日本から韓国の窃盗団が盗んで丸12年…高麗時代の仏像、長崎県・観音寺に返還へ。「おかしい」と不満の声も

2024年11月20日 国際
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長崎県対馬市の観音寺から盗まれ、韓国に持ち込まれた仏像が日本に返還される見通しだ。

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11月20日、『共同通信』によると、所有権を主張してきた韓国・忠清南道の浮石寺(プソクサ)の住職らが日本への返還を書面で保証する方向だという。

浮石寺は日本への返還に反対しない意向を示し、引き渡し前に像の安寧を願う100日間の法要の実施を要望しているとも報じられた。

また、韓国の『聯合ニュース』も「観音寺が求める『確実な返還』に関連し、浮石寺を含む韓国仏教界が文書保証案を提示しようとしている模様」と伝えた。

韓国最高裁が下した結論

今回議論の中心となっている仏像は、長崎県指定有形文化財である「観世音菩薩坐像」のことだ。

長崎県によると、観世音菩薩坐像は「朝鮮半島の高麗銅造仏で、制作時と安置寺院のわかるものは稀であり、誠に貴重な尊像」だという。像内から発見された結縁文(けちえんぶん)には「高麗国瑞州浮石寺」「天暦三年」などの記述がある。天暦3年は西暦1330年に当たる。

観世音菩薩坐像
(写真=韓国文化財庁)観世音菩薩坐像

そんな貴重な仏像は、韓国の窃盗団が2012年10月に観音寺から盗み出した。韓国の警察は2013年1月に韓国国内で窃盗団を逮捕し、仏像を回収している。

問題はここからだった。浮石寺がこの仏像は数百年前に倭寇に略奪されたものとし、所有権を主張したのだ。それを受け、大田(テジョン)地裁は韓国政府に浮石寺への引き渡しを命じた。

韓国政府が控訴し、大田高裁は2023年2月に地裁判決を取り消した。そして同年10月、韓国最高裁が浮石寺の上告を棄却し、この仏像の所有権は日本にあるとの結論が下った。

韓国最高裁は、他人の物であったとしても一定期間、問題なく占有した場合、所有権が移転するとみなす「取得時効」の法理に基づき、仏像の所有権が日本の観音寺に正常に移転したと判断した。

こうして盗まれた観世音菩薩坐像は7年にわたる訴訟の末、観音寺に所有権があると認められたが、今も返還が実現していない。そんな仏像がいよいよ日本へと帰ってくるというわけだ。

ただ、韓国のオンライン上では日本への返還に反対するが尽きない。

例えば、「壬辰倭乱(文禄・慶長の役)や日帝強占期に略奪された私たちのものは取り戻すこともできないくせに、先頭に立って日本に返還してあげようとしているなんて」「親日政府に親日裁判官」「植民地時代に盗まれた文化財も全部返してもらわないと」「盗まれた私たちの高麗仏像が何年か日本にあったからといって日本のものだなんて、本当に言葉が出ない」といった意見が見られた。

また、法理に対する疑問として「日本が持ち去ったものは一定期間の占有に問題がなく、韓国が取り戻したものは一定期間の占有に問題があるってことなのか?」「法の条文自体がドイツや日本のものを丸写ししたからか、あのひどい取得時効の論理で最高裁の連中が奇妙な判決を出した」といったコメントが寄せられた。

このまま仏像が無事に日本に返還されるのか、それとももうひと悶着起きるのか、関心が高まっている。

(文=サーチコリアニュース編集部O)

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