韓国の女性家族部が国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)が勧告した4つの事項について、4カ月間にわたり公式会議を一度も開催していないことが明らかになった。
特に女性家族部は、10月9日に国連会議で日本代表が行った「慰安婦は根拠のない主張」という発言に対しても、無反応で一貫しているようだ。
韓国政界では、慰安婦被害者支援事業を担当する省庁が「職務怠慢」状態にあるとの指摘が出ている。
女性差別撤廃委員会は6月初旬、韓国政府に4つの事項(慰安婦被害者の救済と賠償、女性家族部の支援拡大、差別禁止法の制定、不同意強姦罪の改正)を最終勧告した。ここには、女性家族部の廃止案を撤回し、早急に空席となっている女性部長官を任命することが含まれていた。
また、慰安婦被害者が適切な賠償、公式な謝罪、専門的な医療などの社会支援を受けられるよう、保障することも勧告している。女性家族部のシン・ヒョンスク次官も、8月1日の国会・女性家族委員会全体会議で「この勧告事項を大統領府にも報告した」と述べ、「忠実に履行できるよう確認している」と答えた。
しかし、国会・女性家族委員会所属のイ・ヨンヒ議員(共に民主党)室が女性家族部から提出された「CEDAW勧告事項履行経過」報告によると、女性家族部は4カ月間、この勧告事項に関連する公式会議を一度も開いていなかった。
女性の人権に関する国際的な権利章典ともいえるCEDAWは、締約国に4年ごとに報告書を提出させ、勧告の履行状況について国際的な審議を受けることを規定している。
この件に関して女性家族部の関係者は、イ・ヨンヒ議員室を通じて「来る12月に両性平等委員会(国家両性平等政策基本計画を樹立する委員会)を開催し、該当の案件を審議する」という計画を伝えた。両性平等委員会は、ユン・ソンニョル(尹錫悦)政権発足後、3回しか開催されておらず、それもすべて書面で行われた。そのため、国連の勧告事項も書面で議論されるのではないかという懸念が出ている。
特に女性家族部は、国連会議で出た日本代表の「慰安婦否定」発言に対しても、何の立場も表明していない。
先立って10月9日、女性の人権をテーマに開かれた国連総会第3委員会で、北朝鮮のキム・ソン国連大使が日本側に「日本軍慰安婦問題に対する真摯な謝罪と賠償」を求めた際、日本代表のKAMIYA Masako特別顧問は「日本に対する北朝鮮の発言は誤っており、根拠もない」と反論した。
当時、韓国代表も発言権を得ることができたが、一度も発言せず、沈黙を続けたことで議論が広がった。
これに対し、国会でも韓国政府に「なぜ反論しなかったのか」と抗議したが、外交部は「2015年の韓日慰安婦合意が両国間の公式合意」とし、国際舞台での批判を控えるべきだという趣旨の回答をした。慰安婦被害者支援事業を担当する主務省庁である女性家族部も、無言のままだ。
政界では、女性家族部が国際機関の勧告事項を履行する意志はもちろん、本来の役割すら果たせていないとの指摘が相次いでいる。イ・ヨンヒ議員は『時事ジャーナル』に「国連も被害者支援と日本政府の謝罪を求めている状況で、政府が日本の発言に対して何の抗議もしていない」と述べ、「慰安婦被害者支援事業を行う省庁(女性家族部)の首長はどう考えているのか尋ねたい」と批判した。
結局のところ、女性家族部の「長官職」が最長期間にわたり、空席のまま放置されていることが根本的な原因であるとの指摘もある。
イ議員は「ユン・ソンニョル政権は歴代最長期間、長官職を空席のまま放置しており、主要局長のポストさえ空けている」とし、「新たな事業を推進する意志も、国連の勧告事項を履行する意志も見られない。その間に韓国の女性政策は30年も後退している」と声を上げた。
(記事提供=時事ジャーナル)
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