韓国に“人口絶壁”時代が迫っている。
アメリカの経済学者ハリー・デント(Harry Dent)は、「韓国は3年後、“人口絶壁(Demographic Cliff)”に直面し、経済不況を迎える可能性が高い」と予測した。
人口絶壁とは、国家人口統計グラフが急激に下落する現象のこと。人口絶壁に至ると15~64歳の生産年齢人口が激減し、大々的な消費萎縮が起きる。今年で生産年齢人口が最高値に達した韓国は、これから人口絶壁を迎えるというわけだ。
「地球上で真っ先に消え去る国は韓国」と指摘したのは、イギリスのオックスフォード人口問題研究所。韓国国会立法調査庁も、このまま少子化が進む場合、2136年の韓国の人口は1000万人で、2750年には消滅すると予想している。
韓国メディア『メイル経済』は、「国家消滅可能性世界1位…韓国は沈没中」という記事で、人口絶壁が目前に迫った理由をこう分析した。
「人口絶壁の大きな原因は、若い世代の“出産ストライキ”だ。若者はなかなか定職を見つけられず、自分の口を糊することだけで精一杯。その結果、恋愛や結婚、出産を諦めてしまう」
また、韓国政府の政策にも問題があると指摘する。
「政府は、ただ正規職の人間が特権を放棄し、それを若者たちに譲れと言っている。また、ここ10年で151兆ウォン(約15兆円)を注いだ育児政策もまったく効果が現れず、出生率は世界198カ国のうち196位だ」
「人口絶壁を20年先行した日本から学ぶ」という記事を掲載した『Money Today』は、「日本は1996年に生産年齢人口が減少しはじめ、2008年からは総人口も減少している。韓国も2030年から総人口が減少し、日本と同じく不動産市場に不況が訪れ、経済が停滞する可能性が高い」と、危機感を表した。
韓国の各メディアは「人口絶壁、このままじゃダメだ」「始まった人口絶壁の恐怖」「人口絶壁は国家存亡の危機」といった見出しを並べて、迫っている“人口絶壁”を懸念しているが、具体的な方策はまだ示していない印象だ。
少子化、高齢化、人口絶壁。韓国には大きな課題が待ち受けている。
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