韓国政府が4月15日に加入推進を公式宣言した「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)」。ただ、韓国国内で歓迎する農家や漁業者は多くない。むしろ反対の声が大きい。
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韓国の高級牛肉を意味する「韓牛」をリードする全国韓牛協会も同じだ。
全国韓牛協会キム・サムジュ会長は、とある韓国メディアとのインタビューでCPTPP加入と関連して「日本の和牛が輸入されれば、韓牛農家が致命的な打撃を受けるはず」とし、日本を警戒した。
その理由としては「日本と韓国の食文化は似ているので、お互いに競争するしかない」とし、「香港に輸出される韓牛と和牛の価格を比較してみると、和牛のほうが安い。韓国に無関税で輸入された場合、農家が被害を受ける見ている理由だ」と語った。
同時にキム会長は、自国産業を保護する政策に手を付けない政府側への不満ももらした。
キム会長は全国韓牛協会のホームページで、さらに強い口調でCPTPP加入に反対しており、「福島放射能農畜水産物を国民に食べさせるというこの政府が、農民の血と涙に背を向けるこの政府が、大韓民国の政府ですか?私たち260万人の農漁民はコロナよりCPTPPのほうが恐ろしいです」と声を荒げた。
協会会長が韓牛の輸出に不利になることを危惧するのは当然のことだが、そもそも、まだ韓国がCPTPPに加入できるとは限らない。
上述したように、韓国国内でも農漁業団体が強く反発しているからだ。反対している理由は、CPTPPの関税撤廃率が96%に達するため、他の経済協力体や米韓自由貿易協定(FTA)に比べて高いことが挙げられるだろう。
韓国農村経済研究院が加入から15年間、農畜産業で年間853億~4440億ウォン(85億3000万~444億円)の被害が発生すると予想したりもしている。
また「申請したとしても実際の加入までは1~2年かかる」(『中央日報』)とされており、先行きは不透明な状況だ。
それでもいち早くも日本を警戒しているのは、危機意識の高さの表れだろうか。いずれにしても今後の動向を見守りたい。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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