看板メニューの1つとして紹介し、収益を上げているという。
日本の主要観光地である沖縄でも、2019年の火災で焼失し、現在復元作業が進められている世界文化遺産・首里城について、時間帯別入場予約制やバス・小型車の駐車場予約制を導入し、首里城公園周辺を迂回するルートを開発することで、オーバーツーリズムを事前に防ぎ、地域住民と観光客の「共生」を実現する方針を発表した。
日本政府は昨年12月26日、2026年から外国人に対するビザ発給手数料を5倍に引き上げる方針を発表した。単数査証は現行の3000円から1万5000円へ、数次査証は6000円から3万円水準へと引き上げるという。1978年以降、ビザ発給手数料が引き上げられるのは初めてのことだ。
これに加え、日本政府は2028年から、ビザ免除対象の入国者に対して「電子渡航認証制度(JESTA)」を導入することも検討している。JESTA導入に伴う手数料は2000~3000円で議論されており、外国人観光客を対象とした事実上の「入国税」が新設されると理解できる。
国際観光旅客税の引き上げ、ビザ発給手数料の引き上げ、そしてJESTA手数料の導入は、オーバーツーリズム対策にとどまらず、高市内閣の「責任ある積極財政」のための財源確保に活用されるとの分析も出ている。
(記事提供=時事ジャーナル)
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