EU脱退問題で何かと話題のイギリスだが、同国政府が設置している請願サイトが、韓国で話題になっている。
このサイトは、イギリス国民がいかなる制限も受けることなく、さまざまなテーマの請願を行え、共感した国民は署名することができる。
例えば「“EU脱退の国民投票やり直し”を願う」というテーマには、現在まで400万人ほどの署名が集まっているという。興味深いのは、署名が1万人を超えると政府は見解を返答しなければならず、10万人を超えると議会で議論して結果を公開するという決まりがあることだ。
そんな請願サイトに、韓国に関係する興味深いテーマが載せられている。
それは、「韓国政府に犬肉の取引を禁止させよう」というものだ。
詳細を見てみると、「韓国では毎年500万匹の犬が食用として殺されている」「1988年、韓国政府は国際的な非難から逃れようと“ポシンタン(犬肉スープ)店”を隠した。それから約30年が過ぎたが、韓国では現在も犬肉産業が盛んだ」「国際オリンピック委員会(IOC)はなんの調査もせず、2018年平昌冬季五輪の開催を決定した」「イギリス政府はIOCと韓国政府に犬肉取引の禁止を求めるべき」などと説明されている。
今年2月に掲載されたこの“犬肉禁止”のテーマには、現在までになんと約9万2000人が署名している。
1万人を超えたため、イギリス政府は見解を出しており、「犬肉に対する国際的な法や協定がない状況で、イギリスが介入することはできない」「それでも駐韓イギリス大使館を通じてイギリス国民と議会の意思を韓国政府に伝える」などとした。
今後10万人を超えることがほぼ決定的で、そうなれば韓国の犬肉問題についてイギリスの議会が真剣に議論するのだから、韓国人たちもその行方に注目しているというわけだ。
ところで、韓国の犬食文化の実態はどうなっているのだろうか。
調べてみると、食用となる犬は、実際には、毎年約200万匹。食用の犬は檻に閉じ込められた状態で飼育され、太陽を浴びることもなく、また檻から出ることもなく、生後8カ月で処理されてしまうという。
道具を使って犬に打撃を加えて処理するのは動物保護法で禁止されているが、実際には、まかり通っているとも。海外の国際動物保護団体が、韓国の食肉犬飼育場を買い取って犬を保護した例も、これまで3例あるというだ。
韓国では、いつ犬肉を食べるのかというと、夏の始まりを意味する「チョボク」(初伏)という日だ。
今年は7月17日だったが、日本の「丑の日」に近いイメージだろう。夏の暑さに負けないよう、昔から栄養価の高い犬肉を食べる習慣があるのだが、最近は犬肉は野蛮という国際的な非難が高まったことで、代替品として韓国でもウナギを食べるケースが増えているとか。
今回の件に対し、韓国ネット民たちの間では「なぜ他国の話に首を突っ込んで、署名なんかしているの?」「テロのようなイギリス料理よりはマシ…」「1年で500万匹という根拠はなんだ?韓国人の主食が犬肉だと思っているのか?」などと反発が強いが、イギリスの議会でどんな議論が繰り広げられるか、興味は尽きない。
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