韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が逮捕されたなかで、その妻であるキム・ゴンヒ大統領夫人も“学位”取り消しの危機に直面している。
淑明女子大学が最近、キム・ゴンヒ夫人の修士論文を「盗用」と暫定的に結論付けたことに続き、国民大学が博士学位の取り消しを検討していることが明らかになった。
1月15日、『韓国日報』によると、国民大学のイ・ウンヒョン対外協力処長が「淑明女子大学が修士論文の検証結果を基に修士学位を最終的に取り消す場合、キム氏の博士学位の維持について審議する計画だ」と明らかにした。
キム・ゴンヒ夫人の修士学位が取り消されると、博士学位授与の要件が失われ、再審議を避けることはできない。国民大学大学院の学則では、博士課程に入学するためには修士学位を取得するか、それと同等以上の学歴が認められる必要がある。
先立って、淑明女子大学の研究倫理誠実性委員会は12月末、キム・ゴンヒ夫人の修士論文を「盗用」と結論付け、その結果を通知した。
その修士論文「パウル・クレーの絵画の特性に関する研究」では、ドイツの画家パウル・クレーについて、「絵画作品をまるで家のように教えた」「内容が本質であるという考えを捨てなかった」といった説明があったが、この内容は、論文より4年前に出版された翻訳書の記述と一致していたとされる。
しかしキム夫人側は、郵便とメールで2度送られた「盗用」の通知をいずれも受け取り拒否したという。被調査者であるキム夫人および論文不正行為を最初に知らせた通報者が30日以内に異議申し立てを行わなければ、結果が確定する。
では、博士論文はどうだろうか。キム・ゴンヒ夫人は2008年、国民大学で「アバターを利用した運勢コンテンツ開発の研究」という論文で博士学位を取得した。
しかし、その論文も報道記事やブログ、企業の事業計画書を盗用した疑惑が提起された。「会員維持(“維持”は韓国語読みで“ユジ”)」を「member Yuji」と記載するなどの誤りが、大きな話題を呼んだ。
また、論文の内容にも注目が集まった。そこには、アバターの顔相をもとに相性や好感度を算出するという内容が記載された。例えば、「ハゲた男性はしゃくれた顎の女性と相性が良い」「鼻の穴が大きい男性は口が大きく突き出た女性と相性が良い」といった具体例が示されていたが、明確な根拠や出典は記されていなかった。
ただ国民大学は2022年8月、「論文の質の問題は研究不正には該当しない」とし、再審査の可能性を否定したことがある。
オンライン上では「盗用などではなく、なぜこの内容で博士を取れたのか」「どちらの大学も本当に論文を精査したのか」「今さら落ち目だからと取り消すのか」「博士の学位をYuji(維持)するのは無理がある」といったコメントが寄せられた。
キム・ゴンヒ夫人の学位問題がどのように決着するのか。そして、夫婦そろって窮地に立たされたこの事態が、韓国社会にどのような影響を及ぼすのか、今後の動向に注目が集まる。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
■逮捕された尹大統領は今後どうなるのか…「黙秘権を行使する可能性が高い」
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