第21代大統領選挙の投開票日を迎えたなか、「共に民主党」李在明(イ・ジェミョン)大統領候補の司法リスクが再び注目を集めている。
李在明候補が抱える複数の裁判のうち、最大の危機とされる公職選挙法違反事件の破棄差し戻し審が、6月18日から行われる予定だからだ。李在明候補が「上告審(大法院=最高裁)は本来、棄却されると聞いていた」と言及したあの事件だ。
予想とは異なる最高裁の宣告後、「共に民主党」は「大統領当選時に裁判を停止する」ことを骨子とする刑法改正案を推進し、大統領選後にそれを処理する可能性が取り沙汰されていた。
このように李在明候補と直結する改正案の処理を阻止するための集団訴訟が始まるなど、大統領選後の立法手続きにおいても論争が続くと見られている。
『時事ジャーナル』の取材を総合すると、「共に民主党」は李在明候補に関連して大きく二つの改正案を推進中だ。
その一つが、国会法制司法委員会所属のキム・ヨンミン議員が5月2日に代表発議した刑法改正案である。最高裁全員合議体が李在明候補の選挙法違反事件について無罪を言い渡した原審を覆し、有罪の趣旨で差し戻した翌日に出された案だ。
李在明候補は第20代大統領選挙の過程で当選を目的に、大庄洞(テジャンドン)・白峴洞(ペクヒョンドン)開発優遇疑惑に関連し虚偽事実を公表した容疑(選挙法違反)で、2022年9月に起訴された。
2024年11月15日の1審では、李在明候補に対し当選無効となる懲役1年、執行猶予2年の判決が下され、今年3月26日の控訴審では無罪判決が言い渡された。
「共に民主党」が推進中の刑法改正案は、5月7日に国会法制司法委員会で修正可決された。大統領に当選した被告人の場合、刑事裁判の手続きを停止するというのが骨子だ。
憲法第84条は、大統領は内乱または外患の罪でなければ在任中に刑事訴追を受けないと規定しているが、この「刑事訴追」の概念を公訴提起にとどまらず、進行中の裁判にも拡張するという趣旨である。該当条文の立法背景が、大統領の安定的な国政運営を目的としていることから、それを根拠に曖昧な規定を明確にしようとする理由だ。
法務部はこれに対し、「慎重に検討すべき」という意見を出した。国会会議録によると、法務部は5月7日、法制司法委員会の第1小委員会で「大統領就任前の犯罪は、大統領でない状態で犯した犯罪であり、大統領の職務遂行とは無関係であるにもかかわらず、公判手続きの停止対象とすることは、公職の資格要件を厳格に制限する関連法律を無力化し、資格のない被告人に不当に任期を保障する結果をもたらす」とし、「大統領職が犯罪の逃避手段に転落する懸念があり、憲法擁護義務を負う大統領の地位とも相反する側面があり、国民の信頼を損ない、大韓民国の対外的な信頼性および国格にも悪影響を及ぼすだろう」と述べた。
これだけではなく、選挙法も改正対象となっている。
「共に民主党」のパク・ヒスン議員(2024年11月14日)に続き、シン・ジョンフン議員も5月2日、当選目的での虚偽事実公表の処罰条項を削除する趣旨の改正案を代表発議した。憲法上の表現の自由を最大限保障しつつも、選挙の公正性を損なう重大な虚偽事実の公表のみを処罰しようというものだ。
これもまた最高裁の宣告の翌日に出されたものである。シン・ジョンフン議員が代表発議した改正案は、5月7日に所管の常任委員会である行政安全委員会で可決され、5月14日には法制司法委員会で処理された。
この二つの改正案は、大統領選後に国会本会議で処理されると見られていた。ソウル高裁が指定した破棄差し戻し審の初公判(6月18日)前だ。当初、ソウル高裁は5月15日に初公判を指定していたが、政界で政治的中立性など多くの批判が提起されると、大統領選後に延期された。
これに加え、「共に民主党」の計画が現実化すれば、李在明候補の裁判はすべて「大統領任期終了後」に延期されることになる。
李在明候補は選挙法違反事件のほかにも、▽1審で無罪判決を受けた偽証教唆事件の控訴審、▽イ・ファヨン元京畿道平和副知事(1・2審ともに有罪、6月5日に最高裁宣告予定)と関連するサンバンウル社の京畿道対北朝鮮送金事件の1審、▽京畿道予算流用疑惑に関する1審、▽大庄洞・白峴洞・慰礼・城南FC事件の1審などの裁判も進行中だ。
これに関連した訴訟の動きも始まった。本投票日の2日前である6月1日22時から、国会本会議通過を前提とした二つの改正案に対する憲法訴願および効力停止仮処分の申立準備手続きが始まった。
「共に民主党」の元権利党員ペク・グァンヒョン氏の代理人名義で「李在明防弾法阻止のための憲法訴願および仮処分申請」への同意手続きが進められており、その動きが顕著だ。2日14時時点で、これに同意した人は5500人余りに達している。憲法裁判所には6月4日に提出される予定だ。
李在明候補はこのような状況の中、大統領選を翌日に控えた6月2日午前、YouTubeチャンネル「キム・オジュンの謙虚は難しいニュース工場」に出演し、選挙法違反容疑に対する最高裁上告審の宣告に関連して「私が聞いたところによると、『早く整理しよう』だったそうだ。早く棄却しよう、すっきりと、そうだったそうだ」とし、「ところが、ある日変わったそうだ」と主張した。
李在明候補は「その過程については私が話すのは差し控える」と述べた。この事件は当初、最高裁第2部が担当していたが、チョ・ヒデ大法院長が全員合議体への付託を決定した。
(記事提供=時事ジャーナル)
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