小学校で7歳女児を殺害した女性教師ミョン・ジェワン被告(48)に対し、検察が控訴審でも死刑を求刑した。
12月17日、韓国法曹界によると、同日、大田(テジョン)高裁・刑事1部(パク・ジンファン部長判事)の審理で開かれた特定犯罪加重処罰等に関する法律違反(営利目的誘拐・誘因など)に関する控訴審の結審公判で、検察は原審判決を破棄し、死刑を言い渡すよう裁判所に求めた。
これに先立ち、1審では本件を「現職の小学校教員が勤務先の学校で、わずか7歳の児童を残虐に殺害した前例のない事件だ」と規定。この事件によって国民全体が受けた衝撃と怒りは極めて大きいとして、無期懲役を言い渡していた。
17日の控訴審結審公判では、検察が「被告は子どもにとって最も安全であるべき空間である学校において、自ら保護する義務のある児童を誘い出し、あらかじめ準備していた刃物で殺害した。それにもかかわらず、いまだに心神耗弱を主張している」と主張。
「被害児童の状態を直接確認した捜査検事として、これまで多くの亡くなった人を見てきたが、被害児童の姿は、私が死ぬまで決して忘れることはないと思う。子どもの手に骨の断面が露出するほどの防御痕があった点から、激しい苦痛の中で、素手で刃物を防ごうとしたことが分かる」とし、「反省文を何度も提出しているが、本当に反省しているのか疑問だ。法定最高刑である死刑を言い渡してほしい」と訴えた。この際、求刑理由を説明していた検事は涙を見せる場面もあった。
また検察は、2審においても被告側が心神耗弱を理由に減刑を主張していることについて、「心神耗弱を認めた裁判所の鑑定結果は、被告の意図によって歪められた可能性が高い」とし、「鑑定結果は裁判所の判断を拘束するものではない以上、独自に判断してくれると信じている」と述べた。
検察は、被告の心神耗弱を認めた鑑定結果に反論するため、法医学の専門家など専門委員の意見書を追加証拠として提出した。
これに対し、被告の弁護人は「弁護人である前に、一人の市民として冥福を祈る」としたうえで、「心神耗弱を認めた鑑定結果や、現在被告が薬を服用しながら症状が改善している点などを踏まえ、心神耗弱の有無を改めて判断してほしい」と主張した。
被告は最終陳述で、「自分のせいで幼い命が失われたことについて、非常に申し訳なく思っている」としながらも、「しかし、子どもを刺した場面についてはまったく記憶がなく、あれほど残虐に殺害したということ自体が理解できない」と述べた。
これに対し検察は、被告が犯行前後の状況を詳細に記憶している点から、心神耗弱の状態ではなかったと判断している。これについて被告は、「犯行前のことは記憶があるので、詳しく話しただけだ」と釈明した。
裁判所は、来年1月16日に被告に対する2審判決を言い渡す予定だ。
ミョン・ジェワン被告は今年2月10日、自身が教員として勤務していた大田市西区所在の小学校で、放課後に帰宅しようとしていた女子児童のキム・ハヌルさんに「本をあげる」と声をかけ、視聴覚室に誘い込んだうえで殺害したとして起訴されている。
(記事提供=時事ジャーナル)
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