日韓関係に左右されず…女子高生が夢中になる韓国の「ヒト」と「モノ」とは?

2018年12月04日 話題
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2018年も、日本の若者の間では韓流コンテンツが人気を集めた一年だったらしい。

先日、女子中高生向けのマーケティング支援などを手がけるAMFが発表した『JC・JK流行語大賞2018』に、韓国関連のコンテンツが複数ランクインしていた。

最近は日韓の政治的緊張感が高まり、ボーイズグループBTS(防弾少年団)の“原爆Tシャツ問題”なども波紋を広げたが、女子中高生の間では韓国コンテンツがいまも人気だという。

振り返れば、昨年末に発表された『JC・JK流行語大賞2017』にも、韓国コンテンツが入っていた。

同賞には「ヒト部門」「モノ部門」「アプリ部門」「コトバ部門」の4部門があるが、「ヒト部門」の1位にK-POPガールズグループのTWICEが、「モノ部門」の1位に韓国料理チーズタッカルビが輝いていた。

AMFの女子大生社長として知られる椎木里佳さんは当時、「2017年に引き続き韓国のアーティストや料理への人気は高く、2018年は“クールコリア”現象が起こるのではないか」と話していたが、その予想通り、2018年も韓国コンテンツが流行した格好だ。

元アイドルがモデル務めた“ピンモン”

今年、同賞にランクインした韓国コンテンツは3つ。

ひとつは「PINK PINK MONSTER」、通称“ピンモン”だ。

「モノ部門」2位に入った“ピンモン”は、フリュー株式会社のプリクラ機。“モンスター級に盛れる写り”を実現した点が売りとされているが、撮影の説明はすべて韓国語で、その「韓国っぽさ」も人気を集めた理由のひとつだという。

機種の擬人化キャラクターを、元K-POPアイドルで人気モデルのカン・テリが務めたことも話題になったそうだ。

また、「モノ」部門3位には、韓国式ホットドックの「チーズドック(ハットグとも言う)」が入っている。昨年のチーズタッカルビに続き韓国グルメも人気で、新大久保のチーズドック店では一日に2000個を売り上げることもあるという。

ただ、『羽鳥慎一モーニングショー』でも取り上げられていたが、新大久保のコリアンタウンで人気のハットグが、地域商店街に思わぬ問題を起こしていたことはいただけない。

日韓は険悪ムードだが…

ブームの裏には弊害もあるようだが、個人的に注目したいのは、最後の3つ目。

同じく「モノ部門」の4位に入った「PRODUCE48」だ。

「PRODUCE48」は、韓国で2016年から放送された人気オーディション番組「PRODUCE101」シリーズの一環として始まった限定企画。

ここにAKB48グループのメンバーらも参加し、今年6月から韓国のケーブルテレビ局Mnetで放送されると、韓国では9週連続で同時間帯の視聴率1位を記録するなど大反響を呼んだ。

そんな「PRODUCE48」の模様は日韓同時放送されたが、日韓両国の候補者96人のサバイバルは、日本の女子中高生からも関心が高かったようだ。

IZ*ONE

また、オーディションを勝ち抜いた12人で結成され、AKB48の宮脇咲良、矢吹奈子、本田仁美も所属するグループ「IZ*ONE」(アイズワン)も、日韓両国で人気を集めている。先日も日本人メンバーが韓国名で登場したライブ配信の視聴者が20万人を突破し、話題になっていた。

旧知の韓国記者も、「韓国でのIZ*ONEの注目度はすごい。最近は音楽番組はもちろん、有名バラエティ番組にも数多く出演していて、テレビで彼女たちの姿を見ない日はないほどです」と話していたが、いま日本と韓国の若者からもっとも注目を集めるアイドルグループであることは間違いなさそうだ。

IZ*ONEは、AMFが「JC・JK流行語大賞2018」と同時発表した「JC・JK 2019トレンド予測」でも「ヒト部門」1位に輝いており、今月5日には「FNS歌謡祭」(フジテレビ)で日本の音楽番組初出演も予定されているが、日韓合同ガールズグループが今後、どんな反響を呼ぶか楽しみでもある。

いずれにしても今年、日本の女子中高生の間で韓国コンテンツが流行したのは事実だろう。

「JC・JK 2019トレンド予測」にはIZ*ONEのほか、「カラフルチーズ」(韓国発グルメ)と「V LIVE」(BTSやTWCEらK-POPアイドルが出演する動画配信アプリ)も入っていたが、日韓の間で政治的に険悪対立ムードも漂うなか、韓国コンテンツの人気が来年も続くかどうか見守りたい。

(文=慎 武宏)

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