「地獄を命懸けで脱出したような意味が…」“脱北者”の呼び方めぐる韓国の議論 政府は変更検討も一部団体が反発

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韓国統一部は12月23日、「脱北民」という呼称を「北鄕民」に変更する案について、「できるだけ早い時期に結論を出し、(推進して)いく計画だ」と明らかにした。

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統一部関係者は同日の記者会見で関連の質問を受け、このように答えた。

これに先立ち、統一部のチョン・ドンヨン長官は19日、李在明(イ・ジェミョン)大統領に来年度の業務計画を報告する場で、「北朝鮮離脱住民」や「脱北民」に代わって「北郷民」という表現を用いた。

チョン長官は当時、「脱北者を北郷民に名称変更する意見を取りまとめているところだ」とし、「脱北民たち全員が、従来の名称である『脱北者』という呼称に強い拒否感を示しているのが事実だ」と説明した。

これを受け、李大統領とキム・ミンソク首相も業務報告の場で「北郷民」という用語を使用した。統一部は呼称変更をまだ正式に確定したわけではないが、幹部会議など内部では「北郷民」に置き換えて使用していると伝えられている。

ただし、「脱北民全員が現在の呼称に強い拒否感を示している」とするチョン長官の発言とは異なり、一部の北朝鮮離脱住民団体は、呼称変更に対して公然と反発している。今年9月、統一部は脱北民呼称変更の検討を公論化し世論調査を実施したが、その結果はまだ公表されていない。

北朝鮮
(写真提供=OSEN)

脱北民出身の「国民の力」パク・チュングォン議員と北韓民主化委員会など8つの脱北民団体は、昨年9月に国会で記者会見を開き、「『脱北民』という用語には、地獄のような北朝鮮を命懸けで脱出したという意味が含まれている」として、脱北民という名称の変更検討を撤回するよう求めていた。

政府は、「北郷民」という表現を採用して全面的に施行する前に、共感の輪を広げるため、まず政府レベルで使用する案も検討している。

(記事提供=時事ジャーナル)

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