韓国・大邱(テグ)の病院で、新生児を虐待したとして看護師3人が検察に送致された。SNSに投稿された暴言をきっかけに発覚し、大きな波紋を呼んでいる。
大邱警察庁は7月29日、大邱カトリック大学病院の新生児集中治療室(NICU)に勤務していた看護師3人を、児童福祉法違反(身体的虐待)および児童虐待処罰法に基づく加重処罰の疑いで書類送検したと発表した。
3人は2024年10月から2025年3月にかけて、同病院NICUに入院していた新生児たちを繰り返し虐待した疑いが持たれている。
主犯格とされるAは、入院中の新生児を膝に乗せて撮影した写真に「落下させたくてたまらない」といった趣旨の文章を添え、自身のSNSに投稿。ほかにも、別の看護師たちが以下のような暴言を投稿していたことが明らかになっている。
「叫び声をあげてるから、明日には退院できるわね。来てすぐムカついたから拘束した」
「性悪説が正しい理由。他の赤ちゃんは静かなのに、この子だけ出勤してからずっと抱っこをせがむ」
「本当に性格が悪い。○○みたい」
これらの投稿を見た保護者が2024年4月に警察に告発。警察はAのスマートフォンを押収し、本格的な捜査に着手した。その結果、共犯として他の2人の看護師も立件された。
警察の調べによると、虐待行為はいずれも監視カメラが設置されていないNICU内で行われていたという。
当初、警察は看護師5人を調査対象としていたが、SNS上の書き込み以外に明確な関与が認められなかった2人については不起訴相当と判断。警察関係者は「投稿に“いいね”やコメントをしただけでは、虐待とは見なせない」と説明した。
なお、被害に遭った新生児の具体的な人数など詳細については「捜査上の理由により非公開」としている。
また、警察は主犯Aに対して逮捕状を請求したが、裁判所は「証拠は確保されており、出頭にも応じている」としてこれを棄却した。
病院側の責任についても捜査が行われたが、警察は大邱カトリック大学病院に対して不起訴処分とした。理由としては、「病院は虐待防止教育を適切に実施しており、送検された看護師たちも修了証を所持していたため、管理責任を問うのは難しい」としたほか、保健当局の調査でも「病院の管理体制が不適切とは判断できない」との結果が出ていたためだという。
事件発覚後、病院は主犯のAを懲戒解雇とし、他の2人の看護師については強制休職処分を下した。また、病院側は公式謝罪動画を制作し、YouTubeチャンネルに掲載する対応を取っている。
(記事提供=OSEN)
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