“人口絶壁”危機の韓国に変化の兆し?30代前半女性の出生率上昇が顕著、“子を産む決断”を後押しするもの《韓国経済誌の視点》

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OECD(経済協力開発機構)加盟国で合計特殊出生率が最下位にある韓国において、2024年に続き2025年も出生率上昇の動きが見られており、人口絶壁の危機に変曲点を迎えている。

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こうした動きをめぐっては「一時的な現象にすぎない」とする悲観論と、「人口構造変化の始まりだ」とする楽観論が交錯している。どの見方が正しいかは今後を見守る必要があるが、一つ確かな事実は、「少子高齢化」の崖っぷちに立たされている韓国社会が2024年から流れを掴み、2025年には明確に変化の号砲を打ち上げたこの出生率上昇の流れを、新しい年にも必ず継続させなければならないという点だ。

果たして2026年も、韓国は出生率の上昇傾向を維持できるのだろうか。本サイト提携メディア『時事ジャーナル』では最近、新年企画として日本の千葉県流山市を訪れたが、これも好例を探すためだった。

流山市では出生率上昇が続いており、日本の自治体の中で人口増加率6年連続1位という目覚ましい成果を上げている。韓国より10年以上早く人口構造の変化を経験してきた日本が成し遂げた劇的な変化から、韓国社会の人口構造を左右することになる今後5年間というゴールデンタイムの方向設定に対する「ヒント」を得ることができるはずだ。

婚姻件数も増加傾向

国家データ処(旧・統計庁)によると、2024年の韓国の合計特殊出生率は0.75人で、2023年(0.72人)より0.03人上昇した。合計特殊出生率が上昇したのは2015年以降9年ぶりだ。まだ統計は確定していないものの、2025年には0.8人(推定値)を記録すると予想されており、2年連続の上昇は事実上確実な状況となっている。

専門家たちは、この流れを「エコブーム世代」が主導していると分析する。第2次ベビーブーム世代(1964~74年生まれ)の子ども世代で、1991~96年生まれに当たるこの世代が本格的に結婚と出産を始めたことで、出生率が反発したという見方だ。

年間平均およそ70万人が出生したエコブーム世代は、出生率の急激な低下が始まった2000年以降の出生者と比べ、その数が相対的に多い。そのため、彼らの結婚と出産は韓国の人口構造に大きな影響を及ぼす。

実際に、エコブーム世代に当たる30~34歳女性の年齢別出生率(当該年齢の女性人口1000人当たりの出生児数)は、2023年の66.7人から2024年には70.4人へと上昇し、2025年には72.0人以上を記録すると予測されている。一方で、25~29歳の年齢別出生率は2023年の21.4人から2024年には20.7人へと低下しており、エコブーム世代が全体の出生率反発を牽引していることがわかる。

出生の先行指標である婚姻件数も増加傾向を示している。2024年の国内婚姻件数は約22万2000件で、前年より14.8%増加したが、これは1970年に統計を作成して以降、最大の増加率だ。

写真はイメージ
(写真=サーチコリアニュース編集部)

2025年も増加傾向は続く見通しだ。統計庁は11月の人口動向を発表し、2025年の年間累計婚姻件数が前年より約12%以上増えると見込んでいる。最近の各種世論調査で、20~30代が「結婚と出産は個人の選択だが、条件が整えば考える」と答える割合が上昇しているが、これが実際の統計によって裏付けられた形だ。

婚姻件数の増加には、政府による新婚夫婦中心の住宅供給や「6+6育児休業」(両親の順次または同時の育児休業を推奨)、中央政府および地方自治体の出産奨励政策が相当な影響を与えたという評価が出ている。結婚せずに子どもを産む「非婚出産」(2024年5.8%で過去最高)に対する社会的認識が変化したことが、エコブーム世代の出産決断を後押しする触媒になったという分析も相次いでいる。

しかし、2年連続の上昇傾向にもかかわらず、韓国の出生率は依然としてOECD最下位水準にある。2024年の統計基準で、韓国はOECD諸国の中で唯一、合計特殊出生率が1.0人未満の国であり、平均値である1.37人とも依然として大きな隔たりがある。

出生率低下の核心的背景とされる雇用不安や女性のキャリア断絶、私教育費負担、高い住宅費用といった構造的問題は依然として解消されていない。専門家たちは、社会の構造的問題が解決されなければ、出生率は2027~28年に再び下落に転じる可能性が高いと指摘する。

「2000年代初頭にも一時的な反発はあった」

出生率の上昇は、コロナ禍で先送りされた結婚が2024年と2025年に集中して起きた一時的現象にすぎないという分析も出ている。

ソウル大学経済学部のイ・チョルヒ教授は、「(出生率上昇には)比較的短期的な人口要因が重要に作用した可能性が大きいように見える」とし、「コロナ期間に結婚を先送りしていた人々が結婚を始め、婚姻件数が増えたが、新婚期には子どもを多く産む傾向があるため、これが出生児数を増やす要因として作用したと判断される」と述べた。

続けて「2000年代初頭にも出生児数と結婚件数が大きく減少した後、反発したことがある」とし、「しかし、その反発は長く続かなかったため、再び同様の結果が現れる可能性がある」と説明した。

さらに同教授は、出生児数を増やした要因である30代女性人口の増加も近く減少局面に転じ、出生児数を減少させてきた構造的要因である雇用・教育・住宅などの問題が明確に改善されていないことから、最近見られる出生児数の反発がどれほど持続するかは不透明だと分析した。

教授の説明どおり、過去にも1988年、2000年、2007年、2012年、2015年と合計特殊出生率の上昇は計5回あったが、いずれも1年前後の一時的現象に終わった。

それでも今回は2年連続で続いており、状況も比較的良い方とされる。にもかかわらず、「“今回の上昇は当時と違う”と保証できない」という声が出る理由は、若い夫婦が出産をためらう社会・経済的要因に大きな変化がないためだ。特に最近の不動産価格の高騰、高物価圧力、懸念される経済指標、慢性化した私教育問題などが、ようやく芽生えた出産への決断に冷水を浴びせかねないだけに、よりきめ細かな対応が求められている。

李在明(イ・ジェミョン)大統領は昨年12月16日、保健福祉部の業務報告で「子どもを産み育てることが苦痛ではなく、幸せになれるようにすることが重要だ」と述べた。2年連続の出生率上昇という「奇跡」が起きた今こそ、政府がこの反発を一時的現象ではなく長期的な流れへと転換できる「最後のゴールデンタイム」なのかもしれない。

(記事提供=時事ジャーナル)

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