実の孫娘を妊娠させる、わいせつ動画配信を強要…韓国で“親族間の性犯罪”が絶えないワケ

2018年12月17日 社会
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韓国では近年、親族間の性暴力事件が多発している。

例えば今年10月には、未成年の実の娘3人に7年間に渡って性的暴行を加えたとして、50代男性に懲役20年の判決が下された。

韓国メディアの報道によると、この男性は妻が仕事に出かけた隙を見計らって、自宅で蛮行に及んでいたという。ソウル高等裁判所は判決で、「被告人の行為は、人間として想像することすら難しい“人面獣心”の行為」と言い放っている。

また今年6月には、高校生の娘に睡眠薬を飲ませて性的暴行を加えたとして、50代の父親に懲役4年の判決が下されている。

実の孫娘を2度も妊娠させる…

同様の事件はほかにもある。

昨年には、50代の男性が実の娘にわいせつ行為を働いただけでなく、わいせつ動画をネット配信させたとして逮捕されている。

仁川桂陽(インチョン・ケヤン)警察署によると、この男性は娘が高校2年生だった2012年から昨年11月まで、約6年間に渡って娘にわいせつ行為を働いたという。男性は障害を持つ妻が寝ている隙を見計らって犯行を重ねていた。妻は娘が受けた被害に、まったく気づいていなかったそうだ。

さらに、同年7月からは2カ月間に渡って、成人向けライブチャットへの出演も強要。視聴者の要求通りに服を脱がせて荒稼ぎし、無職のA氏はそのお金を生活費に充てていたらしい。

こんな事件もあった。

30代の韓国人男性は、2016年11月にフィリピン出身の婚約者と、その連れ子3人で生活を開始した。同年末には妻の父、兄、妹もフィリピンから呼び寄せ、自宅で共同生活を送るようになった。

事件は結婚式を4日後に控えた2月14日に起こった。

男は妻をフィリピン国籍の同僚とともにホテルに泊め、明け方に一人で帰宅したのだが、妻の連れ子と寝ていた義理の妹にわいせつ行為を働き、義理の妹が動揺する姿を見ると、力ずくで押さえつけて強姦したという。

男には懲役7年と120時間の性暴力治療プログラムが課せられている。

そのほかにも、実の孫娘に6年間に渡って性的暴行を加え、2度も妊娠させた50代の男性が懲役25年の判決を言い渡されるなど、ショッキングな事件が続いている。

ただ、これらは一例に過ぎない。韓国では親族間の性犯罪が絶えないのだ。

韓国大検察庁が発表した統計によると、類似犯罪の件数は2014年に637件、2015年に688件、2016年に730件と年々増加している。しかも、それはごく一部に過ぎず、性犯罪全体の被害親告率が10%未満といわれるなかでも、親族による被害の親告率は特に低いという結果が出ている。

韓国で親族間の性暴力が絶えないワケ

では、韓国で親族間の性暴力が絶えないのはなぜなのか。

韓国の専門家たちは、その一因として、大人たちの“性教育不足”を指摘する。性暴力サポートセンターなどを運営する社会団体「タックティーンネイル」のイ・ヒョンスク常任代表も、こう話している。

「オランダでは成人を迎えると、成人として守るべき義務について教わります。韓国では父母に対する教育を学校で行っていますが、忙しさなどを理由に出席率が低い。父母教育を受けなければペナルティが課されるなど、システムを強化する必要があります」

韓国で増え続ける親族間の性暴力。早急に対策が打たれ、“人面獣心”による事件が根絶されることを願うばかりだ。

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