韓国で尹錫悦（ユン・ソンニョル）前大統領の夫人の請託疑惑を捜査中の検察が、旧統一教会（世界平和統一家庭連合）の元幹部が夫人への贈り物の名目で、巫俗人（シャーマン）に渡した高級ブランドバッグ2点を特定した。
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5月26日、法曹界などによると、ソウル南部地検・仮想資産犯罪合同捜査部（パク・ゴヌク部長検事）は、旧統一教会の元幹部ユン氏が2022年4月と7月に巫俗人の“コンジン法師”ことチョン・ソンベ氏にそれぞれ渡したシャネルのバッグ2点を、当時約800万ウォン（日本円＝約83万円）で取引された「トップハンドルフラップバッグ」と、約1270万ウォン（約133万円）の「クラシックラージハンドバッグ」であると特定した。
このバッグ2点は、ユン氏が旧統一教会の民願を請託するためにキム・ゴンヒ夫人へ渡そうとしていた贈り物で、現在は「トップハンドルフラップバッグ」が約1100万ウォン（約115万円）、「クラシックラージハンドバッグ」が1670万ウォン（約174万円）に達すると伝えられている。
検察は、このバッグ2点がキム・ゴンヒ夫人の随行秘書であるユ・ギョンオク前大統領室行政官に渡され、製品交換を経てキム・ゴンヒ夫人側に渡されたと見ている。
実際、ユ前行政官はシャネルの店舗を訪問し、追加料金を払ってバッグ2点を別の製品に交換したとされている。
検察は最近、ユ前行政官とチョン氏を召喚し、交換されたバッグ2点の行方を尋ねたが、ユ前行政官はバッグの交換について「チョン氏の使いとして動いただけだ」と供述。チョン氏も「他の人にプレゼントしようと、ユ氏に追加料金を払って交換するようにさせた」と主張した。
しかし検察は、ユ前行政官がキム・ゴンヒ夫人が「コバナコンテンツ」なる企画会社を運営した頃の元社員であり、尹前大統領の当選後には大統領夫人を補佐する大統領室第2付属室の行政官としても勤務した点などを踏まえ、キム・ゴンヒ夫人とは関係なく独自で製品を交換した可能性は低いと見ている。
これに先立ち、検察は最近、尹前大統領の私邸であるソウル瑞草区（ソチョグ）瑞草洞の高級マンション「アクロビスタ」やコバナコンテンツの事務室、ユ前行政官の自宅と携帯電話、大統領室第2付属室行政官出身のチョ氏の住居、シャネルコリアなどを家宅捜索した。
検察はシャネルのバッグ2点の行方を突き止めるため、近日中にユ前行政官などキム・ゴンヒ夫人関連の側近らを再召喚する方針だ。また、キム・ゴンヒ夫人に対する直接捜査も検討している。
キム・ゴンヒ夫人側はシャネルのバッグを授受した疑惑について、「コンジン法師らからシャネルのバッグなどを受け取った事実はない」とし、「一部の事実関係だけを抜粋し、事実関係を歪曲する報道に対しては遺憾を表する。メディア各社はこの事件と関連した推測性の報道を自制するよう要請する」と明らかにしている。
（記事提供＝時事ジャーナル）
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