韓国・光州(クァンジュ)で行われた尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾賛成集会で、尹大統領夫妻の顔が合成された、いわゆる「ディープフェイク映像」が再生された件について、光州の市民団体が「公式に許可したものではない」との立場を明らかにした。
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2月17日、170以上の市民団体が集まる「尹錫悦政権の即時退陣・社会大改革 光州非常行動」(以下、光州非常行動)は声明を発表し、「2月15日の集会で尹大統領夫妻のディープフェイク映像が上映されたという報道が広がっているが、公式に許可したものではない」と説明した。
続けて、「該当の映像を上映したユーチューバーは公式に招待した団体ではなく、集会会場でのトラックの配置についても調整した事実はない」としたうえで、「むしろ市民の問題提起によって映像が消されたことも確認されている」と指摘した。
また、「事実関係を確認せず、あたかも集会で問題の映像が上映されたかのように報道するのは、市民に対する侮辱的な名誉毀損にあたる」と批判した。
さらに、「20回以上の集会を続けるなかで、差別やヘイトのない集会を作るために努力してきた」と述べ、「内乱扇動から民主主義を守るために集まった市民や団体の意思を歪める行為は直ちにやめてほしい」と求めた。
先立って光州非常行動は2月15日、光州・東区の錦南路(クムナムノ)で弾劾反対集会に対抗する形で、「第14回市民総決起大会」を開催した。しかし、集会の現場で尹大統領夫妻を性的に貶める内容のディープフェイク映像が流されたとの議論が浮上した。
これに対し、大統領室は2月16日に発表した声明で、「現職大統領夫妻への嘲笑を超えた深刻な人格侮辱と人権侵害、ディープフェイクを利用した犯罪行為に怒りを禁じ得ない」とし、「映像の制作および流布に関与した者に対し、厳しい法的対応を含むあらゆる措置を取る」と予告した。
(記事提供=時事ジャーナル)
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