韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任して丸1年が過ぎた。
韓国ギャラップ社によると、5月1週の支持率は83%。これは歴代大統領の就任1年の支持率のなかで、最も高い数字だという。
就任1年が経っても非常に高い支持率を記録している文在寅大統領だが、韓国における彼の人気の高さは“本物”といわざるを得ない。
例えば、文大統領が表紙を飾った『TIME』アジア版2017年4月号は丸1年が過ぎた現在も売れ続けている。
韓国で『TIME』を普及するUPAによれば12万部も売れており、これは平均的な月間販売量の10倍を超える数字だという。4月の南北首脳会談によって、今後さらに売り上げが伸びる可能性もあるというのだから驚きだ。
また就任100日を記念した記念切手も爆発的な人気。
(写真=韓国郵政事業本部)文在寅大統領就任100日記念切手
韓国メディアによると、発売当初2万部で準備していた切手帳は追加製作を繰り返して28万2000部も売れ、記念切手500万枚も完売したそうだ。
「ムンテム」と呼ばれる商品にも大きな注目が集まっている。
文在寅とアイテムを合わせた造語「ムンテム」は、主に彼が愛用しているアイテムを意味する。
例えば、文大統領が数年来かけ続けているモデルのメガネ。値段は70万ウォン(約7万円)と決して安くないが、購入者が増え続けているという。その他にも、文大統領が着用していたネクタイや登山服などもムンテムとして注目を集めた。
そんなムンテムのなかでも人気の凄さを感じるのは、革靴だろう。文大統領はごく平凡な革靴を長年愛用しているのだが、それは聴覚障碍者たちが製造したものだった。
製造会社は経営難ですでに廃業となっていたが、ムンテムとして注目を集めたことで、「去る2月に社会的協同組合として復活」(『アジア経済』)したというのだから、文大統領の影響力がわかるだろう。
若干異常と思えるのは、文大統領の愛用品だけでなく、まるでアイドルのように写真やイラスト付きのグッズまで販売されていることだ。
それらは“イニグッズ”と呼ばれ、「I LOVE INY」と書かれたTシャツやエコバッグ、文大統領のイラスト入りノートと多種多様。もはや国民的アイドルといっても過言ではないかもしれない。
そんななか就任1年を記念して5月3日に韓国大統領府が「文在寅グッズ」を販売したのだが、デザインの“パクリ疑惑”で翌日に販売中止になる騒動もあった。
それでも文大統領の人気に影響を与えることはないだろう。
ひとまずは就任1年が過ぎても高い支持率を維持している文大統領。その人気ぶりがいつまで続くか、見守りたい。
文=慎 武宏
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