10月1日~7日まで国慶節連休を迎えた中国人が最も訪れた海外は、韓国だったという。
仁川国際空港公社によると、韓国へ入国した中国人観光客はおよそ25万人で、前年度の21万人に比べて19%増えたそうだ。
それに伴い、韓国では中国人の“爆買いバブル”も起きた。観光客が多く訪れる現代百貨店貿易センター店や新世界百貨店本店は、それぞれ35.3%、44.3%も売上を伸ばしたらしい。また、ロッテ免税店も30%、新羅免税店も18%売上を伸ばした。
ただ、このような現象が今後も続くとは思えない。
『韓国経済』によると、韓国の「格安パッケージツアー」を経験した中国人観光客のほとんどが、「二度と韓国に行きたくない」と答えたというのだ。
いったいなぜだろうか。
そもそも中国では、韓国の旅行会社による「格安パッケージツアー」を利用する人が多いという。4泊5日間で5万円前後と飛行機代より安い値段には、魅力を感じざるを得ないのだろう。しかし、その実態は「爆買い誘導ツアー」。韓国人ツアーガイドは、行く先々で「買え」と連呼するらしい。
前出の『韓国経済』が調べた格安パッケージツアーの実態は次の通りだ。
1日目:夜中の4時半にソウル到着。2時間半仮眠をとって、観光スタート。誰かに追われるようにあちこちの観光名所を見回る。食事で出された料理がすべて冷たく、期待したサムゲタンも粗悪。
2日目:ロッテワールド訪問。しかし与えられた時間は90分だけなので、アトラクションには乗れず。それ以外のスケジュールはすべて買い物に連れまわされる。高麗人参店では誰も買い物をしなかったら、韓国人ツアーガイドが「皆さんのパッケージツアー費用は、ただの飛行機代。販売店のスポンサーがあるからこうやって安く観光できるというのに、何も買わないのはひどい」と怒り気味。この日の買い物時間は約6時間30分で、観光客から「つまらない」「疲れる」との声が上がる。
3日目:2カ所の免税店に行き、夜は遊覧船に乗る。夕食のプルコギが固くて食べられず。
4日目:自由時間。
5日目:免税店、韓国のり博物館、特産品販売店に行く。
4泊5日間訪れた免税店やお土産店は11カ所。観光に費やした時間は370分だが、ショッピングは805分にも及ぶ。観光ではなく、免税店巡りといっても過言ではないほどだ。
よっぽどの買い物好きでない限り、リピーターはいないだろう。実際に、「もう二度とごめんだ」「韓国のイメージが悪くなった」という声が多かったそうだ。
“爆買い”に誘導される中国人観光客と、自国のイメージを自ら下げる韓国人。どちらも幸せになれない悪循環がそう長く続くはずがない。
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