高齢者人口が全体人口の20%を超えて「超高齢社会」に突入した韓国で、所得基準による高齢者の貧困率が、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最も高いという研究結果が発表された。特に75歳以上の後期高齢者では、老後の所得保障が難しく、年金などによる貧困緩和効果が十分に発揮されていないとの分析だ。
【データ】最悪の貧困率…統計で見る「超高齢社会・韓国」のリアル
国家データ処・国家統計研究院は12月26日、こうした内容を盛り込んだ11本の研究報告書を含む「韓国の社会動向2025」を発刊した。
今年で18回目となる今回の報告書には、人口・労働・住宅・健康・経済など、韓国社会全般にわたる12分野の主要なイシューと分析が収録されている。
「高齢者の所得と資産の貧困」報告書によると、韓国の66歳以上の高齢者の所得貧困率は39.7%で、経済協力開発機構加盟国の中で最も高かった。OECD平均(14.8%)の2倍を超える水準だ。
高齢層全体の貧困緩和効果は、2016年の26.4%から2023年には32.5%へと改善したが、75歳以上の高齢層ではその効果が相対的に乏しいことがわかった。
韓国保健社会研究院のキム・ソンア博士は、「現在の高齢者貧困の底流には75歳以上の高齢者が位置している」とし、「年金のような老後の所得保障体系が十分に成熟していないため、基礎年金のような財政投入が必要だ」と説明した。
健康面でも、75歳以上の高齢者の脆弱性が際立った。
「後期高齢者の健康とケア」報告書によると、75歳以上の高齢者のうち、3つ以上の慢性疾患を有する割合は46.2%と半数近くに達した。年齢の低い前期高齢者(74歳以下・28.5%)と比べると、ほぼ2倍に近い水準である。
疾患別では、高血圧(69.0%)が最も多く、糖尿病、高脂血症、関節炎、骨粗しょう症の順に頻度が高かった。認知症を患う高齢者の割合も15.7%で、前期高齢者(4.6%)の3.4倍に上った。
報告書は「高齢後期には健康や身体・認知機能の低下が顕著に現れる」とし、「健康および身体機能の低下による困難を軽減できるよう、医療とケアが必要だ」と提言している。
(記事提供=時事ジャーナル)
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