大学の講義中に日本軍慰安婦について「売春」と発言し、名誉毀損の容疑で裁判を受けていたリュ・ソクチュン元延世大学教授の無罪が確定した。
2月13日、韓国最高裁(オ・ソクジュン大法官)は「原審の無罪判決には、論理や経験の法則に反し、自由心証主義の限界を超えたり、名誉毀損罪の成立に関する法理を誤認したりした誤りはない」として、名誉毀損の部分について無罪を宣告し、原審判決を確定した。
リュ元教授は2019年9月19日、延世大学の専攻科目『発展社会学』の講義中に、学生約50人の前で「日本軍慰安婦の女性たちは、売春に従事するために自発的に慰安婦になった」と発言した。
また、「挺対協(韓国挺身隊問題対策協議会=慰安婦支援団体)が、慰安婦の女性たちに強制動員されたと証言するよう指導していた」とする趣旨の発言をし、論争を巻き起こした。
先に行われた1審と2審の裁判では、リュ元教授の慰安婦に関する「売春」発言については無罪と判断されたが、挺対協に関する発言の一部については有罪判決が下された。
裁判部は、慰安婦に関する「売春」発言を無罪とした理由について、「被害者個々に関する具体的な事実の陳述とは見なしがたく、表現の自由を尊重すべきだ」と説明した。
また、挺対協が北朝鮮と連携しているとする発言については、「挺対協の政治的理念や活動に関する意見の表明、もしくは評価に過ぎない」と判断した。
しかし、「証言の強要」に関する発言については、「被告の発言は『挺対協が強制動員に関する虚偽の証言をするよう慰安婦たちを教育し、慰安婦たちが事実と異なる証言をしている』とするものであり、名誉毀損罪における『事実の適示』に該当する」と認定した。
さらに「被告の立場や発言の経緯、内容、それによって侵害された挺対協の社会的名誉の程度などを考慮すると、その罪質は悪質である」とし、罰金200万ウォン(約21万3000円)を言い渡した。
リュ元教授と検察の双方が上告したが、最高裁は原審の判断を支持した。
この最高裁の判断を受けて、「正義記憶連帯」(旧・挺対協)が声明を発表し、「今回の判決は結果的に、リュ・ソクチュンの日本軍『慰安婦』被害事実否定行為に免罪符を与えたものだ」と指摘した。
また、「ドイツをはじめとするヨーロッパのほとんどの国では、ホロコーストや反人道的犯罪を否定する行為が人間の尊厳を侵害し、集団への憎悪を引き起こすものと判断され、表現の自由の保護対象から除外され、厳しく刑事処罰されている」と述べ、「今回の判決によって裁判所は被害者の人権を守り、法的正義を確立する機会を自ら放棄した」と批判した。
そして「歴史的真実を否定し、歪曲する者たちを阻止し、被害者の名誉を毀損する行為を厳しく処罰できるよう、『日本軍“慰安婦”被害者保護法』の改正が必要だ」と主張した。
なお、韓国では最近、著書の中で慰安婦被害者を「自発的な売春婦」と表現したパク・ユハ世宗大学名誉教授に対し、慰安婦被害者9人が提起した損害賠償訴訟の控訴審でも、原告敗訴の判決が言い渡されている。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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