日本では「摂理」の名で知られる韓国の宗教団体「キリスト教福音宣教会(JMS)」の総裁、チョン・ミョンソク氏(79)の懲役17年が確定したなかで、被害者の女性が心境を明かした。
チョン氏から性的暴行の被害を受けた香港国籍のメープルさん(30)が1月9日、ソウルの韓国カンファレンスセンターで開かれた記者会見に参加した。
メープルさんは、全身黒い衣装を身にまとい報道陣の前に姿を現した。彼女が「オールブラック」の服装で登場したのは、JMSへの抵抗を示す意味が込められている。JMSは黒を悪魔の色とみなし、信者に黒い服を着ないように指導しているためだ。
記者会見でメープルさんは「長い闘いの末、ようやく答えが出た。正義が存在することを知った」と話した。
彼女は「これで今後、新たな被害者が出ないと信じられるので良かった」とし、「香港ではこの件のために精神的にも辛い思いをしてきた。ニュースが広まるなかで職を見つけることができず、将来の進路にも行き詰まっていた。それでもすべてが終わったので、これから新たに始められると思う」と語った。
記者会見には、JMSの被害者支援をしてきた檀国(タングク)大学キム・ドヒョン教授と、メープルさんも出演したNetflixドキュメンタリー『すべては神のために:裏切られた信仰』を演出したチョ・ソンヒョンPDも参加した。
キム教授は、1審で懲役23年の判決を受けたチョン氏が2審で17年に減刑されたことについて、「性暴行犯が性的暴行を行ったのに、証拠が30件から29件に減ったという理由で刑が軽くなるのは納得できない」と述べ、「犯罪行為を基に判決を下すべきであり、証拠の数で刑の長さが変わるのはおかしい」と反論した。
また、他の被害者の裁判状況について「現在、大田(テジョン)地裁で10人の被害者に関する裁判が進行中」とし、「まだ9人の被害者が残っているが、そのうち7~8人に関する事件が忠南警察署から起訴意見として近日中に送致される見込みだ」と伝えた。
チョPDは「“なぜ外国人女性がこの問題に立ち向かわなければならなかったのか”という問いを投げかけたい」と述べ、「私たちの社会が性的被害を受けた女性にどれほどの烙印を押してきたのかを考えさせられる。皆がどれほど辛い思いで戦ってきたのか、知ってほしい」と語った。
なお、韓国最高裁・第2部(オ・ギョンミ大法官)は同日、準強姦および強制わいせつなどの容疑で起訴されたチョン氏の上告審で、懲役17年を言い渡した原審判決を確定した。
チョン氏は2018年2月から2021年9月まで、忠清南道・錦山郡(クムサングン)にある修練院などで、23回にわたり香港・オーストラリア国籍の女性信者や韓国人女性信者を性的暴行およびわいせつ行為を行った疑いで拘束・起訴されていた。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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