『リバーサルオーケストラ』は原作のないオリジナルドラマであるが、元天才少女と敏腕マエストロという組み合わせの設定が『のだめカンタービレ』に似ていると指摘が飛んだのだ。ただ、それ以上に酷似しているとされたのが、2008年放送の韓国ドラマ『ベートーベン・ウィルス ~愛と情熱のシンフォニー~』だ。
2009年にテレビ東京、2011年にBSフジを通じて日本でも放送された『ベートーベン・ウィルス』は、音大出身で元ヴァイオリニストの女性市役所職員が、自身の企画が採用されてプロジェクト・オーケストラの運営を任されることから物語が始まる。
当初は名のある音楽家を集めてオーケストラを結成するも、公演プロデューサーの運営資金横領によって楽団員も去る羽目に。やむを得ず、ボランティアで演奏できる市民を集め、そこに“オーケストラ・キラー”と悪名高い世界的マエストロも合流。彼らがさまざまな困難を乗り越えながら立派なオーケストラへと成長していく、というのがあらすじだ。
細部の設定こそ違えど、「元ヴァイオリニストの女性公務員」「癖のあるマエストロ」「ポンコツオーケストラの成長物語」など大筋は似ている。実際、韓国メディア『SPOTV NEWS』はパクリ疑惑を報じた日本メディア『リアルライブ』の報道を引用し、以下のような見解を伝えていた。
「ヒロインは市庁公務員、男性主人公は気難しい指揮者という設定に、めちゃくちゃなオーケストラが孤軍奮闘を経て最高のオーケストラに生まれ変わるというストーリーだ。『ベートーベン・ウィルス』の影を消すことはできない。両国の似た2つのドラマの盗作論議が大きくなるか、あるいはまったく違う内容となるのか関心が集まる」
もっとも、韓国作品のパクリ疑惑が浮上した日本ドラマは『リバーサルオーケストラ』以前にもある。
例えば、2018年放送の戸田恵梨香主演『大恋愛 ~僕を忘れる君と~』は、設定が2004年公開の女優ソン・イェジン主演映画『私の頭の中の消しゴム』に似ていると話題に。ほかにも、2021年1~3月放送の上白石萌音主演『オー!マイ・ボス!恋は別冊』は『ロマンスは別冊付録』(2019年)、2022年7~9月に放送された永野芽郁主演『ユニコーンに乗って』は『スタートアップ:夢の扉』(2020年)に酷似しているとされた。
一方で逆のパターンもあり、韓国で2017年に放送された『この恋は初めてだから』は、“契約結婚”を題材にしたストーリーが新垣結衣主演『逃げるは恥だが役に立つ』にそっくりと伝えられたこともある。
地上波のみならず、Netflixなどオンライン動画配信サービス事業が活発な昨今、日韓両国では数多くのドラマが誕生し続けている。それだけに、内容が類似した作品同士でパクリ疑惑が浮上するのは仕方のないことと言えるかもしれない。
(文=サーチコリアニュース編集部H)