「まるで小学生レベル」と失望が続出。大統領候補者同士のディスカッションで何が語られたのか

2017年04月24日 政治
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韓国の第19回大統領選が、壮絶なネガティブ・キャンペーンになっているようだ。

過去にもライバル候補者の過去の過ちや弱点、欠点などをしつこく攻撃することは何度もあったが、今度の選挙は“大統領弾劾”という大きな実りの後に行われるもの。

市民からは「今までとは違う何か」を期待する声が上がったものの、その期待は早くも失望に変わりつつある。

4月23日に行われたテレビ討論会は「まるで小学生レベル」との声すら上がった。

「顔を見ないでお答えします」

討論を始めるにあたって、「正義党」シム・サンジョンはある“宣言”をする。

それは、「私は性的暴行事件を起こしたホン・ジュンピョ氏を認められません。彼は辞退するのが正しい。今日私は彼とは討論しません」とのことだった。

現在、「自由韓国党」のホン・ジュンピョは2012年に出版した自伝で「大学時代に豚の興奮剤を手に入れてデートレイプを謀議したことがある」と告白したことをぶり返されている。

それだけではなく、「お皿洗いは女性の仕事」「性転換手術はともかく、同性愛者は受け入れられない」などの発言を連発しており、いろんな意味で話題を集めている人物だ。

そんなホン・ジュンピョに対して「候補からの辞退」を要求したのは、シムだけではなかった。「国民の党」アン・チョルスも、ホンからの質問に対して「辞退してくださいと申し上げましたので、顔は見ないでお答えします」とコメント。

逆に質問を投げるときも、「ホン氏が辞退するべきだという立場には変わりありません。だからカメラに向けてお話しします」という始末だった。

支持率で1、2位を争っている「共に民主党」のムン・ジェインと、アン・チョルスが攻撃し合う場面では、ホン・ジュンピョが「小学生同士の口喧嘩みたい」と突っ込む。

討論のテーマは「外交・安保及び対北政策と政治改革」だったが、ほとんどの時間を政策よりもネガティブ攻撃や揚げ足の取り合いで費やした。

この討論会を見た韓国人はそれこそガッカリした様子。

SNSでは「食ってかからないで政策に関する討論をしてくれ…」「このなかの1人が大統領になるのか……(ため息)」「あきれて失笑せずにいられなかった」「幼稚園児もこんな討論はしないよ」「大統領にふさわしい人物が見当たらないんですけど」といったコメントが後を立たない状況だ。

いずれにしても、選挙戦はまだまだ続く。これ以上の罵り合いにはならなければいいのだが、はたして…。

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