補償金の二重取りなど「5・18(光州事件)を利用してきた人物」を“国民代表”に?韓国政府に関連団体が怒り

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光復節(8月15日)に行われる「第21代大統領国民任命式」で李在明(イ・ジェミョン)大統領に任命状を授与する国民代表80人の名簿が確定したなか、「5・18記念財団」をはじめとする「五月団体」が「誤った5・18代表出席者の選定を正せ」として緊急声明を出す計画であることがわかった。

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「5・18」とは、1980年5月18日から27日にかけて韓国の光州(クァンジュ)市で起きた「光州事件」=「5.18光州民主化運動」を指す。

さらに、これらの団体は、韓国政府が国民代表の招待名簿を作成する過程で、法的な正式名称を守らなかったり、招待対象者の個人情報を誤記したりした点についても指摘し、政府と国会に異議を申し立てたことが確認された。

8月14日、『時事ジャーナル』の取材を総合すると、△5・18記念財団 △(公法団体)5・18民主化運動負傷者会 △(社)五月母の家 △(社)5・18民衆抗争機動打撃隊同志会 △(社)5・18ソウル記念事業会の5つの主要五月団体は、国民任命式の招待対象にパク・ヨンスン氏と、アン・ビョンハ人権学校のアン・ホジェ代表が含まれたことや、政府の招待名簿作成過程で一部に誤りがあった点について糾弾する声明を発表する予定だ。

パク・ヨンスン氏は1980年5月27日午前2時30分、全羅南道庁1階の状況室横にある放送室で、死を目前にした市民軍の状況を街頭放送で最後まで知らせた当事者だ。しかし、国民任命式を主催する行政安全部が、パク氏の推薦理由として彼女を「5・18光州民主化運動犠牲者遺族」と誤って表記していたことがわかった。

李在明大統領
(写真=国会写真記者団)李在明大統領が大統領候補当時の5月18日、光州・北区の国立5・18民主墓地で行われた「第45回5・18民主化運動記念式」に出席

また、その過程で政府が「5・18民主化運動」という法的な正式名称ではなく、「5・18光州民主化運動」という表現を使用した点についても、五月団体は問題視している。五月団体は「わざわざ『光州』を入れて特定地域に限定するような命名は、行政安全部がいかに5・18について無知であるかを示している」と声を強めた。

「5・18精神の歪曲」と「二重補償問題」

これらの団体は、パク・ヨンスン氏とアン・ホジェ代表が5・18代表としての資格を備えているかについても疑問を呈した。

アン・ホジェ代表は、5・18民主化運動当時、警察の武力鎮圧を拒否して光州市民を守った故アン・ビョンハ元治安監の息子だ。ただし、団体側の説明によると、アン・ホジェ代表は5・18功労者として認定され、それに伴う補償金を受け取った後、5・18功労者の資格を放棄し、国家有功者に資格を移して父の殉職者認定に伴う退職金や年金、補償金を二重に受け取ったという。

団体は「アン・ホジェは1980年当時、戒厳司令部の発砲・鎮圧命令を拒否した父、アン・ビョンハ全南道警局長が5・18功労者として認定され補償金を受け取った」とし、「2017年に故アン・ビョンハ局長が『今年の警察英雄』に選定されて治安監に昇進し、2022年に議員免職が取り消されたことに伴い、5・18功労者を放棄して国家有功者に資格を移し、父の殉職者認定に基づく退職金、年金、補償金を受け取った」と説明した。

さらに「しかし監査院の指摘通り、二重補償を解消するために5・18補償金を返還すべきだったが、これを拒否したことで5・18功労者の不正と誤解される状況を招いた」と批判した。

パク・ヨンスン氏については、「『遺族』と誤記されたパク・ヨンスンは、1980年5月27日の道庁での最後の抗争で市民に呼びかける放送を行った人物ではあるが、その後45年間、5・18の精神を守る努力をどれだけしてきたのか振り返る必要がある」と述べ、「特に一昨年、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権下で反省のない特戦司同志会と組み、一部の5・18関係者が行った『偽の国民和解ショー』の先頭に立ち、5・18精神の根幹を揺るがし、5・18同志たちの総意を歪曲する暴挙を犯した」と指摘した。

団体は、政府の検証手続きについても、「5・18被害者が最も憤る点は、この2人が5・18を代表する立場にないにもかかわらず、45年間にわたり5・18精神に傷をつけ、私利のために5・18を利用してきた部分だ。政府は5・18当事者への最低限の確認手続きすら経ずに強行した」と主張した。

五月団体は、指摘した内容について8月13日夜から行政安全部に異議申し立ての連絡を入れたが、行政安全部は「招待人事の問題について内部で検討する」という趣旨の回答をしたという。

また、国会行政安全委員会側も、式典まで残り1日しかない時点で名簿を変更するのは現実的に難しいという趣旨の立場を五月団体に伝えたとされる。

(記事提供=時事ジャーナル)

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