韓国では近年、特別な理由もなく就職活動をせず、家にいる「休止青年」が増加している。
「休止」には、就職の意思がない人や、就職の意思があっても希望する職が見つからないために仕事を探していない人などが含まれている。
韓国統計庁によると、今年8月の「休止」人口は256万7000人で、前年同月比24万5000人(10.6%)増加した。8月としては2003年以降で最多の数字となっている。
問題は、若者が「休止」の増加を牽引している点だ。「休止」人口256万7000人のうち、特別な理由もなく就職活動をしない20代や30代の「休止青年」が74万7000人に達した。前年に比べて10.5%の増加だ。
さらに長期失業者の増加率でも、若者層が最も大きかった。1~8月の若者層の長期失業者は前年より4854人増加し、すべての年齢層の中で最も大きな増加幅を示した。失業者全体の中で若者層が占める割合も32.4%となり、前年(30.6%)よりも増加している。
若者層の経済活動参加率は今年5月以降、4カ月連続で前年同期比0.2~0.8ポイントずつ低下。今年1~8月の若者層人口は819万1000人で、昨年(842万4000人)より23万3000人減少したにもかかわらず、「休止青年」が増加しているのだ。
ただ、そんな「休止青年」が増えるのも仕方がないかもしれない。そもそも韓国では、若者層の雇用の質が低下しているという分析結果が出ているからだ。
韓国雇用情報院は9月30日、2023年の雇用保険などの雇用行政データベース(DB)を用いて、若者層(19歳~34歳)の雇用の質の変化を分析した報告書を発表した。
それによると、若者層の雇用保険取得者数は2018年を境に大幅に増加したが、2016年から2021年にかけて雇用の質指数は持続的に低下する傾向を示したという。
研究者たちは「これは若者層の就職者数が増加していることが、必ずしも若者層の雇用状況が改善していると解釈できるわけではないことを示している。労働市場における量的な就職増加が、必ずしも雇用の質を保証するものではない」と指摘した。
年齢層別でも雇用の質が異なっていることがわかっており、1980年代生まれは出生年が遅いほど雇用の質が高かったが、1990年代生まれのグループは出生年が遅いほど雇用の質が低かった。
また、産業別では、宿泊業や飲食業、芸術・スポーツ・レジャー関連のサービス業など、小規模事業所や零細自営業が多い業種で雇用の質が低いことがわかっている。
中国の「寝そべり族」のように、何もせずに時間を消費し続ける韓国の「休止青年」たち。彼らに希望の光が灯ることを願うばかりだ。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
■自国を“ヘル朝鮮”と揶揄する韓国の若者たち…彼らはなぜ絶望しているのか
前へ
次へ