死刑求刑もあり得る?尹前大統領の非常戒厳騒動は「クーデター的内乱」か「職権乱用」か 専門家の視点は

2026年01月13日 政治 #時事ジャーナル
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尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の内乱首謀容疑に関する1審裁判は、本日(1月13日)の論告求刑公判をもって審理を終える。韓国法曹界では、特別検事チームがどのような論理で求刑を行うのかに注目が集まっている。

【解説】尹前大統領、死刑求刑の可能性も…なぜ

今回の裁判の核心は、2024年12月3日に発生した非常戒厳騒動を、国家転覆を企図した「クーデター的内乱」と規定するのか、それとも統治権者による極端な「権限乱用」の事例として整理するのかにかかっている。

尹錫悦
尹錫悦前大統領(写真=共同取材団)

特検チームは、今回の事態の違法性は、全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領による1979年12月12日のクーデターよりもさらに重大だと見ている。

これに関連し、ソウル大学ロースクールのハン・インソプ教授は全前大統領の事例を引き合いに出し、今回の事態の性格を正面から指摘。「全斗煥新軍部が緻密な企画の下で反乱と内乱を遂行したとすれば、尹錫悦一派の戒厳は無謀だった」と批判した。

実際、今年1月7日の公判で、特検は興味深い比較対象を提示した。

1980年の新軍部でさえ、非常戒厳を宣言する際には「大統領公告第71号」という公式文書番号を付与し、国務会議の議決や官報掲載など、最低限の外形的手続きを整えようとした点だ。

特検はこれを根拠に、「形式すら無視された今回の事態こそ、憲法的秩序を正面から否定した、より組織的で違憲的な暴挙だ」と強調した。

韓国で“法の街”と呼ばれる瑞草洞(ソチョドン)の関心は、来る21日に予定されているハン・ドクス前国務総理の判決結果に向かっている。ハン前総理に対する判決は、非常戒厳加担者に内乱罪を適用できるかどうかを測る基準点になる見通しだ。

これに先立ち、特検はハン前総理に対して懲役15年を求刑し、「内乱を防ぐことができた唯一の地位にありながら義務を放棄し、大統領の違憲的な戒厳宣言を補佐した」と厳しく非難した。

法曹界では、事案の重大性を考慮すれば重い量刑の求刑は避けられなかったが、切迫した状況下で生じた「不作為(なすべきことをしなかったこと)」の責任を問う次元で求刑量が定められたと分析している。特検チームは、ハン前総理に対する求刑基準が、今後の関係者の公訴維持や量刑算定の指標になると断言した。

今月12日には、イ・サンミン前行政安全部長官が内乱重要任務従事などの容疑で懲役15年を求刑された。特検は裁判所に対し、「最高位職の内乱加担者を厳罰に処さなければ、真実は歪められ、再び時代錯誤的なクーデターを企てる勢力が現れるだろう」と強く訴えた。

ハン前総理とイ前長官に対する特検の求刑を総合すると、13日に行われる尹前大統領の論告求刑公判は、非常戒厳事態を「国憲紊乱」と結論付ける可能性が高いとの見方が優勢だ。

単なる権限乱用として見るには、戒厳宣言直後に軍兵力を動員して立法府を物理的に封鎖し、国会の権能を停止させようとした一連の過程が、憲法秩序を根本から否定する「内乱の実行」に該当するという分析が支配的だからだ。

特に法曹関係者は、特検が下級者に対しても15年という重い量刑を求刑した点に注目している。

これは特検が今回の事態を、単なる政策判断の誤りや手続き上の違法を超え、軍事力を動員して国家機関を無力化しようとした「組織的な暴挙」と規定していることを示す証左だという。

結局、事態の頂点であり最終決定権者である尹前大統領には、これよりはるかに重い水準の厳重な法的責任が伴わざるを得ないというのが、瑞草洞の大勢の見方だ。

韓国の刑事訴訟法上、内乱首謀容疑の場合、死刑、無期懲役、無期禁錮の3つの中から刑量を定めることができる。

(記事提供=時事ジャーナル)

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